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正義の有線順位

100話突入!

いえーい (本編の雰囲気と全く合わない)

バン!


遂に引き金は引かれた。


「え・・・」


引き金は無情にもソルーの心臓に当たるようなところに放たれた。


最後の一言はそのことに対する驚きだけで終りだ。


その言葉がとても罪悪感にくるものがある。


撃たれた瞬間ソルーは痛みよりもすぐに意識が無くなった。


撃たれたところから赤い液体がどんどん漏れてきている。


ソルーの死体を静かにフェークは見ることしか出来ない。


己の手で傷つけ自らが悲しむとは身勝手極まりないがそう思ってしまう自分が憎い。


「あんたは無情だね・・・まぁこれで煩わしいやつだから悲しくなんかないけどね」


昔ならその一言で完全にキレていたが今はそのようなことを全く反応は変わらない。


「・・・早く妹を治せ・・・それがルールだろ」


「・・・そうだったね連絡するわ」


ソルーの体は力無く赤い液体を垂れ流しながら倒れている。


目は閉じてありその顔は少し不満があるような寝顔にも見える。


目が覚めるのか分からないのに。


「・・・ごめんソルーの死体はこっちで処理するよ」


「分かるじゃない・・・話がわかるやつでよかったわ」


そう言うとフェークはソルーの体をお姫様抱っこで持ち学校内へ歩き出した。


(・・・俺は・・・これで良かったのか)


