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立ち上がる人々

本日の朝1度更新しました。

見ていない方がいらっしゃいましたら、先に前話をご覧ください。

「あれは‥‥‥冷蔵庫か」



 2階から落とされたと思われる冷蔵庫が、バリケードの前にある。

 頭上を見上げると、先程俺達が割ったガラス窓の所に須田が台車を中に持っていく姿が見えた



「須田のおっさん‥‥‥そうか」



 デパートの近くまで敵おびき寄せて、上の階から重量のあるものを落としてゴブリンを殲滅する。

 あれだけ質量のあるものを落とされたんじゃ、ゴブリン達もたまったものじゃない。

 現に冷蔵庫の下敷きにされたゴブリン達はピクリとも動かない。



「考えたな」



 もちろん普通のやり方ではゴブリンに命中する可能性は低い。

 だけどゴブリン達はデパートを埋め尽くすほどの数がいる。

 だから大まかな狙いさえつければ、ゴブリンに必ず命中するんだ。



「これなら避難民の人達も安全に戦うことができるわ」



 たしかにな。これなら台車に冷蔵庫を載せる作業とそれを落とす作業をすればいい。

 自分達はゴブリン達と戦わずに、ゴブリンを倒すことが出来る。



「悠里にしてはよく考えたな。この作戦」


「それだけじゃないわよ」


「何?」



 そう言うと、今度は悠里の後ろから剣や斧を持った男達が姿を現した。

 先程まではそんな姿をした人はいなかったのに。一体どうして‥‥‥。



「まさか‥‥‥job?」



 この人達はjobを取得している。そうでなきゃ、あんな立派な武器が手に入るはずが無い。



「だけど、モンスターも倒さないとjobは取得できないはずだ」



 でも現にあの人達は戦わずしてjobをしている。

 一体何が起こったんだ?



