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未来の始まり(後編)

ロキは剣をがっしりと握りクリートに走って向かってき

た。


クリートは向かってきたロキをパンチひとつで退けさしたというより無理やり飛ばした方があってる。


鉄が床に落ちる音が体育館内を響かせている。


「はぁはぁはぁはぁ」


ロキは立ち上がろうとするが立ち上がれない。


床に無慈悲にも転がるロキをじっとクリートは見つめる。


その様子にやっと勝利というのを感じたが胡座をかく訳にはいけない。


「お、お前……ははは……力に溺れるなよ……その気が無くても人間は力に溺れやすい」


「大丈夫だ……俺には」


ロキはまた立ち上がり次は剣を持たず走り出す。


クリートもその様子を理解したのかロキに向かい走った。


2人の激突寸前にクリートとロキは手を伸ばしお互いの体を殴った。


その瞬間ロキはクリートの攻撃力の高さからまた飛ばされた。


しかしクリートもノーダメージなわけがなくロキのパンチが少し効いている。


「はぁはぁはぁはぁ」


「クリート!力に溺れて人間としての本性を向き出せ!」


「俺は……俺は……力に溺れない!」


再びロキはまた立ち上がりクリートに向かい走り出した。


クリートは次は動かない。


「俺の戦う理由がいつたっても分からなかった……」


「オラァ!」


クリートは片方の手でロキのパンチの手を防いだ。


その姿は勝者の余裕すらある。


貫禄があるように見える。


「ずっと考えたんだよ……みんな大きく賭けるものも大きい……でもわかってきたのかもしれない」


「そうか!でもな我々にも大切な夢があるのでね!」


また殴りかかろうとしたがクリートの固く握った手を離しその手で殴り掛かる腕を防ぎもう片方の腕でロキの腹を殴った。


「ごふ!」


「俺はわかったんだ……戦う理由が……俺は人を守りたいだけなんだって」


「がはっ!い、1丁前の理想を掲げてもな……そんなものは所詮みんな知らない……人間というのはとことん無情なやつだ……」


「お前だって人間だろ!」


ロキは立ち上がるとクリートにとっては衝撃的な告白をした。


ゆっくりと立ち上がりクリートを見つめながら立ち上がる。


「俺は……キメラだ!」


そう言うと変身を解除しロキはキメラ体に姿を変貌させた。


その姿はとても禍々しく人の恐怖を覚えるような姿だ。


見た目からも強さが出てきている。


「人間はどうしようもないやつだ!そのうちお前にもわかる……人間は……この世界に生きてはいけない」


「それを決めるのはお前ではない!」


ロキは腕が変形しその腕から剣が出てきた。


大きくその剣はこの体を表しているかのような感じだ。


クリートに斬りかかるがクリートも負けじと応戦する。


剣VS拳なら圧倒的に後者が不利だがそれを埋めるような実力でロキを押している。


かん!


かん!


ごん!


ざん!


