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encounter and destiny(出会いと運命)

今ノルンは落ちている。


不思議と恐怖は全く今のノルンには無い。


風が気持ちよく眠気を程よく掻き立ててくれる。


なぜ安心できるのかは全くわかるわけが無い。


しかし平穏な心で死ねるのは誰もが望む最高な死に方だ。


(以外に早かったな・・・私の死)


目の前にあるのは走馬灯か・・・よく分からないが走馬灯がはっきりくっきりと見える。


目に見えたのは3人で駆け抜けた試験のことだ。


その試験が今の3人の関係を作り出したと言っても過言では無い。


「これは・・・!」


気を失ったのか分からない。


しかし目に浮かぶのはノルンの過去の出来事だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ノルン


生まれや親は分からない。


そのためノルンにあるいちばん古い記憶は孤児院での記憶だ。


時間軸が進むにつれ人口は増加の一途を辿りその中で幸せを掴む者も入ればノルンのような不幸せを掴むことだってある。


ノルンはその不幸を掴む人になってしまい孤児院に入ることになってしまった。


孤児院と言われても後から聞いた話だとその孤児院は過去の事件を取り締まる今のノルンの職場である


未来犯罪取締官に一番向いてある人を探すため全国の孤児を引き取るのが真の目的だったようだ。


しかしその職業のせいか普通の孤児院とは違う。


孤児院内では「ノルマ」と言った体を使う一日の目標を達成するのが基本だ。


「ノルマ」というものは孤児院の先生が生徒一人一人に与えている物だ。


この「ノルマ」をクリア出来なければランクがどんどん下がっていき最低ランクまで着くと「処理」という名目の元 殺される。


しかしみんな「処理」というものは分からないためそんなもの関係なしにやっているのが現実だ。


中には「ノルマ」中に死亡する人も居るくらいだ。


そのため命の重さをあまり感じない環境なのがこの孤児院のリアルだ。


「ノルマ」は年齢が上がればどんどん高くなり未来犯罪取締官の最低年齢である16になるまで「ノルマ」は続く。


ノルンはこの「ノルマ」をクリアしていくことはできた。


しかし楽というものはない。


その内容は過酷でありしんどいものばかりだ。


体力の向上、対人戦、乗り物の短期破壊など。


そのような内容の物をクリアしていき遂に16になったノルン。


この孤児院は未来犯罪取締官と繋がっているためこの試験に生き残れば自動的に就職ができる。


未来になりAIが人間から職業を取り上げたせいで世界では大規模職業不足に陥っている人が山のようにいるのが現実だ。


そのためこの試験は生き残れならなければならない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


最終試験であるバトルロワイヤル。


3人でチームを組みそのチームで戦うと言った内容だ。


生き残れるチームは20人グループ中3グループ。


残り3グループまでのところで終了のチャイムが鳴る。


これが最終試験の内容だ。


試験範囲は孤児院内と孤児院専用訓練所である山全体。


孤児院は隠れれないように隠れれそうなスペースは扉が閉められ絶対に戦わなければいけないように設定されている。


バトルロワイヤル内で使える武装はピストルと自分個人の得意武装だ。


そのピストルは強力な催眠薬を含んであるため相手に撃つとすぐに寝てしまうことになるのだ。


寝ればゲームオーバーでは無い。


寝てもチームメンバーが守ればその寝ているチームメンバーは通過できる。


ならゲームオーバーはどこだというのだ?


ゲームオーバーは首にかかってあるネックレスを取る事だ。


そのネックレスを取られるとゲームオーバーだ。


少々話がズレたが続いての説明は得意武装だ。


得意武装、孤児院では適正などを調べられその適正にあった武装が持てる。


適正が分かるとその適正武装をもらい適正武装訓練もされるのがある。


その武装とピストルを上手く使い生き残るのが最終試験の内容だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ノルンはピストルに付ける用のアタッチメントワイヤーが得意武装となっている。