「さっき冷蔵庫を下に落としたのは、この人達なの」


「そうか」



 どんな形であれ、モンスターを倒せばjobは手に入る。

 たとえ重いものを上から下に落としても、モンスターを倒したことになるんだ。

 例えどんな形であろうとも、モンスターを倒した。だから結果的にjobが取得できたのか。



「悠里先輩、さすがですね」


「この調子で私達もどんどん援護するから、デパート前にゴブリン達を集めて頂戴」


「わかった」



 そして2階にある正面ガラスの何枚かが割れた。

 下に降りてきた人達は、初めて戦闘を行うからかオロオロとしているように見える。



「そうだよな」



 いくらjobを取得できたからって、モンスターと戦闘するのが初めてなんだ。緊張もするだろう。



「僕があの人達を援護する」


「わかった。俺が日向が相手にしていたゴブリン達を倒す」


「ありがとう、空」


「そっちこそ、あいつ等のこと任せたぞ」


「うん。僕に任せて」



 日向は2人の手助けの為にバリケードへと向かう。

 それに追随するようにゴブリン達も向かうが、そんなことは俺が許さない。



「お前の相手は、俺だ」



 近づくゴブリンにハンドガンを撃ち、倒していく。

 その間に日向は戦闘に参加していく人達の所へと行く。



「落ち着いて下さい。その剣や斧を振れば、簡単にゴブリンは倒せます」


「おう」


「僕についてきてください。一緒にゴブリンを倒しましょう」



 日向は2人を連れて、ゴブリン達の所へと行く。



「相変わらずお節介な野郎だな」



 そんなの勝手にやらせておけばいいのに。つくづくお人好しだな。



「日向、気をつけろ!! そっちにゴブリンが行ったぞ」


「わかった」



 ちょうど日向達の前には1匹のゴブリンが襲いかかろうとしていた。

 それをみて、避難民の人達を自分の前に出した。



「大丈夫です。今の貴方達なら簡単にゴブリンを倒せます」


「わかった」



 ゴブリンが攻撃をする前に、剣を持っている男性が剣を振る。

 その剣はゴブリンのことを一刀両断することに成功し、いとも簡単にゴブリンが倒されたのだった。



「倒した‥‥‥‥‥俺が‥‥‥俺が化け物を倒したんだ!!」


「おっ、俺もやる」



 斧を持っている人も、近くにいたゴブリンに攻撃をする。

 近くにいたゴブリンは何も出来ず、あっけなく倒されるのだった。



「やれる‥‥‥‥‥やれるぞ」


「俺達だって、化け物を倒せるんだ!!」



 1体倒して自信がついたのか、2人は近くにいるゴブリン達をどんどん倒していく。

 まるで水を得た魚のようだ。以前見せた怯えた表情は一切無い。



「この調子でどんどん行くわよ。デパートの方にゴブリンを引きつけて頂戴」


「わかった」



 その後俺達がデパート前に誘導して、悠里達避難民が2階から物を落としてゴブリン達を倒していく。

 ソファーや箪笥等様々なものが落ちてきて、ゴブリンがその下敷きになり潰される。

 そしてバリケード前のゴブリン達が潰される度に、悠里の後ろから援軍が続々と現れるのだった。



「この調子で行こう」



 援軍に現れた人は日向や先に援軍に参加した人達が戦闘をフォローする。

 戦闘に慣れてきたら、デパートにゴブリンをおびき寄せ、冷蔵庫や箪笥等を落としてモンスターを倒す。

 モンスターを倒してjobを取得した人は援軍として戦闘に参加して、戦闘に馴れた人のレクチャーを受けながら戦闘に参加する。



「いける。いけるぞ」



 最初は戦いを怖がっていた人達が、今では相互フォローしあって戦っている。

 お互いが苦手としているところを補って、ゴブリン達の数を1体、また1体と減らしていく。



「すごいです。あれだけ戦いを怖がっていた人が、皆戦っています」



 桜が驚くのも無理はない。あれだけモンスターのことを怖がってデパートの中から出ようとしなかった人達が戦っているんだ。

 あの人達は自分達が襲われたことが原因で、モンスターのことを苦手としていた。

 だけど今回jobやスキルを手に入れて、モンスターなんて簡単に倒せるものだって実感したはずだ。

 それが自信となり、次々とモンスターを倒していく好循環が生まれていた。



「形勢逆転だな」



 いつの間にかデパートを埋め尽くす程いたゴブリンの数が半数となり、残りのゴブリン達も徐々にだが数を減らしていっている。

 先程までつまらなそうな顔で俺達を見ていたゴブリンキングもこの状態を予想していなかったのか、ついに重い腰を上げたのだった。



「ついに大将のおでましか」



 さすがに今日初めて戦闘に参加した人達にはあの固体を相手にするのは荷が重い。

 なにより、あいつは俺の獲物だ。そう簡単に手柄を譲ってたまるか。



「みてろよ、ゴブリンキング。今度こそお前の首を取ってやる」



 あいつだけは絶対に俺達で仕留めてやる。

 スーパーで逃がしたこと、しっかり後悔させてやるよ。



「桜、避難民達の指示は任せたぞ」


「空先輩はどこに行くんですか?」


「俺は日向と一緒にゴブリンキングを倒しに行く」



 そうでないと俺の気がすまない。あいつに俺はどれだけ辛苦を舐めさせられたと思ってるんだ。

 今の俺達で絶対にあいつを負かしてやる。成長した俺達の力を見せ付けてやるんだ。



「わかりました。こっちは任せてください」


「ありがとう、桜。後は頼む」



 それだけ言い残し、俺はゴブリン達をかきわけ日向のところへと行く。

 日向も日向で、ゴブリン達を順調に一刀両断していた。



「日向、あのゴブリンキングは俺達で倒すぞ」


「うん、行こう。僕達でゴブリンキングを倒そう」



 今こうしてる日向と話している間にもゴブリンを倒す人の数が増えている。

 その人達がゴブリンキングの被害に遭う前に、俺と日向でゴブリンキングを倒す。



「空先輩、絶対負けないで下さいね」


「もちろんだよ」



 負けたら女装をして日向と絡まないといけないだろ? そんなこと絶対にごめんだ。



「行くよ、空」


「あぁ」



 ゴブリン達の合間を縫って、俺と日向はゴブリンキングの下へと向かう。

 立ちふさがるゴブリンはハンドガンで撃ち抜き、襲われた時は剣で対応する。



「邪魔だ。どけ」



 俺達の獲物はゴブリンキングのみ。他の雑魚は知らないし、相手にしている暇なんて無い。

 ゴブリンキングも同じ事を考えていたのか、俺達2人の前に姿を現したのだった。



「いよいよだな」


「うん」



 体長5mほどの巨大ゴブリン。ゴブリンキング

 俺の身長ぐらいの大きな剣を持ち、俺達を見下ろし睨みを利かせる。

 その姿はまさに王様。先程までの余裕の表情は一切消えうせていた。



「悪かったな。この前は俺達のことを逃がしてくれて」



 ゴブリンキングは忌々しい目をしている。

 まさかあの時逃がした人間が、こうして自分に反旗を翻すとは思ってもいなかったのだろう。



「あの時の雪辱、ここで晴らす」


「空、行こう」



 銃と剣を持ち、ゴブリンキングに向かっていく。

 こうして、俺達とゴブリンキングの戦いは幕を開けたのだった。

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