由姫のスキル
「由姫、桜達の場所がわかるのか?」
「なんとなく。だが、大体どこにいるかは検討ついている」
頼もしいな。俺には桜達の場所がわからないのでありがたい。
「それも地形把握のスキルの恩恵か?」
「そうだ。索的スキルと組み合わせれば、敵の位置は把握できる」
昨日俺が探した時と同じ方法か。昨日も思ったが、由姫のこのスキルは便利だな。
「由姫、もし敵が人間だった場合どうするんだ?」
「相手が人間でも容赦する必要はないだろう」
「だな」
俺の考えていることと、由姫の考えていることが同じかわからない。
だけどどんな相手でも容赦なく戦う、その覚悟だけは伝わってきた。
「もうすぐ桜達の所へつく」
「そうか」
「大きい反応が3つある。注意してくれ」
どうやら由姫は確信しているみたいだ。あっちの方角に桜達がいることに。
森の奥の方へ行くと、徐々に声が大きくなってきた。
「やぁぁぁぁ!!」
「あの声は桜だ」
間違いない。桜は何かと戦っている。
それと同時に、索的スキルにモンスターの反応があった。
「由姫、ここから先に3体のモンスターの反応がある」
「わかった」
これも桜の能力を俺が引き継いでいるおかげだな。
パーティー機能のおかげで、敵の索敵も楽になった。
「気をつけろ。敵はかなり強い」
危険探知のスキルが反応している所を見ると、相手はかなりの強敵だ。
だがこの反応、どこかで感じたことがある。
「ウォールベアーか」
間違いない。どうやら俺達はまたウォールベアーと鉢合わせたらしい。
昨日といい今日といい、この山でよくウォールベアーと出会うな。
「敵はウォールベアーだ。絶対に気を抜くなよ」
「わかった」
昨日1度倒したからと言って、今日も勝てるとは限らない。
しかも昨日は手負いの相手に対して2人でギリギリか勝ったのだ。今日勝てるとは限らない。
「やぁ!!」
「近いぞ」
桜の声が大きくなっていく。ついに肉眼でも桜のことを確認できるまで近くまで来た。
「桜」
「空先輩!? それに由姫ちゃんも!?」
桜は俺達の出現に驚いているみたいだが、攻撃する手を緩めない。
紫の槍だけでなく、俺のアイテムボックスから取り出した鋼の剣を使い敵の攻撃を退けていた。
「俺がウォールベアーに威嚇射撃する。桜はその隙に下がってくれ」
「わかりました」
ハンドガンを構え、狙いをウォールベアーに定める。
桜が相手にしている3体に狙いを定め、引き金を引く。
「くらえ!!」
弾は見事にウォールベアーの所へ飛んでいく。
そして3体とも後ろの茂みに隠れたのだった。
「大丈夫か?」
「あたしは大丈夫ですが、杉田君達が怪我をしてます」
さっきの女の子の悲鳴は仲間がやられたことに対する悲鳴か。
「先輩、あのモンスターは?」
「ウォールベアーだ」
「昨日先輩達が襲われたモンスターですか?」
「そうだ」
桜はそれを3体相手にしていた。
昨日俺達が相手にしていたモンスターを3体。
1体でも苦戦したのに。いつの間に桜はこんなに強くなったのだろう。
「とりあえず怪我人の手当てを‥‥‥」
「そんなことを言っている余裕はなさそうだ」
「えっ?」
前を見ると、ウォールベアーが3体こちらを見ていた。
「どうやら、向こうは早期の再戦を望んでいるようだな」
それこそ、俺達が一瞬見せる隙をうかがっているように見えた。
少しでもこちらが隙を見せれば襲われてしまう。
「空先輩」
「桜、連携してあいつ等を倒すぞ」
「はい」
「由姫も行くぞ。3人で連携して、あいつを倒そう
「もちろんだ」
爪を立てるウォールベアーに対して、俺達も武器を構える。
俺達は3人で3匹のウォールベアーに挑むことになったのだった。
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