遂に最終試験日。


チームメンバーはその日に公開だ。


ノルンはチームメンバー公開場である試験待機所のモニターをじっと見つめた。


ぼーっと見つめていたら割とすぐにノルンの名前が出てきた。


「えーと、Bグループね」


グループを確認すると10分間グループ専用の待機場で待機することがある。


ノルンはグループを確認したのでひとまずBグループの待機場を探した。


孤児院内は広いので迷子にならないことを祈ったが試験待機所から近い場所にあったのが幸運だ。


待機場の扉を開けると試験用の服がかかってあるであろうロッカーと机と椅子、飲み物等がある冷蔵庫があった。


待機場は嘘でも広いとは言えない広さだが3人で過ごす分には全然申し分は無い。


「よ、よろしくお願いします!」


いつものように明るく振舞った。


「よろしくね・・・ノルン君・・・僕の名前はスクルド・・・よろしくね」


「スクルドさんよろしくお願いします」


スクルドは明るくそしておっとりしているような雰囲気で話しかけてきてくれた。


もう1人居る、


人形のようにただただ前をじっと見つめている金髪の美少女が居た。


目には何を見ているのか全く分からず不気味さを掻き立てている。


「ねぇ、私ノルン・・・よろしくね」


「・・・よろしく」


無愛想も良いところな反応だ。


スクルドはため息を吐きその少女の紹介を始めた。


「彼女はヴェルザンディ、私はヴェルで済ましているけど」


「へぇ・・・ヴェルさん、よろしくね」


しかしヴェルは全く喋らない。


ノルンはヴェルの視界に入るように動き回ったが全く気にも止めてくれない。


「はぁはぁ、ねぇスクルドさん、ヴェルさんってずっとこうなの?」


「そうだよ・・・一応話しかけてはいるけど中々口を開けてくれないんだ」


「うーんそれだと得意武装のことが分からないよ」


「得意武装ね、確かに知らないと後々説明は面倒くさいね」


するとヴェルは急に口を開き


「私の得意武装は糸・・・」


「糸!?了解、糸ならサブでもメインでも使いやすいね」


ノルンは冷静にヴェルの得意武装の使い所を考えていた。


実際糸は使いやすい。


高所取りも楽に進めれるので生き残れるためならヴェルを上手く使うのが肝になりそうだ。


「ヴェル君の糸はかなり使えそうね・・・僕の武装は剣だよ」


「剣ならメインしかないね」


スクルドの得意武装は剣。


ただの剣だがシンプルなので戦略が簡単に決めれる。


しかしほとんどの人が遠距離での攻撃なのでスクルドの使い所は少し難しいのが現実だ。


「ノルン君は?どういった感じの物を持っているの」


「え、えっと、銃に付けれる用のアタッチメントのワイヤー」


みんなが主戦力になるくらいのものを持っているのに自分はアタッチメントといった内容なのが恥ずかしい。


絶対に何か言われる、そう思っていたが実際は違った。


「そのワイヤーで君の体は動かせる?」


「一応それで壁とかは登れるけど・・・」


「なら偵察にもってこいだね」


今まで自分に必死だったのでノルンは自身を客観的に捉え何ができるのかが全く分からなかった。


しかしスクルドが言ってくれたおかげで初めて自分の長所を知れた。


「スクルドさん、ありがとうございます・・・今まで私この能力が嫌いでした」


「うん・・・」


「でも初めて自分の長所を知ると嬉しいです、ありがとうございます」


ノルンは顔を赤くし照れている。


この孤児院で初めて褒められたのがこれが初めてだったからだ。


今までは淡々と「ノルマ」をクリアするだけの日々なので褒められることなんてまずなく明るく振舞ってはいたが周りは全員暗いため会話などほぼなくしてここまで迎えたのが孤児院内での生活だった。


初めて褒められた時とても嬉しい気持ちでいっぱいになれた。


嬉しさや自分の価値観が初めてこの場で理解出来た。


(私に価値はあったんだ・・・ふふふ)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


開始のチャイムがついになった。


ノルン達は試験用の服に着替え試験開始。


服は普通の長袖Tシャツだ。


ズボンは短パンなため動きやすい。


スクルドはノルンとヴェルを呼び手を出した。


「みんなこれやろう?エイエイオーのやつ」


「確かにね・・・ヴェルさんも」


ノルンはじっと見つめているだけだったヴェルの腕を掴みスクルドの近くに手を出させた。


ノルンも手を出し全員が揃ったことを確認すると口を開き


「じゃあ行くよ・・・エイエイ」


「オー!」


ヴェルは察しの通り言いはしなかったが手はあげてくれた。


少し警戒が薄くなってくれたと思うと嬉しいことだ。


孤児院内の音質の悪いスピーカーから開戦のアナウンスが始まった。


「諸君今までよく耐え抜いた・・・ではここからは講師達はここから何も教えない・・・チームメイトと一緒に3人4脚で頑張るのが今回の試験だ、では諸君終了のチャイムまで生き残れ!」


そう言うとチャイムは終わりここから最終試験が始まった、


もうここからは泣いても笑っても最後だ。


ノルンは心臓が止まりそうなほど緊張している。


それとは対比しているようにずっとぼーっとしているヴェルは本当に凄いとノルンは感心している。


ノルンの緊張を汲み取ったのかスクルドが後ろから頭を撫でてくれた。


「落ち着くのが1番大事だよ・・・深呼吸してね」


「あ、ありがとうスクルドさん」


「じゃあみんな頑張るぞー!」


スクルドがそう言うと剣を前に構え3人は待機場から歩き出した。


ここから最終試験が始まる。


果たして生き残ることが出来るのだろうか

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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