狩りの準備
「どこへ向かってるんですか?」
「この近くにある山だ。そこで僕達はいつもモンスターの肉を持ち帰ってたんだ」
そういえば良子さんが言ってたな。食糧調達の精鋭班が山で食料調達していたって
「この前良子さんに聞きました。やっぱりモンスターの肉なんですね」
「学校に持って行く前に安全なものかは確認してある」
そうじゃないのなら、学校に持ち帰ったりはしないよな。
モンスターが落としたものだから、特に毒等はないだろう。
「ここから少し先に行った所にモンスターがよく出現する狩場があるんだ」
「狩場?」
「そう、山のモンスター達の生息地っていってもいいな。そこのモンスターからは肉がよくドロップする」
「肉が出るんですか?」
「そうだ。自分達で皮をはいだりしないで言い分楽だな」
モンスターの肉までドロップアイテムとして出るのか。
今まで武器屋薬草しかドロップしている所を見なかったから、少しびっくりした。
「町の方には行かないんですか?」
「あぁ。町の方にはゴブリンが多かったからね。行きたくても行けなかったんだよ」
確かにあそこはゴブリンの住処になってるから行きたくても行けなかったのだろう。
行く為には大勢のゴブリンを相手にしないといけないからな。
「でもゴブリン達は、空君達が退治してくれて今は殆どいないのだろう?」
「まぁ‥‥‥俺というよりは日向が奮闘してくれたおかげですけど」
「そんな謙遜しなくていいんだよ。桜から事情は聞いてある」
「桜?」
桜の名前が出てきて嫌な予感がした。
もしかするとまた何か余計なことを言ったのかもしれない。
「桜はなんて言っていたんですか?」
「ゴブリンキングと戦っている空君が格好良かったって」
「具体的には?」
「それは‥‥‥‥ここで言っても大丈夫かい?」
「言わなくて大丈夫です」
なるほどな。これは今日の夜桜に色々と問いただす必要性が出てきた。
桜のことだ。絶対ろくでもないことを言ったに違いない。
「山ではどんなモンスターが出るんですか?」
「主に猪型のモンスターや狼型のモンスターかな」
「そのモンスター達がよく肉類を落とすんですね」
「そういうことだね」
その後も俺は春斗さんから山についての情報を色々聞いていく。
俺と春斗さんの声しか聞こえないのは原因は、八橋と前野さんにある。
後部座席にいる2人は一言も話さず、窓の外を見ているばかりだ。
「そういえば、八橋と前野さんは山に来るのは初めて?」
「「‥‥‥‥‥‥‥」」
話を振ってみたが、この沈黙が気まずい。まるで俺と話す事等ないっていうようにも見える。
「(空君、今は後ろの2人のことはそっとしておこう)」
「(いいんですか?)」
「(大丈夫だ。話したくなったら、2人共話してくれる)」
だといいけど。今の話は小声で話していたから2人には聞こえていないはずだ
「よし、着いたぞ」
「ここですか」
俺達が車で来た場所は登山道だった。そこの入り口にある駐車場に車を止めた。
車を降りる時、手元にハンドガンを出して降りる。
「空君、ここら辺にはモンスターは出ないから大丈夫だよ」
「念の為です」
どこからモンスターが湧き出て来るかわからない。
何があってもいいように準備をするのは当然だろう。何かあってからでは遅いのだから。
「よし、それじゃあ皆武器を出そう」
春斗さん含む3人は武器を出す。武器の構成は春斗さんは斧、前野さんと八橋君は剣を持っている。
「全員近接武器なんだな」
「空君の武器は銃でいいの?」
「はい。だけど、いざって時には剣もありますので、どちらでもいけます」
そういって手元に剣を出す。この剣はゴブリンジェネラルから奪った剣だが、中々使い勝手がいい。
「驚いた。銃の他に剣も持っていたんだね」
「剣でも戦えますが不慣れなもので。基本は銃を使って戦うと思ってください」
「なるほど」
春斗さんは何か考えているように見えた。
きっと俺達のフォーメーションを考えているに違いない。
たぶん全員が近接戦闘メインの戦いになると思っていたから、俺という遠距離攻撃が出来る奴をどうつかうか悩んでいるのだろう。
「春斗さん、俺が後衛で3人の援護をしますので好きに戦ってください」
「いいのかい?」
「はい、大丈夫です」
日向や桜と組んでいた時、大抵俺は2人の援護担当だった。
別にこれぐらいなんともない
「わかった。それじゃあ頼むよ」
「はい」
「それじゃあ行こう。八橋君と前野さんは僕の後ろに。空君は後方からモンスターが来ないか見ていてくれ」
「わかりました」
春斗さんに返事をして俺達は山の中に向かう。
順風満帆に見えるこの戦いにも懸念はある。
いまだ一言も話さない2人のことがずっと気になるのであった。
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