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タイムリミット(中編)

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


クリートの見た光景は目の前で身内が無惨な姿で雑に持っている姿だ。


怒り、悲しみ、悔しさ、全てがかき混ぜられた気分は最悪そのもの。


クリートは走ってそのキメラに向かい走る。


キメラはウルズの無惨な姿を無造作に投げ捨て上へ飛んだ。


そのキメラは大きな鳥のような姿をしているが二足歩行である要するに鳥人間というもの。


そのため空を飛ぶことは造作もないことみたいだ。


「は、早い!ちっ!」


クリートは自分の力の無さにイラつき舌打ちをするとウルズの元に行った。


ウルズの姿は首が無く発狂を通りこし絶句ものだ。


その姿をノルンも見たらしく何も言わない。


しかしノルンをよく見ると目から涙が溢れ出ている。


「ノルン、ヴェルとスクルドには言うな・・・あいつらにもショックだ」


「・・・うん」


ここで今ウルズの死体を見るときっと2人は戦意喪失ものの心の傷を得ることになる。


そうなればタイムリミットまでに心が回復するおろか一生心が回復しないかもしれない。


クリートもこの光景をノルンに見せたくなかった。


しかしノルンの精神は強くモージのバックルを静かに巻き戦士の姿へ変貌させた。


「クリートさん・・・もう私は悩まない・・・今ある事実を甘んじて受け入れるぐらいの覚悟はあるよ」


「わかった、この事実は・・・でも言わなくちゃいけないか・・・何!ぐわ!」


クリートは突然何かに捕らえられた。


クリートは必死にもがくが相手の力が強く何一つビクともしないし拘束が緩まる気配を何一つ感じない。


ノルンも対応ができる訳もなく捕まった後にアパッチリボルバーを放つが構えた時には既に射程範囲から姿を消していた。


それを悟ったのかノルンは変身を解除させヘビーライフルを静かに構える。


「クリートさん!大丈夫ですか!?」


「ぐぅ!こいつは・・・俺は俺自身で何とかする!ノルンは1回頂上に行ってくれ!なんかわかったかもしれないんだ!」


そう言うとノルンはワイヤーを天井に放った。


その時ノルンは1番恐れていたことにあってしまった。


「・・・ウルズさん・・・」


「・・・ウルズ・・・」


スクルドとヴェルがいたのだ。


ノルンはその光景を見てしまったせいで天井についたのにワイヤーを戻すのを忘れてしまった。


「スクルド、ヴェル・・・ごめん」


「いやノルン君は何も悪くない、それにだいたい犯人もわかるし」


「そう、ノルン、私達もそこまで馬鹿では無い、あの敵でしょ!」


そうヴェルが指さした敵は今クリートを掴みながら持っている鳥人間のキメラだ。


ノルンは何も言わず静かにこくりと頷く。


それで2人は察したのかその鳥人間のキメラに向かい走り出した。


スクルドは今は停止中のエスカレーターを走り上へ向かう。


ヴェルは鳥人間のキメラに向かい糸を放つ。


ノルンはそれらの行動を見て安心を覚えワイヤーを使い天井に向かった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


鳥人間のキメラは天井を貫きショッピングモールの屋根まで飛んだ。


その衝撃をクリートはモロに受けダメージがかなり酷くなった。


「がはっ!こ。こいつ!」


何とか声が出せるくらいには慣れが生まれてきたがそれでも苦しい。


「はぁはぁグゥ!」


クリートは唸り声をあげるとキメラ体に姿を変えた。


「ふん!ぐぅぅぅぅ!おらァ!」


キメラ体の力を使い無理矢理だが鳥人間のキメラの拘束を無理矢理解いた。


鳥人間のキメラは解かれた衝撃で空に浮かぶことを忘れたのか地面に落ちていった。


クリートは空に滞在する術もないおろか受身を取る体力も無いためそのまま力無く落ちた。


どーん!


大きく重たいものが地面に落ちたような音が辺りに響く。


クリートは何とかの思いで立ち上がると既に鳥人間のキメラは立っていた。


「はぁー!」


クリートは拳を構え鳥人間のキメラに向かうと鳥人間のキメラは滑空状態で向かってきた。


(このまままた掴み技に入る気か?)


そうクリートは今までの戦闘経験を使い結びつけることが出来た。


そのように考えるとクリートはスライディングを決めその体勢で鳥人間のキメラの体を掴みクリート自身が上になるように体勢を変える。


鳥人間のキメラはとても激しくもがくがクリートはそのようなことをお構い無しに鳥人間のキメラの顔を殴りまくった。


「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」


ごん!


ごん!


ごん!


ごん!


