さよならじゃない
改めて俺達のスキルを確認してみよう。
柴山 日向
剣士L7
装備 聖剣
スキル 身体強化Lv17、初級火魔法Lv1、初級水魔法Lv1、敵探知Lv13 危険探知Lv5 上級剣術Lv7 精神異常耐性Lv14
特別スキル アイテムボックス 勇者 ヘルプ
固有スキル 英雄鼓舞
剣士の見習いが外れて、剣士というjobを取得した日向。その他にも剣術が上級剣術に進化している。日向は今まで前線でモンスターと戦っていた為、全体的にレベルの上がりが早い。
スキルレベルだけでなく、jobのレベルも高くこれなら近いうち剣士の上級職になることが出来るだろう。
新たに手に入れた英雄鼓舞のスキルは日向自身もわからないらしい。ヘルプのスキルも何も答えてくれないことから、自分で体感してみないといけないことが伺えた。
唯一の欠点を上げるとしたら魔法スキルだろう。こればかりはどうすれば使えるようになるかわからない為、今は保留をしておくしかない。
三村 悠里
医者L1
装備 木の弓矢
スキル 調合Lv17 素材鑑定Lv6 複製Lv4 精神異常耐性Lv2 縫合Lv1 状態鑑定Lv3 初級弓術Lv6
特別スキル ヘルプ
固有スキル 聖女の涙
悠里も薬師から医者にjobが変更していた。何でも、薬師のレベルがMAXになると医者というjobに変化したらしい。
新たに縫合や状態鑑定等人の怪我の状態を確認するスキルや体の怪我を治すスキルを取得したらしい。
初級弓術は須田のおっさんに教えてもらったと聞く。悠里自身も戦闘に参加できるってことはこれから俺達が行動する上でも大きなことだ。
相変わらず固有スキルに関してはわからない。聖女の涙ってなんだ? 悠里が聖女って見た目は似合っているが中身が伴っていないように思えた。
それを本人に伝えた所、怪我人にも関わらず、頬をはたかれたのは言うまでもない。
木内 桜
槍使いLv2
装備 木製の槍 魔の槍
スキル 中級槍術Lv4 敵探知Lv11 身体強化Lv16 初級体術Lv5 精神異常耐性Lv8 投擲Lv7
特別スキル ヘルプ 狂化
固有スキル 戦姫
桜も槍の扱いのレベルが中級に上がっており、初級体術や投擲なども覚えたみたいだ。
そして桜が持っていた槍、ルーンっていうらしいな。どこかで聞いたことがあるようなないような。後で調べてみよう。
それと狂化という恐ろしいスキルまで持っている。何だよ、狂化って。物騒すぎるだろ?
見た目とは相反して、どこかの敵陣営にいる幹部のような能力を手に入れたみたいだ。
山村 空
見習い銃士Lv17
装備 ハンドガン スナイパーライフル 鋼の剣
スキル 狙撃L14、危険感知Lv11、気配遮断Lv8、身体強化Lv12 精神異常耐性Lv15 両手打ちLv8 鷹の目Lv12 片手撃ちLv7 急所撃ちLv6 片手剣Lv2 騎乗Lv5 連射Lv3
特別スキル アイテムボックス
固有スキル 勇者の従者
うん、何も言わないでくれ。俺だけjobのレベルが全然伸びていない。ゴブリンソード戦まで俺は結構敵を倒していたと思っていたんだけど、こればかりはしょうがない。
桜達が言うには、jobやスキルのレベルの上限は20らしい。それを超えると、上位互換のスキルに変化するらしい。どんな上位互換のjobやスキルを手に入れられるか、今から楽しみだ。
それに俺は、様々なスキルを手に入れていた。特に状態異常耐性と連射と手に入れたのはよかった。今まで精神系の状態異常耐性が持っていなかったので、これがあれば毒や麻痺等の耐性ももったということになる。
連射スキルは使用している銃のリロード時間の短縮できるというもの。
今までリロード時逃げ回らないといけなかったが、その時間が減るのはありがたい。
そして急所撃ち。これは相手の弱点を見つけられるという優れものだ。
敵の弱点を簡単に付くことが出来るのでモンスター、特に強力な相手に対して有利に働くだろう。
他にも騎乗や剣術のスキルも取得した。これはバイクの運転をしたことやゴブリンソードを使ってで戦っていたことも関係していると思う。
こう見ると、意外と色々なスキルを覚えたと思う反面ただの器用貧乏なんじゃないかとも思えてきた。
特別スキルや固有スキルを取得した3人とは対照的に、ろくに能力を取得しなかった為余計にそう思うのだった。
「先輩、何を考えてるんですか?」
「別になんでもない」
俺が物思いにふけっていたことに桜は気づいたらしい。
今まで散々須田のおっさんや日向達と話していて俺は空気のような扱いだったのに、急に話しかけられると困るんだけどな。
「それにしても、本当に出て行くのか?」
「あぁ」
何にしても桜の両親を俺達は探さないといけない。
日向の父親のことも気にかかるし、ここに留まり続けるわけには行かなかった。
「僕達の両親を探さないといけないので、ここに留まるわけには行きません」
「そうか」
珍しく須田のおっさんが寂しそうな表情をしているように見えた。
ここにいた時須田のおっさんには色々と世話になったからな。いつも騒がしい俺達がいなくなって、寂しいんだろう。
「まさか俺達がいなくなって、寂しいのか?」
「いや、むしろ厄介な奴がいなくなってよかったと思ってる」
「おいおい」
いくら本音を言うって言ったって、本人に向かって言わなくてもいいだろ?
