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柴犬に変身できるようになった僕が、ダンジョン配信を始めたらバズってた〜気づかずにショタの性癖を歪めてたようです〜  作者: 暁 とと


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第47話 ブラコン

突然、事務所に呼び出された。どうやら、サラマンダーさんからの呼び出しらしい。僕の推しの人からの呼び出され、これはチャンスだ。サイン色紙とマジックペンを持って、意気揚々と事務所へ向かった。


 到着すると、会議室に案内された。中には、サラマンダーさんが座っていた。


「こ、こんにちは〜」


 ドキドキしながら挨拶をすると、彼女はギラリと鋭い視線を向けてきた。何か怒らせるようなことをしたかな……? そう思いながら、おそるおそる目の前の席に座る。


「あの…サイン、もらえますか?」


 前足でサイン色紙とマジックペンを差し出す。なんだか機嫌が悪そうだ。タイミングを間違えたかもしれない…っと、そう思ったが、彼女は無言で色紙とペンを手に取り、さらさらとサインを書いてくれた。


「ねえ、私に弟がいること……知ってるわよね?」

「は、はい……」

「その弟が、最近話してくれないのよ。つい最近まで『ねーねー』って言って、一緒にゲームとかしてたのに」

「それは……反抗期じゃないですか?」

「そうね。翔太も反抗期なのかもしれない……! だけど、なんだかおかしいじゃない?」


 何がおかしいのか、いまいちピンとこなかった。反抗期はある日突然訪れるものだ。僕自身にも、昔そんな時期があったなぁ……なんて思いながら、話を聞いていた。


「翔太がね、私のグッズを部屋に飾らずに、柴犬あなたの姿の写真をコピーして部屋に貼っているのよ!!」

「そ、そうなんですか?」

「そうよ!!私の写真じゃなくて、あなたの写真なのよ!!」

「そ、そう言われても……」


 翔太くんが僕の動画を見てくれていることは知っていた。でも、まさか僕の写真を部屋の壁に貼ってくれるなんてな〜


ーーーなんだか、嬉しいな〜


 そんなことを考えていたら、サラマンダーさんの次の言葉に、少し驚いてしまった。


「しかも、翔太が壁に貼っているあなたの獣人の姿の写真なのよ!!」

「え、そうなんだ…柴犬の姿じゃなくて……獣人の姿なんだ……」


 僕は、落ち込んだ。


 ワンワンって一緒に遊んでいたから、柴犬の姿の僕が好きでファンになってくれたと思っていた。だけど…翔太くんが気に入っているのは、獣人になった僕の姿だったのか。そう思うと、なんだか複雑な気持ちになった。


「ねえ、なんでなの?」

「ぼ、僕に聞かれても困るよ……」

「確かにね。私は、サラマンダーと言う名前の通り、ドラゴンの尻尾とドラゴンのかぎ爪を生やすダンジョン適応症よ。だから、強い。だから、翔太に好かれないとおかしいのよ」


 動画内では、クールだけど…実際のサラマンダーさんは、どうやらブラコンらしい。

 翔太くんが、僕のことが好きで、サラマンダーさんが見向きされないから、その理由を聞きに僕を呼び出したんだと思う。


「ねえ、どうしてなの?」

「わかんないですけど…」


僕がそう言うと、サラマンダーさんは机に肘をつき、じっと僕の顔を見つめてきた。


「ふーん。わからないのね」

「うん、僕からは特に何も。普通に動画投稿してるだけだし…翔太くんと一緒に遊んでいる時も相変わらずだったし……」

「おかしいわね。翔太はあんなに私のことを慕っていたのに、突然あなたのことを推し始めた…何か理由があるはずよ」


サラマンダーさんは腕を組み、険しい表情で考え込んだ。


「......もしかして、あなたが私より可愛いから?」

「えっ?」

「いや、確かに柴犬の姿は可愛いわよ? もふもふしてるし、小さくて愛嬌もある。それに、獣人の姿になったら、さらに別のベクトルで可愛くなる。獣人の姿になったあなたを翔太が飾る理由がそれだけとは思えないのよ」

「え、えぇ…」


僕は思わず耳をぴくりと動かした。可愛いとか言われることにはもう慣れていたけど、それをサラマンダーさんから言われると、なんだか嬉しい。


「もしかして…」


サラマンダーさんは、何かに気づいたように僕をじっと見た。


「翔太に優しくしたんじゃないの!?」

「えっ?」

「私は翔太に強くなってほしいから、厳しく接することもあるわ。でも、あなたは違うでしょ?」


ん〜、別にそんなことはなかったと思う。甘やかしたりとかはしてない。注意する時はしっかり注意したしな……と、しばらく考え答えを出した。


「多分だけど翔太くんと一緒に遊んだから……いいお兄さんだと思われてたんだと思う。犬の姿より獣人の姿が良かったのは、人間っぽくて、一緒にゲームをして楽しかったからだと思う。それに、料理を作ったりしたからだと思うよ」

「そうなの……?」


まあ、僕も本当の事は分からない。だけど、翔太くんが僕のことを遊んだり、料理を作ってくれるいいお兄さんだと思っていることは間違いないと思う。


「そうよ。料理よ!!私は、料理が苦手だからよ!!だから、私より翔太は柴犬のことを好きになったのよ」

「そ、そうだと思います!!」


もう、理由は分かんないので、とりあえず共感しておいた。


「柴犬、明日私に翔太に作った牛丼とカレーの作り方を教えなさい!!」

「え、あ、はい…」

「じゃあ、マネージャーに住所教えておくから、明日朝早く来なさい!!翔太も連れてくるから!!」


と言って、サラマンダーさんは会議室から出ていった。動画で見るようなカッコイイ、イメージだったんだけどな。弟のことになると、ちょっと負けず嫌いを発揮したのだろう。




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