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Curse of Overtravel(過去の呪い)

会話少ないよ・・・すまない

クリートシンク


彼は幼い頃にある事件があった以降心を閉ざしかけていた。


事件は4、5歳頃。


みんなで幼稚園の園児達とキャンプに行っていた。


幼稚園の恒例行事のキャンプだ。


みんなが楽しめるしみんなが楽しみにしていたであろう。


しかしその時にクリートにとっての人生の変わり目が生まれてしまう。


時間軸は夕方頃だ。


「き、キメラが出たぞー!」


その声が辺りを響いた。


その時みんな


「きゃー!」


「嫌だ!!」


「うわぁぁぁ」


などの悲痛な叫びが生まれた。


人間特有の拒否反応だ。


しかし皮肉にも生きたいという気持ちが自分の特有の反応のせいで死に導くとは思わない。


この頃はまだキメラが完全に討伐されていなくそのためキメラに襲われて死ぬ人は少なくは無かった時期だ。


キメラは見た目からも禍々しい見た目をしている。


見た目だけでも脳裏に焼き付けれれ今後一生忘れられないように感じるがまだまだ恐怖は続く。


キメラは運悪くクリート達のいるキャンプ場の近くで発見された。


発見者は急いでクリート達に伝えたが目の前でキメラの手により子供の居る目の前で殺されてしまった。


その事だけでもトラウマになりかねないが彼を襲うトラウマはこれ以上にある。


キメラは1歩1歩ずつ近づいてくる。


周りの幼稚園の先生はキメラを止めようとしたが抵抗は虚しく。


「うぐわぁ!」


ある先生は腹を裂かれ臓器がむき出しになったり、またある先生は頭を潰されたり。


「きゃぁぁぁ!」


先生も園児も恐怖で叫んでしまった。


普通の死に方ならまだ良かった、しかし残虐的な殺し方は先生にとっても大きくトラウマになるし園児達なら余計にだ。


まだまだあるがそれらが園児達に大きくトラウマにさせただろう。


園児達はみんな逃げるが慣れない足場な為転けてしまい近くの傾斜から落ちた園児も居た。


落ちて転けた園児はもれなく全員死んだと後から聞かされた。


みんなあちこちに逃げるがみんな行方不明や高所からの落下にて死亡とよりクリートの心をえぐっていく内容だ。


中には男らしく立ち向かおうとした園児もいたがその園児はパンチひとつで飛ばされ木にぶつかり死亡。


木から大量の出血を見ての判断だ。


クリートはとにかく逃げた、しかし行く先々でたくさんの園児の死体を見て心がえぐれていった。


歩いている最中最愛の友達や親友だっていた。


しかしその人たちは皆死体となっておりより心をエグるものとなっていく。


クリートはもはや泣くことなどできず顔が止まったままだ。


絶句という感情を最悪な事件で覚えてしまう。


「なんで、なんでなんだよ!」


とにかく叫んだが現実は変わらない。


まだ無常の現実は続く。


クリートの目の前にあのキメラが来たのだ。


自分のクラスの担任の頭を持ちながら来た。


首からまだ血が零れ落ちているのでまだ死んでまもないということが分かる。


クリートはその姿に足を止めてしまう。


目の前で自分の知り合いの人の生首を持つなど恐怖しかない。


幼い頃にこの体験は刺激的すぎるものだ。


足を動かそうとするが恐怖で動かない。


足がガタガタ震えるだけだ。


「・・・嘘だ・・・ここまで来て・・・死にたくない」


一度キメラがクリートを殴った。


しかしその時何とかの思いで避けたので致命傷では無いが腕を切った。


でも今は痛みよりも恐怖の方が上だ。


しかし今度こそ腰を恐怖で落としてしまい本当に逃げれない。


腰を上げようとしたが恐怖で今度こそ上がらない。


足をがたがた震わし動かない。


「嫌だ・・・死にたく・・・死にたくなんか・・・ない」


切られた腕を抑え静かに震え出す姿はキメラの強さを際立つさたせるためのトッピングになっている。


キメラとクリートの距離が1センチぐらいになった時遂にキメラが攻撃をしようとした。


クリートは無意識のうちかキメラを今できる最大限の力で突き飛ばした。


それがクリートの人生を大きく変えた行動だ。


「う、うわぁぁぁ」


突き飛ばした衝撃で近くの傾斜から転げ落ちた。


だがこの行動がクリートの人生を守ってくれた。


傾斜から地面までの距離はまぁまぁある。


(本当に死んだ⋯ここまで来て⋯死にたくない)