冗談だってことはもちろんわかってる。須田のおっさんが笑っている所を見て、そう思った。
「お前達には世話になった。本当にありがとう」
「そんなお礼を言わないで下さい。これはデパートの皆さんが立ち上がった結果ですよ」
「もし俺達が力になれることがあれば、いつでも頼ってくれ。非力だが、いつでもお前達の力になってやる」
須田のおっさんが頼りがいのあることを言ってくれる。
もし何かあった時は頼りにさせてもらうぞ、おっさん。
「お待たせ」
「悠里ちゃん」
しばらく、入り口で待っているとデパートのエントランスに現れたのは、三村親子。
親子仲良く手をつないで歩いてくる。
「悠里ちゃん、もう大丈夫?」
「うん、話は終わったよ」
エントランスに現れた悠里の顔は晴れやかだった。
どうやら祥子さんとの別れの挨拶も済ませたようである。
「本当に残らなくてもいいの?」
「もちろんよ。だって、約束したじゃない? みんなの両親を見つけるって」
結局当初の予定通り、悠里も俺達とデパートを出ることを決めた。
最初は日向が悠里のことを残るように説得していたが、悠里自身が俺達と一緒にくることを選択した。
「悠里がいてくれるなら心強いよな、日向」
「うん、僕もまた悠里ちゃんと一緒に行動が出来てうれしいよ」
「ありがとう」
悠里は祥子さんの手を離して俺達の所へと来る。
そんな悠里の後ろで、祥子さんは頭を下げていたのだった。
「皆さん、悠里のこと宜しくお願いします」
「こちらこそ、娘さんをお預かりします」
日向の奴、祥子さんに対して、頭を下げて挨拶している。。
まるでここだけ見ていると、悠里をを嫁にもらう挨拶のように見えて笑えてくる。
「今生の別れじゃないんだ。ここにはいつでも戻ってこれる」
「そうですよ。今度ここに来る時は、あたしの両親も一緒に連れてきます」
「楽しみにしてるわね。貴方達も気をつけて」
そう話す祥子さんの顔はどこか寂しそうに見えた。
無理も無い、せっかく会えた自分の娘と離れるんだ。悲しくないはずが無い。
「ここは俺達に任せろ。お前達が戻ってくるまで、死んでも守り通してみせる」
「その約束、絶対守ってくれよ」
須田のおっさんも決意を新たにしたみたいだ。これならきっと大丈夫だ。
安心してここを出て行くことが出来る。
「僕達は絶対無事にここに戻ってきます。だから安心して待っていてください」
「日向君、娘のことを宜しくね」
「任せてください」
一体どういう意味で悠里の母親が日向に娘のことをお願いしているのか、日向はわからないのだろうな。
もう少し日向が鈍感じゃなければ、きっと今頃日向と悠里は付き合ってる気がした。
「いい加減、お互いの気持ちに気づかないのかな」
「優柔不断な空先輩よりはマシだと思いますけど」
「桜?」
そういう桜は目を細めて俺の事を見ていた。まるでお前が言うなといっているように見えた。
「悪かったな、優柔不断で」
ぶっきらぼうに桜にそう返すしかない。事実を言われてるわけだから、桜に反論をすることは出来ない。
「わかってるならいいです」
「あぁ」
「そういう素直な所も、あたしは好きですよ」
不機嫌になったと思ったら桜の機嫌がよくなった。
本当桜の機嫌は急降下が激しい。悠里もそうだから、もしかすると女性は皆こんな感じなのかな。
「それじゃあそろそろ行こう」
「そうだな」
俺達が次に向かうのは、桜の両親がいる中学校。ここから歩くと30分ぐらいの所にある、公立中学だ。
距離にするとかなり近いが、この前バイクで向かった時はゴブリンの大軍に襲われていた。
そのせいであの辺りには全く近づけなかったのだが、あれからゴブリンの活動が鈍重になっている今なら近づけるはずだ。
「行ってきます」
「怪我のないように、頑張ってくるのよ」
「俺達はいつでもお前達のことを歓迎するぞ」
4人で祥子さんと須田のおっさんに手を振り、俺達はデパートを後にした。
デパートを出手しばらくは周りを警戒しながら歩みを進める。
「悠里、ありがとな」
「何のこと?」
「桜の両親のことだ。一緒に来てくれてありがとう」
正直なんだかんだ言って、悠里は絶対にここに残ると思っていた。
自分の母親もいて、快適な暮らしが出来るようになってきたデパートだ。今後どうなるかわからない、死ぬ可能性があるこの旅につきあう義理はない。
「別に山村君に感謝される程のことはしてないわよ」
「可愛くないな」
「それにあの時約束したでしょ? みんなの両親を見つけるって」
「そうだな」
最初に俺達がした約束。その約束を悠里は守ってくれようとしている。
俺と桜はその行動に感謝しないといけない。
「悠里も義理堅い奴だな」
「貴方ほどじゃないわよ」
お互い顔を見合わせ、クスッと笑う。どうやら悠里も根っこの部分は俺達と同じように見えた。
「空先輩、悠里先輩と何を話してるんですか?」
「ちょっとした内緒の話よ」
「ずるいです。あたしにも教えてください」
「僕も知りたいな」
「日向まで!?」
また面倒な奴が会話に参加してきたな。日向は楽しそうに笑っており、その本心は見えない。
「空先輩、白状してください」
「白状するもしないも、たいした話をしてないからな」
騒がしく4人で話をしながら俺達は歩く。次の目的地、桜の両親が働いている中学校へと向かうのだった。
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