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戦いの後で

 デパートに入る前に、俺達は倒したゴブリン達がいた場所へと行く。

 もちろん、ここに来たのは何かドロップアイテムが落ちていないか確認する為であった。



「見たところ、めぼしいものはないな」



 薬草に回復薬。それに何かの材料になりそうな鉄の破片に白い木綿。

 薬草や回復薬なら使い道はあるが、他のものは使い道がなさそうだ。

 がっくり肩を落とし、あたりを見ていると、唯一使えそうなものが地面に落ちていたのだった。



「おっ、ここに丁度いいものがあるじゃん!」



 それは柄のある鉄の剣。長さとしては、日向が持っている剣の半分ほどの長さである。

 日本の武士が使っていたとされる武器である小太刀。それがゴブリンを倒した所に落ちていた。



「日向、これはお前にぴったりじゃないか?」


「でも少し小さくない?」


「今の装備品が使えなくなった時のスペアで使えばいいじゃん。剣を使えるのはお前しかいないんだから、とりあえずもっとけ」



 押し付けるようにして日向に小太刀を渡す。何かあった時ように持っておいても、損はないはずだ。



「先輩、これが何かわかりますか?」


「これは銃用のサイレンサーだな」


「サイレンサー?」


「簡単に説明すると消音器。銃を撃った時の音を軽減できるんだよ」



 しかもこれ、ハンドガンに使える奴じゃないか。

 できればこれは俺がほしいな。



「これは俺がもらってもいい?」


「はい」


「銃関連のものに関しては、山村君が持っていっていいわよ」



 三村のお墨付きをもらえたようで、ハンドガンにサイレンサーをつけた。

 銃身が少し長くなったが、十分使えそうだ。



「後はこのすり鉢のようなものだけど‥‥‥」


「それは私がもらうわ」



 小さいすり鉢と鉄製の小さい棒。正直使い道が全くないように思えた。

 俺にはガラクタのように見えるが、三村の考えは違うようだ。



「これは薬を作る時に使えそうだから、もらうわね」


「それなら三村にこれは渡しておく」



 三村は受け取ると、背中のリュックサックにそれをしまう。

 よし、これであらかたのアイテムは回収出来たか。

 他にめぼしいものもないし、デパートにいってもいいだろう。



「空先輩」


「どうした? 桜?」


「あたしには何かないんですか?」


「何かって、何が?」


「ドロップアイテムです」



 桜は槍をメインに戦うから、このゴブリン達が持つアイテムは不要なはずだ。

 渡せるものなんて何もない。あっても回復薬ぐらいか



「特にないけど」


「えぇ~~、あたしもあんなに頑張ったんですよ。何かご褒美が欲しいです」


「そうは言ってもなぁ~~」



 先程ドロップしたアイテムの中で桜に渡せるもの。薬草に回復薬に鉄くず。

 薬草や回復薬をここで渡しても意味ないし、後は不良品しかないぞ。



「それならその鉄くずでいいです」



 大きさはそこそこ大きいが、所々かけていたりボロボロだったりする不良品。

 それがゴブリンを倒した際に回復薬と共に大量に落ちていた。



「こんなゴミ、何に使うんだよ?」


「あたしの武器を強化するのに使えませんかね?」


「使えないだろ? どう活用するんだよ?」



 昨日からモンスターを倒すたびに出てくる大量の石や鉄のゴミのようなもの。

 一応アイテムボックスに収納しているが、正直これが何に使えるのかわからない。



「もしかすると、その石や鉄が値打ちがするものかもしれませんから一応持っておきましょう」


「そうだといいけどな」



 実際は全く使えない可能性もあるので、何とも言えない。



「大丈夫ですよ。あたしを信じてください」



 桜は無い胸を張って自信がありげな表情をするが、正直不安しかない。

 もし必要ないようなら、いつかこっそりどこかに捨てるか。



「空、そろそろ行こう」


「そうだな」



 日が暮れるまでまだ時間があるが、少しでも早くデパートの中に入ったほうがいい。

 日向に指図されるのは癪だが、中に入ろう。



「入るっていってもな」


「これじゃ中に入れないわね」



 三村の言う通りだ。デパートの入り口前には椅子やソファーの他、大きな冷蔵庫等が積まれていてドアを完全に塞いでいる。

 物が大量に積まれすぎていて、人が入る隙間がない。そりゃバリケードになってるから、普通に考えて入れるわけないと思うけど。


「どうする? ここからじゃ中に入れないぞ」


「他に扉が無いか探してみよう」



 とはいっても、どこを探せばいいか。見たところ、この正面玄関以外の場所に入り口があるとは思えない。



「この裏に従業員用の扉がある。そこを使ってくれ」


「誰!?」


「ここだ。俺はここにいる」



 正面扉の上を見上げると無精ひげを生やし、ボサボサの髪をしたおっさんが俺達のことを窓から見下ろしていた。

 その顔は疲労困憊といった様子で、目の下には隈が出来ている。



「もしデパートの中に入りたければ、裏口を開けるから来てくれ」



 そういうと、首を引っ込めどこかへ行ってしまう。

 勝手な予想だが、本当に鍵を開けに裏口の方へと行ってしまったのだろう。



「裏にある従業員用の入り口か。どうする?」


「とりあえず行ってみない? もしかしたらデパートの中に三村さんのお母さんがいるかもしれないし」


「そうだな」



 日向の言う通り、ここは素直に従った方がいいだろう。もしかしたら、三村の母親が中にいるかもしれない。

 デパートの裏手には先程の男が言っていたように、従業員用と思われる入り口があった。



「こっちだ」



 さっきの無精ひげを生やした男が扉を開けて手招きしている。

 そこに向かって歩いていき、俺達は建物内に入るのだった。

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