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市役所

 市役所の駐車場に車が止まると、俺は車から降りた。

 車から降りるとそこには3階建ての大きな建物が建っている。



「空、すごく大きな建物だけどここはどういう施設なの?」


「市役所ってのは人間の生活に関する様々な仕事をしている所だよ」


「私達の町で言う商工会議場みたいな場所の事?」


「簡単に言えばそうだな。役割としては同じ事をしている」


「人間の住んでいる所にもそう言う場所があるのね」


「基本的な生活はエルフと変わらないと思うぞ。ただどっちの技術が進んでいるかの違いだけだ」


「なるほど。異世界といってもそこは変わらないのね」


「まぁな。どの世界でも同じような機能なんだろうな」



 最終的にはそれが人をまとめるのに効率的だと思うのだろう。

 それが独裁政治だろうが民主政治だろうが、そこは変わらない。



「あまり来たことはありませんけど、大きい施設ですね」


「俺は何回か来たことがあるけどな」


「どんな用事できたのだ? 私や桜だって市役所にはめったに来ないのだ。先輩が来ることもないだろう」


「俺の両親が亡くなった時に。色々な手続きをする為にきたんだよ」


「「あっ」」



 桜と由姫はあからさまに気まずそうな顔をする。

 地雷を踏んでしまったというような顔をしていた。



「桜も由姫もそんな気まずそうな顔をしないでくれ。もう両親の事は吹っ切れたから大丈夫だ」


「そうですか‥‥‥」


「それよりも早く市役所に入ろう。きっと中で日向達が待っている」


「わかりました」


「僕が市役所を案内するよ。みんなは僕についてきて」


「わかりました」



 春斗さんに連れられて市役所の中に入る。中に入るがエントランスホールには殆ど人がいなくて静かだった。



「殆ど人がいないですね」


「今の時間はみんな外に出払っているからね。もう少ししたら戻ってくると思う」


「わかりました」


「それよりも日向先輩達はどこにいるのでしょうか?」


「この辺りにはいなそうだな」


「ちょっと待って、空。あそこに誰かいない?」



 ティナが指差す方向。エントランスの隅にある椅子が置いてある所。そこに生瀬や七村達がいた。



「生瀬!! 七村!!」


「山村さん!? 無事だったんですか!?」


「あぁ。怪我もなく無事だぞ」


「無事でよかったです。俺達凄く心配したんですよ」



 生瀬も湊も息を吐いてほっとしているように見えた。

 特に七村は人一倍肩の荷を下ろしているようにも見える。



「桜乃ちゃん、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」


「でも、桜さん達が戦っているのに私達だけ逃げて。桜さん達に何かあるかと思ったら‥‥‥」


「心配しなくても大丈夫ですよ。あたし達には頼れる仲間がいますので」


「すいません」


「いいんですよ。あたしの方こそ桜乃ちゃん達が無事に戻れたようでよかったです」


「はい」



 それだけ言うと桜は目の前にいた七村の事を抱きしめた。

 顔は見えないが鼻水をすする音が聞こえることから、もしかしたら七村は泣いているのかもしれない。



「桜乃の奴、本当に山村さん達の事を心配していたんですよ」


「それぐらいあの様子を見ればわかるよ」


「空君、君は生瀬君と七村さんのことは‥‥‥」


「日向達から聞いています。七村の兄の事も含めて全部」


「そうか。それならいい」



 きっと七村は自分の兄やここまで連れてきてくれた英二さんと言う人や菜々緒さんと言う人と俺達を重ね合わせたのだろう。

 あの時俺達をおいて逃げることに対して引け目を感じていたはずだ。



「山村さん、本当にすいません。山村さんを置いて俺達だけ先に逃げてしまって」


「別に謝られることでもない。そっちの車両にはイリスやミアさんがいたんだ。むしろ逃げてもらわないと困る」



 もしあそこでとどまって戦ったとして、イリスやミアさんに何かあったら困る。

 それこそ俺も何かしらの責任を取らなければいけなくなる。



「そういえば湊、柴山先輩達はどこにいるのだ?」


「日向さん達は今2階の会議室にいます。イリスさんやミアさん達も一緒に」


「兄さん達もいるの!?」


「そうですね。現状を報告する為に日向さん達と一緒に行きました」


「それは厄介だな」



 余計な事はしないと思うけど、それはそれで不安だ。一体そこで何を話しているのだろう。



「空さん、どうしましょう」


「出来れば俺達も行ってみたいけど、それは出来ないか?」


「俺だけでは判断できませんね。実際に上の人に聞いて見ないと」


「それなら僕が許可するから案内してくれないかい?」


「春斗さん」


「責任は僕が取るから大丈夫。むしろ会議に参加している人達も僕達が顔を出した方がみんな安心するんじゃないかな?」


「確かにそうですね。そしたら案内します」



 どうやら案内してくれるようだ。春斗さんがそういうなら、生瀬も案内してくれる気になったのだろう。



「空さん達じゃなくて、あたし達も行っても大丈夫ですか?」


「もちろんですよ。私も一緒について行くので、大丈夫なはずです」


「ありがとうございます。桜乃ちゃん」


「それじゃあ決まったな。みんなで会議室にのりこもう」



 どんな話し合いをしているかわからないけど、とりあえず日向達に会いに行こう。

 もしかすると俺達がいない間に何か変な話をされても敵わないからな。



「それでは案内しますので、俺の後ろに着いてきてください」


「わかった」



 生瀬の後ろについて行き、俺達は会議室を目指す。

 階段を登り会議室の前につくのだった。

ここまでご覧いただきありがとうございます。


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