VS ゴブリン軍団
「よしっ!」
ゴブリンが俺達の存在に気づかない間、俺はスナイパーライフルの引き金を引き続ける。
近くにいたゴブリン達の頭が順番に爆ぜていく。おおよそ10体程倒した所で、ゴブリン達も俺達の存在に気づいたようだ。
「空!!」
「雑魚は俺達に任せろ!! 日向はそっちにいる大将の方を頼む」
「わかった!」
日向はゴブリン達を相手にせず、ゴブリンジェネラルの方へと向かう。
俺は日向に群がるゴブリン達を狙い撃ち、日向が戦う為の道を開いた。
「見たか!」
大きな声を上げると、ようやく俺達の存在にゴブリンジェネラルも気づいたようだ。
予想外の援軍に慌ててるようで、日向ではなく、俺達を攻撃をするように指示を出しているように見えた。
そのせいでゴブリンジェネラル達は2体で日向の相手をしないといけなくなる。
俺が考えていた作戦は無事成功したみたいだ。
「桜、来るぞ!! 構えろ」
こっちに向かってくるゴブリン達の数は、最低でも50体以上はいる。
こいつ等をどう倒すか。そして、どれだけ早く倒せるか。それが勝負の鍵になる。
「行くぞ!!」
俺も覚悟を決め、スナイパーライフルの引き金を引く。
出来るだけ先頭のゴブリンを中心に狙い打つ。
『カシャン、カシャン』
「ちっ、弾切れか」
スナイパーライフルのリロード時間がおよそ20秒、まだ時間がかかる。
その間桜1人でこの大群を持ちこたえることは難しい。
いや、こういう時には別の戦い方がある。
「スナイパーライフルが使えないなら、戦い方を変えればいい」
装備から取り出したのはハンドガンと剣。
剣は昨日ゴブリンソードと戦った時に拝借したものを出した。
「これで俺も近接戦闘ができる」
戦い方は無骨なやり方になるが、充分それで対処できる。新しくスキルも手に入れたしな。
俺は近づくにつれゴブリンの攻撃を剣で受けながら、ハンドガンでゴブリン達を倒していく。
だがそれでもゴブリン達の数は多い。次から次へとわくゴブリン達相手に次第に俺達は追い詰められていく。
「空先輩!! 一旦下がりましょう」
「下がるって、どこに下がるんだよ!!」
俺と桜の周り一面ゴブリン達で囲まれている。この状態で逃げるなんてことは出来ない。
それにこれはゴブリンキングと戦う前哨戦だ。こんな雑魚達相手に尻尾むけて逃げてたまるか。
「桜、俺の背中は任せるぞ」
「空先輩こそ、あたしの足を引っ張らないで下さいね」
桜もいつのまにか言うようになったな。
俺が足を引っ張る? 足を引っ張るのはそっちの方じゃないか?
「行くぞ!!」
「はい!」
「お前達、そこで伏せろ!!」
聞き覚えのある声に従い、俺達はその場に伏せた。
そして次の瞬間、無数の矢がゴブリン達の額に刺さるのだった。
「一体何が起きた?」
「空先輩、あれを見てください」
デパートの方を見ると2階の窓から弓を放つ須田の姿があった。
構えられた弓から無数の矢を飛ばし、俺達や日向がいるところのゴブリンに刺さっていく。
「あのおっさん弓使いなのかよ」
顔と武器の印象が全く違う。あの顔なら、斧を持ってるって言った方がよっぽど似合ってる。
「怪我人の手当ては終わった!! ここから加勢するぞ、日向!!」
「頼むぜ、おっさん」
「お前達、生きてたのか」
「俺達が死ぬわけ無いだろ? それよりも、早くフォローしてくれ!!」
「わかった」
須田のおっさんの矢のおかげで、ゴブリン達の動きが鈍くなる。
そこを桜と俺の2人がかりで仕留めて行く。もしかすると、この調子ならいけるかもしれない。
「須田のおっさん」
「何だよ?」
「残りのゴブリンを相手にすることは可能か?」
「可能だけど、何をするつもりだ?」
「いいから!! 出来るか出来ないかだけ答えてくれ」
「大丈夫だ。こっちで引き受けよう」
よし、交渉成立だ。
「桜、ここは任せた」
「任せたって、空先輩!? どこへ行くんですか!?」
ノーマルゴブリン達は桜と須田のおっさんの2人で何とかなるだろう。
そうなると、俺が担当するべき相手は‥‥‥。
「こいつだ」
日向が相手にしていたゴブリンジェネラルの1体に俺は切りかかる。
相手は日向に集中しているせいで俺に無警戒だからか、簡単に背中を切られてうめき声を上げた。
「グォ!?」
「空!!」
「日向はもう1体を頼む!! こいつは俺がやる」
対峙するのはゴブリンジェネラル。体は既にボロボロで満身創痍。
だけどここはこいつを倒すしかない。こいつを倒して、ゴブリンキングを引きずりだしてやる。
「こいよ、No2。お前がただ図体がでかいだけだってこと、俺が証明してやるぜ」
あちらもどうやら俺のことを敵認識したらしい。
剣を持つ構えが俺の方に向いていた。
「グォォォォ!!」
「相手にとって不足はないな」
こうして、俺とゴブリンジェネラルの戦いは始まったのだった。
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