ティナの気遣い
今回は短めです
それからいくばくかの時間が経ち、歓迎会も一段落した。
みんなで楽しく話をしたあと後片づけをして、今は全員で木内家の玄関前にいる。
「それじゃあ空に桜、私達は部屋に戻るわね」
「わかりました」
「そしたら俺達もそろそろ戻るか。ずっとここにいても迷惑だろうし」
「そうですね」
春斗さんと良子さんがいる手前、このままここで長居しても仕方がないだろう。
片付けも一段落したしそろそろ帰ろうかな。
「別に私達の事なんて気にしないで、空達は残っていけばいいじゃない」
「いや、桜はよくても俺は部外者だからダメだろう」
「部外者じゃないわよ。空は私達のリーダーなんだから、桜の両親にこれまでの経緯を説明する義務があるわ」
「確かにな。俺達が桜を預かってたから、ちゃんと説明をしないとまずいな」
特に学校を出てからエルフの町に行くまでの話は、俺と桜と由姫の3人しか知らない。
親族の桜を抜かしたら俺か由姫どちらかしかいないので、それなら俺が説明した方がいいだろう。
「でも、クルルちゃんもいますから。日を改めた方がいいんじゃないでしょうか?」
「わかったわ。もしクルルが邪魔なら空達が戻ってくるまで私が預かるわよ」
「えぇ~~!? あたしも良子ちゃん達といっぱいお話したいんだよ!」
「これから空達が良子さん達に重要な話をするの。その場にあんたがいたって話し合いの邪魔になるでしょ」
「邪魔にならないもん!!」
クルルはかたくなにティナに反論する。頬を膨らませて不満そうな顔をするところがクルルらしかった。
「私達の町の話なんて、クルルじゃ出来ないでしょ」
「それぐらいあたしだってできるもん!!」
「ティナさん、あたしはクルルちゃんがいても大丈夫ですよ」
「俺も大丈夫だ」
「でも、桜の両親は‥‥‥」
「ティナさん。僕達も大丈夫だよ」
「私達に気遣ってくれるのはありがたいけど、そこまで気遣わなくても大丈夫」
「ですが‥‥‥」
「それにさ、私もこんな可愛い子とお話しできるのは大歓迎だよ」
「本当?」
「うん。これからおばちゃんといっぱいお話ししようね」
「やったぁ!」
さすが良子さんだ。子供の扱い方をよくわかってる。
普段学校の教員をしていたのは伊達じゃないな。もうクルルの扱い方を心得ていた。
「それなら私がいう事はありません。クルルの事をよろしくお願いします」
「うん。責任を持って預からせてもらうよ」
「クルル、ちゃんといい子にしてるのよ」
「うん! もちろんだよ!」
「本当に大丈夫かしら?」
元気に返事をするクルルを見て、ティナがため息をつく。
どうやら本当にティナはクルルが何かやらかさないか心配しているみたいだ。
「悪いな、ティナ。色々と気を遣わせて」
「別に大した事はしてないわよ。それよりもクルルの事をよろしくね。あの子何をするかわからないから」
「あぁ。大丈夫だ。責任を持って預かるよ」
「ふふっ。それだけ聞ければ満足よ。そろそろ私達は行くわね」
「あぁ。今日はありがとな。ゆっくり休んでくれ」
「こっちこそ。空達も楽しんでね」
「それじゃあ先輩、私達は戻るぞ」
「空、また明日ね」
「あぁ。また明日な」
挨拶が終わるとティナ達は桜の家を後にした。
ドアが閉まって静まり返る家の中には桜の両親と桜それとクルル達が残った。
「せっかくだからお茶を入れるよ。そこに座ってくれ」
「ありがとうございます」
「クルルちゃん達はお茶よりもジュースがいいよね?」
「うん! よろしくおねがいします!」
「わかった。今準備をするよ」
良子さんは台所に行き、お茶の準備を始める。
桜も良子さんと一緒に台所に立って準備を手伝うのだった。
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