マスク越しには後悔の念がある。


自分の決めた道なのに・・・後悔するなんてダサいものだ。


胸に染み付いてある赤い液体を見ると心苦しさで狂いそうになる。


これも自分でやった事なのに。


ソルーの死体を持っているフェークはある人に呼び止められた。


できる限りこの姿を1番会わせたくなかった人だ。


「師匠・・・どうして」


「・・・俺が戦う理由を教えるよ・・・それがソルーを己の手で殺した理由だ」


そこに居たのは困惑顔のゴリだ。


ゴリは困惑と知らない生物を見た顔をしていてそれもフェークの心に突き刺さるものだ。


あれだけ命懸けで告白までしたのにすぐに殺してしまうとはゴリ自身わかるわけもない。


「・・・妹を助けたい・・・その思いで今まで戦ってきた・・・もう嫌なんだよ・・・こんな関係」


「別に師匠の望むことなら良いのですよ・・・でもそれならなぜこんなに悲しい声で言うんですか?!」


「・・・ゴリ・・・俺はどうしても戦わなくっちゃいけないんだ・・・妹を守るために」


そう言うとフェークは剣を構えゴリの前に来た。


「師匠・・・本当の気持ちを教えてください・・・本当の気持ちなわけが無いですよ!」


「・・・くっ!」


フェークはゴリに剣を振りかざした。


ゴリは振りかざされる前に変身しゴリの手からツルが放たれた。


ツルはフェークの腹を巻くように捕まえた。


そのまま校舎の壁に撃ち込む。


その時の攻撃の衝撃で斬撃はかすりでしか当たっていない。


ツルは攻撃というより行動の制限のためだ。


ゴリ自身フェークと戦うことなんてしたくないようだというのを攻撃から感じる。


「くっ!こいつ」


「教えてください!師匠・・・本当の気持ちを!」


「教えてやるよ!煩わしいんだよこんな関係!だから断ち切りたいんだ!」


「じゃあ今までの友情は・・・俺は怪盗だ・・・友情なんてそんな事しない!」


「うぉぉぉぉ!」


ツルは更に強く引き締まられている。


「うぐ!なら、お前はなんて言って欲しい・・・俺は」


「うぉぉぉぉ!これで・・・がはっ!」


急にフェークの腹を巻くようにしていたツルが無くなった。


ゴリの腹から剣が1本貫通するようになっている。


気になりゴリの後ろをじっと見ると人がいる。


「仲間の邪魔はさせない・・・フェーク君よろしく・・・仲間になってくれたんだな」


「・・・よろしく・・・ロキ」


ゴリのキメラ化が消え床に力無く倒れたがそれでもなおフェークを見ている。


「師匠!な、なぜです!」


「・・・俺は自分の欲求のためなら裏切りだってするさ・・・楽しかったぜ」


そのゴリの姿を本当は見たくなんてなかった。


見ると頭と精神が狂いそうになる。


本当ならここで泣き叫びたい、でも妹のためだと考えると見るしかできない。


フェークは常に命の重さを天秤にかけて考えさせられている。


その事はあまり長くない人生で決めれるものでは無いがそれが目の前に来ているのは中々苦しいものだ。


「そんなこと・・・俺は・・・俺は認めない!目を覚ませ師匠!」


「さよなら」


そう言うとフェークはソルーの死体をまた姫様抱っこで持ちゴリの元から離れる。


その時の背中はどこか儚げさを感じる。


本当にロキ側に逃げたのかまだひとつ分からない。


「師匠!クリートさんたちの友情は!ソルーさんとの愛情は!どこに行ったのです!そんなの・・・」


その言葉は言い切る前に切られた。


切らされたと言う方が間違えてはいないような感じだ。


それ以降ゴリの声を聞く言葉は二度と無い。


人生でこれ以降ゴリの言葉を聞きたくても聞けなくなってしまった。


その言葉を聞くとフェークは仮面越しだが涙を零す。


「・・・ゴリ・・・俺本当は・・・」


わがままだし自己中心的なことなのは分かる。


もう自分には分からない。


何があっていて何が間違えているのかが分からない。


後悔と自問自答をしながら学校の校舎を登ってていく。


「もう後に引けない・・・行かなくちゃ・・・あいつの元に」


しかし校舎の最上階に着くと3人見覚えのある顔が居る。


「・・・フェークさん、ソルーさんに何しました?」


「・・・ノルン・・・お前らには関係の無い・・・俺の信じるものに口を出すな」


声が冷たくいつもの話し方では無い。


「いつものフェーク君じゃない・・・何かあったの!」


「俺は至って普通だ・・・これが俺だ」


「ならなんであんなにゾッコンだったソルー君を」


「・・・」


スクルドはこの異変に真っ先に気づきフェークに聞いてみたが変わらない。


しかし声が少し変わった。


ノルンはどうしてもそのフェークを許せないらしい反応だ。


顔から見ても分かる。


「・・・フェークさん、いつものあなたっぽくないです・・・そしてさっきなんであの人たちと話していたのですか?」


「関係ない・・・どの道この場でみんな殺すだけだから」


そう言うとフェークは剣を構え走り出した。


「もう俺は迷いたくないんだ!」


スクルドはそのフェークの斬撃を流すように対応したが剣が分裂した。


「何!」


「安牌に考えすぎたお前の負けだ」


そう言うと片方の空いている手で片手剣を持ちスクルドの腕を軽く斬った。


大剣の時点で少し疑うべきだと後悔の念がある。


「ヴェル!」


「わかった、ノルン」


フェークが気づくと体が動かない。


下を見ると糸が大量に張り巡らされている。


足は注意が薄くなりやすいので捕まえやすかった。


「くっ!どうして!」


「次は腕よ!」


足に注意が移った瞬間を見逃しはしない。


そう言うと糸は大剣を持つ片腕に絡まった。


もう片方の手は片手剣を持っておりその剣で糸を斬っていた。


しかし今フェークがノルン達に攻撃することは不可能に近い。


ノルンはヘビーライフルをフェークの脇腹の装甲に放った。


装甲は軽く割れたが特段ダメージは負ってはいない。


次は胸の装甲にも撃ったがダメージは余りない。


無いと言えば嘘になるがあまり効いてはいない。


(硬いのか弱いのか分からないやつ!)


1番微妙なやつだ。


しかしフェークもタダではやられない。


片腕を拘束させようとしている糸を思いっきり斬りほんの少しに生まれた隙に片手剣を投げた。


一瞬の攻撃なので避けれるはずもなく何の抵抗もできず肩に片手剣を突き刺さる形でやられた。


ヴェルの体は力無く壁際で倒れる。


「うぐっ!」


「ヴェル!」


しかしその攻撃のせいで糸が解除されノルンに生まれた0コンマぐらいの一瞬のすら逃さないぐらい強力な蹴りがノルンを襲う。


ドゴーン!


ノルンは衝撃で校舎の壁を割り外に出る手前で倒れた。


「がはっ!」


ノルンは血塗れの体でヘビーライフルをもう一度握ろうとしたがフェークがヘビーライフルを蹴り飛ばし外に落とした。


ノルンはつかもうとしたが体が痛みで上手く動けない。


(うぐっ!蹴られた時の衝撃と破片で上手く動けない・・・)


そのせいでヘビーライフルを落としてしまう形で無くしてしまった。


「あぁ!」


「・・・さぁもう終わりか・・・」


そう言うともう一度ソルーの体を持ち歩き出すがその前にスクルドがスライディングする形で足を斬った。


「何!?」


「本当にギリギリだったよ・・・さぁ答えてもらう用意はできている?」


フェークは乱暴にヴェルの肩に突き刺さった片手剣を抜き取る。


「うぐっ!」


無理やり抜き取られる形なのでかなり痛いだろう。


だが抜き取られた痛みもあるがヴェルは糸で肩にある突き刺さる肩を縫った。


「はぁはぁはぁ・・・これで」


肩を縫うと同時にフェークの足を拘束させれた。


「さぁフェーク君・・・理由吐いてもらう時間よ」


「・・・さぁな?」


お互いを見つめる気まずい時間が訪れる。


しかしその時間は嵐の前の静けさのようだ。



ブックマーク、ポイント等やって欲しいな|ω・)

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