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夜空を見上げて

「ここは?」


「屋上です。ここなら誰もこないでしょう」



 桜に案内された所は学校の屋上。屋上にある柵越しから、この町が一望できた。



「あたし、この屋上から見る景色がすごく好きなんですよね」


「確かに見晴らしがいいな」



 ここからなら、町全体が見渡せて敵の位置が把握できる。

 見張りをするのにうってつけの場所だ。



「空先輩、こっちに来てください」



 桜に呼ばれて、柵越しに景色を眺める桜の隣に座る。

 座った瞬間、桜は俺の肩に頭をのっけてきた。



「さくら!」


「いいじゃないですか。今日は色々あって疲れましたので、少しはサービスしてください」


「サービスって言われてもな」



 桜の頭の重さを肩で感じるだけじゃなく、甘い柑橘系の香りが俺の鼻腔をくすぐった。

 正直桜には先程からドキドキさせられっぱなしだ。サービスって俺に対してのサービスのように思える。



「桜は学校に来てどう思ってるんだよ?」


「はい。すごく楽しいです」



 『楽しいです』か。今ここには桜の両親も仲のいい友達もいる。

 桜にとっては最高の環境だよな。



「先輩聞いてください」


「何だよ」


「さっきご飯を食べながら、五月ちゃんや里美ちゃんと話してたんです。そしたら、杉田君達も話に加わってきて‥‥‥」



 そこから桜の話が止まらなかった。仲のいい友達に俺達がどうやってここまでたどり着いたのか話をしていたみたいだ。

 他にもこのコミュニティがどうして出来たのか。今までどうやって生き延びてこられたのか話を聞いたらしい。

 話は最近の事柄からjobやスキルのことまで幅広く話していたらしく、杉田達男子は戦闘系のjobを取得しているみたいだ。



「女の子の中では梓ちゃんと由姫ちゃんがが戦闘系のjobを取得しているみたいです」


「女子でも攻撃系のjobを取得しているのか」



 前野さんが取得したのはなんとなくわかるけど、黒川さんまで攻撃系のjobを取得していたのか。



「そうですよ。由姫ちゃんはわかりますけど、梓ちゃんは意外ですよね?」


「前野さんって、剣道で全国大会に出てなかったっけ?」


「知らなかったんですか? 今年こそ全国優勝できるんじゃないかって期待されていました」



 そうだよな。あの子は去年剣道で全国大会に出ていた。

 夏休み明けの始業式で表彰されていたのを見た気がする。



「そういえば、桜は自分のjobやスキルのことを話したか?」


「そこまでは話してません。だって先輩も言ってたじゃないですか。自分のスキル内容はあまり話さないほうがいいって」



 たしかに言っていたな。何度か桜にその話をして、注意を促したことがある。

 ただそれは信頼できない相手に対してだ。桜があいつ等のことを信頼しているのであれば、話してもいいとは思う。



「そうか」


「後は杉田君達も食料調達班に所属しているみたいです。それでお父さん達とよく学校の外にも行っていたみたいですよ」


「なるほど」



 そうなると先程春斗さん達が食料調達班を複数に分ける会議に参加しているってことか。

 確か今の時間会議をしてるって言ってたな。結局俺達は呼ばれなかったが、もしかしたら杉田達は参加しているのかもしれない。



「出来ればあたし、先輩と一緒の班になりたいです」


「俺と?」



 俺の他にも杉田や宮園達がいるだろ? そいつらと班を組めばいいじゃん。

 散々俺と組んできたんだ。他の奴と一緒に組んだ方がいいんじゃないか?



「空先輩だけじゃないですよ。あたしと日向先輩。それに回復役に悠里先輩がいれば最高です」


「それってまんまここに来た時の俺たちじゃん」


「はい。その4人で一緒に行動できればいいなって思います」


「そうだな」



 もし叶うことなら、その4人で一緒に行動したい。4人が集まれば、きっと最高のパーティーになるだろう。



「まずは今やっている会議の結果を待ってだな」


「はい」



 その後お互い無言で空を見上げた。無数の星がキラキラと輝いてるのが見えた。



「空先輩」


「なんだ?」


「あのですね、卒業式の時の‥‥‥」


「おい、何そこでイチャイチャしてるんだよ」



 俺と桜は慌てて距離を取り、声のする方を見た。

 そこにいたのは学ランを来た髪がボサボサの少年だった。



「八橋君」


「ここは俺の寝床なんだから、出て行ってくれ」


「寝床ってどこにあるんだよ?」



 八橋が指を指した場所は俺達がドアを開けた所の上の建物。

 そこの上に小さいが、テントが張られていた。



「わかる? ここは俺の場所なの? あまり大きな声を出さないでくれ」


「空先輩、行きましょう。もう話は終わりましたから」


「そうだな」



 ここでこいつと喧嘩してもしょうがない。

 そう思い、俺は桜と一緒に屋上を後にする。



「先輩、今日はありがとうございました」


「俺こそ、ありがとう」


「また明日、先輩を誘ってもいいですか?」


「もちろんだ」


「約束ですよ」


「わかった」


 その後、俺は桜を良子さん達の元へと送り届けて俺は日向がいる部屋に戻り寝るのだった。


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