拳と鉄がぶつかり合う音が雨の音と聞こえる。


体育館内というのもあり音はより響いているのだろう。


その中2人は体育館内で殴りあったり斬り合いを続けている。


「お前は!お前だけは!」


「俺は人間を守る!全ての!力無きものの人の盾になる!」


「君にも願いがあるように俺にも願いがあるんだ!」


ロキはどんどん斬撃を鋭くそして多くしてきた。


クリートはさすがにその攻撃に防ぎきれずに徐々に攻撃が当たってきている。


「がはっ!」


「これで!終わりだ!」


剣を大きく振りかざし、その斬撃をクリートはもろに受けてしまい変身が解除された。


大きくそして早く呼吸しているクリートの体を蹴り飛ばしロキからさらに距離を空けた。


「がはっ!はぁはぁはぁはぁ」


「諦めろ……我々には勝てない」


「ま、まだだ!」


口から垂れてきている血を手で拭き取り膝立ちでじっとロキを見つめる。


ロキの姿をじっと見るがやはり恐怖の方が強くなってくる。


だが戦わないと守りたい夢も自分の命も守れない。


そう思うと自然と力が元に戻ってくる感覚がして立ち上がれた。


「俺はまだ諦められないんだ!これ以上目の前で苦しむ人を見たくない!」


「そんな一丁前の夢だけでこの世界を生き残れるものか!」


「なら叶えてやるよ!俺がこの手で」


またAI兵のバックルを出し変身をしようとするが何か違和感を感じる。


「クリート、お前もだいぶ進んでいたようだな……」


「な、何を!」


「ふ、まぁどの道すぐに分かることさ」


何を言われてるのか本当に分からない。


また口から垂れてきた血を拭き取るとロキの言った答えがわかった。


「ち、血が紫……む、紫色に!」


「ふ、それで人間を守るのか……見ていて笑えてくるよ!」


「う、うわぁぁぁぁぁあ!」


その時クリートの体も変化しているのは自分でもわかってきた。


変貌した姿はクリートにとっては皮肉さがある。


「あ、あぁ……あぁ!」


絶望と驚きで声が上手く出ない。


出るのはタジタジしい言葉だけだ。


その様子にロキは腕を組み笑っている。


さっきの状況とは打って変わって逆転したのだ。


「別に夢を諦めろとは言わない……でもその姿が君の守りたい人間に認められるのか?人間は永遠に差別を作る……その犠牲の一部でお前の人生は終わるんだよ!」


「あ、あぁぁ、う、うわぁぁぁ」


頭を抱え激しい絶望を描き消そうと叫ぶが現実はそんなことで変わるほど甘くないわけが無い。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


シギュンとフェークはお互いに向かい走り出した。


シギュンが先制攻撃のようにトンファーを放つがそのトンファーを受け流す体勢にはいり耐えた。


ジリジリ


鉄と鉄が擦り合う不快な音が地下駐車場内を反響させてくる。


「うぉぉぉ!」


「アンタはもうこれでおしまいにしな!」


そう言うとシギュンは突如姿を変えた。


見た目は大きな牙がありその雰囲気はライオンのようだ。


「ま、まさか!お前は!」


「はははは!これで終わりだ!」


切り流しているフェークは今抵抗がほとんどできないためシギュンは己の顔をフェークに近づき噛み付いた。


穴の空いていない仮面から噛み付いているが若干目を軽く傷つくように噛まれてしまった。


「う、うぐぅ!うぉぉぉぉ!」


どんどん受け流す度にシギュンとの顔の距離は近づきダメージは増えていく一方だ。


「あ、あぁ、がぁっ!」


悲痛な痛みを叫ぶ声が聞こえる。


その声を聞こえても痛みで立ち上がれないソルーはやるせなくて辛い気持ちでいっぱいだ。


しかしある者がその状況を一変に変える行動をした。


「うぉりやぁぁぁ!」


フレドが空中からシギュンの胸にに剣を突き刺した。


「ぐぉぅぁ!」


声にならない声がシギュンから漏れるとほんの一瞬噛みつきが甘くなりその時に何とか脱出ができた。


「はぁはぁはぁはぁ、ふ、フレド!」


「や、やっぱりお前の本音は普通のままだったんだな……助太刀するぞ」


「フレド……ありがとう、俺お前が友で良かったと思ってるよ」


「今度は嘘でないよな?」


「まさか、じゃあ誓うよ……俺はもう二度とお前達には嘘はつかない……」


「ふ、じゃあ裏切んなよ!」


「もちろん!」


フレドとフェークは再び剣を握り直すとシギュンに向かい走り出した。


シギュンもその様子を汲み取ると獣のように2人に向かい走り出した。


シギュンとフェーク、フレドコンビがぶつかる寸前にフレドが自身の片手剣をシギュンの口に突き刺した。


シギュンの反応を見る感じ多分噛み切ることは出来なさそうだ。


「う、うぐ、がぁ、が!」


言葉になってない言葉をシギュンは絶え間なく言い続けている。


その後ろに柱を使い空中に飛んだフェークの姿がフレドには見えた。


「うぉらぁぁぁ!」


フェークが大きく叫び剣を振りかざす。


狙いはシギュンの首だ。


びゅん!


空気を鋭く斬る音の後にぐちゅっと言った気持ちの悪い音が聞こえた。


フェークの斬り方が上手いのかシギュンの首は力無くその場で落ちた。


「フェーク!やったぞ!」


「よ、良かっ……」


「フェーク!」


フェークは着地を決めることなくその場で倒れた。


疲れや痛み、罪悪感からの解放等があったせいか体から全身の緊張が抜けるように倒れる。


だが意識はしっかりと持ってあるが体が動かないようだ。


(やったよ……みんなごめん……裏切った真似して……俺はみんなの元に居てはいけない人間だな……)


しかし仲間を1度裏切ったという新たな罪悪感は永遠に付きまといそして重たい。


「フェーク!フェー……」


それ以降フェークの意識は無くなった。


次目を覚ました時には目の前にシスとソルーが居たのだ。


まるで夢のようだ。


(これが夢なら醒めないで欲しい)


ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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