空達の目的
「わぁ~~すご~~い!!」
「クルルちゃん、土足で入っちゃダメですよ。ちゃんとここで靴を脱いで下さい」
「はい!」
部屋に入ると玄関で靴を脱いで中に入ろうとするクルル。
靴を脱ぐとアイテムボックスからタオルを取り出していた。
「クルル、そんなにたくさんタオルを出して何に使うんだ?」
「ライト達の足を拭くために使うんだよ!」
「なるほどな。さっきまで外を歩いていて汚いから、拭いてくれるのか」
「うん、土足で歩くのがまずいならちゃんとしないとね」
「偉いですね、クルルちゃん」
「ありがとう。みんな、これからタオルを配るからちゃんと足を拭くんだよ!」
ライト達が返事をした後にライト達が一斉に足を拭き始めた。
最近一緒に行動し始めたマリンでさえ、自分の足を綺麗に拭いている。
「マリンまで足を拭いているなんて、クルルの教育の賜物だな」
「そうだよ! あたしがみんなに教えてあげてるの」
「さすがクルルちゃんですね」
「その事を理解するライト達も凄いと思うけどな」
なんだかんだクルルが仲間にする動物達はみんな頭がいいように思う。
自分で状況を把握し、瞬時にそれぞれの考えで動く。
まるでクルルを守るナイトのようである。
「空おにいちゃん、みんな綺麗になったから入ってもいい?」
「いいよ」
「やったぁ! みんな行こう!」
玄関で足を拭いたクルル達がバタバタと家の中へと入っていく。
俺達はその様子を遠巻きに見守っていた。
「そろそろ俺達も入るか」
「はい」
「部屋の中は僕が案内するよ」
「お願いします」
靴を脱ぎ部屋の中に入った俺達は、春斗さんの案内で部屋の奥へと通された。
「やっぱりここはアパートの作りじゃないですよ」
「部屋も大きいですし、マンションと変わりません」
俺達がそう思うのは、最初に通されたリビングである中央の大きな部屋。
そしてリビングの壁の方につけられたドアで仕切られた部屋が2つ。明らかにアパートの作りではない。
「ここがリビングでそっちがキッチン。このドアを開けると、その奥は寝室になっている」
「トイレと風呂は?」
「もちろんトイレと風呂は別だ」
「もうアパートというよりもマンションですね」
「しかも普通に住んだら、結構な家賃がかかりそうだな」
部屋の間取りを見てもそう思う。俺が住んでいたマンションよりも大きい。
「空君は家賃の事とかについても詳しいの?」
「一応俺も一人暮らしをしていたので」
「そういえばそうだったね。それならこの部屋がどれぐらいすごいかわかるのか」
「はい。部屋が大きいだけじゃなくて、家具等もあって快適に過ごせる状態にあるので実際に住むとなるとかなりいい値段になるはずです」
「家具は前に住んでいた人達が残していったものだよ。そこを僕達が間借りしているんだ」
「なるほど。ここの持ち主の人はどうしてるんですか?」
「それは僕達もわからない。もしかするとこの状況になって、みんなどこかに行ってしまったのかもしれない」
「モンスターも出現しましたからね。政府や自衛隊の庇護下に行く人達が多かったんでしょう」
特にこれだけの家に住んでいるのだから、そっちに身を寄せるのも無理はない。
今ではモンスターは自力で倒せるものだとわかったけど、当時はモンスターは自衛隊に任せる人達が多かったはずだ。
「きっとここにいる人達は、お金を持っている人達だったんだよ」
「それならやっぱりおかしいですよね? この建物がマンションじゃなくてアパート登録なんて」
「まぁ、確かに普通はそう思うよね。だけど不動産の登録ではここはアパートとなっていたらしい」
「何故ですか?」
「それは僕もわからないよ。ここの不動産を持っていた人に聞かないと」
春斗さんでもわからないなら、俺達にわかるはずがない。
これ以上しつこく聞いても仕方がないから、これ以上の追及はやめておくか。
「そういえば空君や桜に聞きたいことがあるんだ」
「何ですか?」
「街に戻ってきたのはいいけど、君達はこれからどうするつもりなんだい?」
「俺はとりあえず街の現状を把握したいと思います。今街でどんなことが起きてるのか俺はわからないので、その辺りを探りたいです」
やりたいことは色々あるが、まずはその辺りを調べることが先決だろう。
日向達がどういう立場に追いやられているのか俺もわからない。だからそれを把握する必要がある。
「あとは桜乃ちゃん達が元々いた場所やリザードマンの巣も行って見たいですね」
「あんなところに行って何をするつもりなんだい?」
「そこを調べることが俺達にとって重要なことなんですよ」
七村達の兄貴がどうなったか、きちんと調べてみる必要がある。
2人の話では安否不明なので、その辺りはちゃんと調べてみるつもりだ。
「せっかくですから学校も行ってみたいです」
「俺もあそこが今どうなっているのかみてみたい」
こう考えるとやる事が山ずみである。
でも1つ1つしっかりやっていかないと。
今後この街で生活し続けていくつもりなら、必要な事になってくる。
「わかった出来るだけ僕達も協力させてもらうよ」
「ありがとうございます」
春斗さんが協力してくれるならこんなに心強いことなどない。
少しでもみんなが幸せになれるようにがんばろう。それが例え自分の周りだけだったとしても。
「わ~~~~い!」
「クルルちゃんの声です!!」
「クルル、どうした!?」
寝室の扉を開けるとそこにはクルルがいた。
ただクルルの姿を見て拍子抜けする。ライト達と共にクルルは寝ころびながら、ベッドで飛び跳ねていた。
「クルル‥‥‥」
「このお布団すごくやわらかいよ~~。ちょうきもち~~」
「クルルちゃん、あまり飛び跳ねるとお布団が傷つきますのでやめましょうね」
「は~~い」
飛び跳ねるのをやめたクルルは桜の元へと行く。
そして後ろにはライト達もついてきていた。
「そしたら電化製品等の器具の説使い方の説明をするからこっちに来て」
「はい」
春斗さんの後に続き、俺達はガス台等の設備の操作を教わる。
後ろからついてきたクルルにも丁寧に説明して、みんなで使い方を教わるのだった。
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