鳥人間のキメラをタコ殴りにする音とクリートの激しい息遣いが雨の音と一緒に聞こえる。


雨の音などお構い無しにクリートは血に飢えた獣のようにただ貪るように喰らいつく。


鳥人間のキメラはどんどん抵抗が弱まり2分ぐらい経つとその抵抗は無くなる。


抵抗が無くなると同時に鳥人間のキメラは消滅した。


キメラ消滅後やっとシラフに戻ったのかクリートは頭を抱えた。


(これじゃぁ俺はただの獣だ、人間じゃ無いんだ・・・)


その時ロキが最期に残した言葉が脳を反響させる。


自分の存在意義や難しい話にどんどんシフトチェンジしていくがそんなことを考えていくと頭が疲れてくる。


(俺は・・・俺は・・・俺はキメラ・・・いやもう・・・ただの獣か)


自身の心の弱さが本当に憎くて仕方ない。


その心の弱さを実感している時1番会いたくない相手とあってしまった。


まだタイムリミットまで時間があったがお構い無しに来てしまう。


「早かったな、勝負だ」


そう言うとオーディンは姿を変えた。


さっきとは違う。


その姿はクリートのトラウマであるあの姿だ。


「あ、あぁぁぁぁ!」


頭を抱え激しい絶望の渦に落とされてしまった。


その様子にオーディンは満足そうな喋り声で近づいてくる。


「そうか・・・怖いのか!怖いのか・・・ならそのまま黙ってタイムリミットまで待て」


「あ、あぁぁぁぁ」


声が出ない感覚を初めて味わされた気がする。


何度かあるような気はあるがここまで深くは無い。

















本当のラストバトル
















トラウマを克服をできるのか


タイムリミットまで残り19時間


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


フレドとフェークはクリート達が目覚める前に行動をしていた。


ショッピングモール内はボロボロに姿を変えていた。


この中にたくさんの人の笑顔が生まれた場所とは思えぬほど廃れている。


しかしまだこのような事態になったのは数時間前なのでまだ人が居たであろう面影はある。


しかしキメラを討伐しながらの移動なためかなり時間がかかってしまう。


「フレド!ここ、かなり危険だ!俺がここは何とか食い止める、だから先に上へ行ってくれないか、何となく予想ができるんだ、クリートたちの目的は上にある」


フェークはキメラ達を自身の持つ大剣で切り払いながら言った。


フレドはその様子で少し悩んでしまうがタイムリミットがあると思い出すと前へ振り返り走り出した。


「わかった!フェーク!絶対生き残ってくれよ!」


「あぁ俺が死ぬかよ!」


そのフェークの声は自信に満ち溢れている声だ。


その声に安心と信頼を寄せ屋上に近い道へ歩き出す。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「う、嘘だ!く、クリート!」


屋上に着くとクリートが何かに縛られていた。


よく見ると顔から大量の血が流れている。


その姿を見ると恐怖で足が動かなくなるが声は出たようだ。


フレド自身きっと今までの体験がなかったらきっと声も何も出なかった。


しかし声が出るということは精神的にも進化したのだ。


少しづつだが。


フレドが叫ぶとオーディンは振り返りフレドの方へ静かに歩き出す。


「君は確か・・・クリートの友達のフレドだっけな、もし邪魔をするのなら・・・始末する」


「・・・お前がどういうやつかは全く知らない・・・でもお前が原因なのは見てわかる!」


そう言うとフレドはオーディンを無視しクリートの方に走り出す。


オーディンがフレドの後ろに歩いた後に走りそれも最低限物音を立てずに走ったので必ず間に合う。


そう思っていた。


「ぐっ!やはり油断も隙もできないか!」


「は!な、は!」


フレドは後もう少しでクリートという所で顔を無理やり地面に押し付けられた。


フレドの顔のマスクがミシミシ音を立てて壊れかけている。


しかしこの間でも一つ策を考えれた。


「わ、わかった抵抗を辞めるよ、これでいいのか?」


自身の持っていた剣を盾に収め抵抗の意志をオーディンに見せる。


オーディンは納得したのか顔を押さえつけていた手が無くなった。


「ふふふふ、お前は一つ見落としたようだな!」


「!?まさか」


「そのまさかだ!」


そう言うとフレドは盾に収めていた剣をクリート目掛けて発射した。


その剣はクリートの肩に刺さりクリートの目覚めには丁度良いだろう。


「ん?うぐっ!は、お、俺はぐっ!い、ふ、フレド!?」


「早く逃げろ!」


フレドの必死の形相なためすぐに状況を察したのかクリートはキメラ体に体を変貌させ体を拘束させていた物を振りほどいた。


その様子にオーディンは焦りを見せ急いでクリート目掛けて走るがフレドがオーディンに乗っかる形で行動を止める。


「クリート!早く!」


「くっ!わかった!」


そう言うとクリートは屋上から飛び降りた。


今は怖いなど言っている暇は無いためノンストップで飛び降りる。


最悪キメラ体なので着地をミスっても死にはしない。


「さぁ、クリート似の人よ、これでゼロに戻ったな」


「・・・おのれぇー!!!」


オーディンは悔しさを紛らせるように遠吠えをあげる。


その遠吠えを聞いてもなお力を全く緩めずに拘束を続けるが思わぬ出来事が生まれた。


「終わりだー!」


そう言うとオーディンはキメラ体に変身しフレドの体形を変えオーディンの真ん前にフレドが居る状態に体形を変えた。


(は!な、何なんだ!この頭のおかしいスピードで!)


「審判の時だ!」


そう言うとオーディンはパンチの姿勢をとる。


「がっ!」


フレドを思いっきり下に叩きつけるように殴り飛ばすとものすごい轟音とともにフレドはショッピングモール内に落ちた。


ドゴーン!


フレドは声を上げるもできず攻撃を受けてしまう。


オーディンはクリートを追いかけるようにまた走り出す。


「あいつの!「創世の力」を取り上げれば俺は!俺は元の力を取り戻せる!変身の力は取り上げれた!あとはお前だけだ、クリート!」

















タイムリミットまで残り18時間。




ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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