しかし死ぬと本格的に思うと自然と恐怖は消えだした。


なぜ変わらないが死後の世界が本当にあるのかそれが気になりだしたのだ。


不快だと思った落下時の風が今では安心感すら覚えだしてくる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


みんな


最期にみんなの顔が見える。


しかしそのみんなの姿がさっきの死体と重なり恐怖を覚えだした。


その恐怖が死に対する心をえぐってくる。


やはり死にたくない。


人間である以上死にたくないという






















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









ドン!


地面に叩きつけれれた音では無い、なにか柔らかい物に何か重たい物が落ちた音だ。

















生きたいという想いが現実になったのかは分からない。


傾斜から落ちた時の衝撃は近くの木々の葉がクッションになる形で体を守ってくれたのが幸運だ。


やはりその衝撃に幼稚園の体では耐えれる訳もなく意識はその時に飛んでしまった。


しかし自然のクッションのおかげで怪我はほとんどなく済んだ。


ちなみにあとから聞いた話だがこの時まだクリートの下にあった木は無かったということだ。


この時から創世の力がありそれが無意識のうちに使われたようだ。


しかしこの頃にまだ理解する余地などあるわけもない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


クリートが目を覚ました時は病院のベッドの上だ。


目の前には涙のあとがくっきりとしているマームが居た。


白くみんなの死体などあるわけもない普通な部屋だ。


まだあの事件が脳裏にこべりついている。


「クリート!良かったよ、本当に・・・」


まだ涙声だ。


鼻をすすりながら泣いてくれている。


しかしクリートは目を覚ました時1番気になる質問をマームにした。


「お母さん、みんなは、友達たちは!」


しかしその瞬間顔が一気に暗くなったのが目に見えた。


「あなただけなの・・・生き残った人は、あの中で」


「・・・え?」


幼い頃の自分には理解するのに大きく時間がかかる。


「・・・今のあなたはそのような事気にしないで」


これは母なりの愛情表現だろう。


幼い自分には刺激的すぎるということだ。


トラウマを強めないという思いだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


生き残れたことは良かった、しかし恐怖はまだ続く。


それから毎晩あの時の夢を見る生活になってしまった。


あの時の夢が色々変わり時には自分が殺される夢まで見てしまうぐらいにトラウマは強く脳裏に近づいてしまった。


その度にマームが抱きついて寝てくれたがそれでトラウマが治る訳もない。


病院まで通いだしたが治らない。


それが原因かこれ以上友達を作り失いたくないという欲求が強くなってしまった。


そのせいか小学校中学校全く友達を作らない生活を送る。


時にいじめだって受けたがあの時のトラウマに比べると耐えることなんて容易いことだ。


しかしその事がクリートの心を徐々に破壊していくことだということだ。


友達を作らないことと同時に自分を強くしたいという欲求も高まった。


目の前で友達や先生を殺され後悔するくらいなら強く守る立場になりたいと思った。


そこから今クリートが使っている腕時計型バックルの作成に手を染め出した。


目の前で友達がいじめられているのを見ると急いで走り止めたが


「お前には関係ない!」


「ならお前をいじめてやるよ・・・永遠に」


そこから自分が虐められる生活にシフトチェンジしてしまった。


だが苦しくは無い。


ただ見ているだけの人生の方が辛いからなんとも思わない。


「・・・俺はこれでいいのか」


そう思ったのは中学卒業後、高校前の春休みだ。


自分の存在価値を本気で悩み出した。


心はどんどん壊れていき思い出という思い出は何も無い。


そんなクリートの人生を大きく変えれることなど無い。


もう二度とあの時のトラウマを乗り越え心が元に戻ることなんてない。


そう思っていた。


「クリートシンクだっけ!よろしく」


彼がクリートの心を救ってくれた救世主だったのだ。


とっくの昔に壊れた彼の心を普通に治してくれた人は・・・

ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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