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VS 黒龍

遅くなってしまいすいません。

本日より投稿を再開します

「グォ!?」



 俺達が猛然とした勢いで迫るのに気づき、黒龍が驚いている。

 森の中から俺達が突然出て来たので面食らっているようだ。



「よし! 奇襲としては成功だな」



 黒龍は足元にいるエルフ達に夢中で俺達の事なんて気にかけていなかった。

 だから突然俺達が現れてもワンテンポ反応が遅れてしまう。

 エルフ達にとっては、本当に一瞬だったかもしれない。

 だけど俺達にとってはその一瞬の時間があれば十分だ。



『弾をゴム弾に変更』



 普通の銃弾ではなくゴム弾。弾が体を貫通しないもので、当たった相手に強い衝撃を与えることができる弾。

 ディアボロさんお手製の弾ということもあり、威力だけで言えば普通の銃弾と比較しても遜色はない。

 この黒龍との戦いではこのゴム弾の働きが重要になってくるだろう。



「くらえ!!」



 黒龍に向かってハンドガンとデザートイーグルを構える。

 2丁の銃を構え、黒龍のお腹めがけてトリガーを引いた。



「グォォォォォ!!」


「無駄だ!! 翼程度の風で俺の銃弾が防げるわけがないだろう」



 弓ならまだしも、俺が撃ったのは銃弾だ。

 そんな羽ばたく風ごときで防げるはずがない。



「グォォォォォ!!」


「よし!! 当たった」



 俺が打った銃弾は黒龍の腹部に命中した。あまりの痛みに、黒龍がうめいている。



「チャンスだ!! 桜!! 由姫!!」


「はい!!」


「任せてくれ!!」



 合図を出すと、黒龍の死角にいた桜と由姫が黒龍に切りかかる。

 黒龍から見れば、死角になる位置からの攻撃。この攻撃は決まるはずだ。



「グォォォォ!!」


「何!?」


「あれを防ぐだと!?」



 横から攻撃してくる桜と由姫の攻撃を楽々と黒龍は爪で受ける。

 そして攻撃をはじき返すとゆっくりと俺を睨んだ。



「この黒龍」


「予想以上に強いです」


「あぁ」



 確かに黒龍は強い。桜と由姫の攻撃をあんな簡単にいなしてしまったんだ。

 パワーもさることならが、気配察知の能力持っている。

 過去戦ったモンスター達の中ではトップレベルの強さを持つだろう。



「確かに黒龍は強い」


「はい」


「だけどあいつは、フランシスよりは弱いだろ?」


「はい、あたしもそう思います」


「だから大丈夫だ。絶対に俺達は勝てる」



 あの戦いを経験したからこそ、俺はどんな戦いでも切り抜けられる。俺にはその自信があった。



「桜、由姫、手ごたえはどうだった?」


「手ごたえはあった。だけど確かに先輩の言っていることが当たっているかもしれない」


「だろ?」


「でも、なんであの黒龍はこんなことをするんでしょうか?」


「それはあいつに聞いてみるのが1番早いな」



 何故ここにいて、どうしてここで戦っているのかわからないが、とにかく1度あのドラゴンを落ち着かせる必要がある。

 言葉はわからないが、冷静になればわかることもあるだろう。できる限り黒龍を無力化する必要がある。



「突撃しろ!! 人間達が作ってくれたチャンスを無駄にするな!!」


「イリス!! 攻撃をやめるように指示をするんだ」


「何を言っている!! 今が千載一遇のチャンスだろ?」


「確かに一見してみればこれは黒龍を倒す千載一遇のチャンスだろうな」


「だ?」


「だけどもしその隙を黒龍が()()()作ってくれているんだとしたらどうする?」


「何!? それはどういうことだ?」


「言葉の通りだよ。おそらくあのドラゴンは俺達に手加減をしてくれているんだよ」



 理由はわからないがどういうわけか、あのドラゴンは俺達に手加減をしてくれている。

 現に黒龍が魔法攻撃に対して放った炎のブレス。あれをエルフ達前衛が突撃した時に打てば、討伐隊はほぼ壊滅したはずだ。



「炎のブレスを使わないでは羽ばたくだけで自分に近づかないようにしている行為こそ、黒龍が俺達に対して手加減をしている証だ」



 だから桜達には本気で倒さないようにということは伝えてある。

 出来れば黒龍を落ち着かせる為に適度に戦ってくれと伝えているため、あのような攻撃になったのだろう。



「もしかすると、黒龍さんはあたし達とお話ししたいんですか?」


「そうかもな」



 現に俺はあの時睨まれたのかと思ったが、実際は俺と話したかった。

 だからあの瞬間戦う姿勢を崩したのは俺と話す為だったのかもしれない。



「もし人間の言っていることが本当だとしても、あの黒龍は私達に何を伝えたいんだ?」


「それはわからない」



 わからないけど、ただ戦う気がないということだけはわかる。

 あの黒龍は町を襲わなかったんじゃなくて、最初から襲う気はなかったんだ。



「とにかく今すぐに戦闘を中止するように指示を‥‥‥」


「グォォォォォォォォ!!」


「何だ!?」



 背後から上がる黒龍の悲鳴。先程の雄たけびとは全く違う黒龍の叫び声に驚いてしまった。



「やったぞ!! 黒龍に一撃を加えてやった!!」


「この機を逃すな!! どんどん攻撃していけ!!」



 どうやら前衛班の一部がドラゴンの体の1部に剣を突き刺すことに成功したらしい。

 鱗を剥がされ皮膚の表面から血を流している黒龍は見るからに痛がっている。



「やめろ!!」



 俺は叫ぶがエルフ達は全く聞く耳を持たない。

 これが好機とばかりに剣や槍をドラゴンの皮膚に指していく。



「まずい!!」



 ドラゴンのあの目。その目は怒りに満ちている。

 先程までと違う雰囲気を醸し出していることといい、これは本気の攻撃が来る。



「全軍離れろ!!」


「えっ!?」


「急いで離れるんだ!! 黒龍に殺されるぞ!!」



 瞬間、ドラゴンの側にいたエルフ達にドラゴンの牙が向く。

 高速で繰り出される爪の攻撃。 その攻撃を受けた前衛の人達は吹き飛ばされ、草原に倒れてしまう。



「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「痛い!! 痛い痛い痛い!!」」



 何が起こったのかわからない。あの一瞬で黒龍が自分の爪で何かしたということはわかったが、その動きまでは見えなかった。



「空さん!! エルフさん達が大変です!!」


「全員が血を流して倒れている。このままじゃ危ないぞ」



 草原で倒れているエルフ達は、胸から腹部にかけて切り裂かれており大量の血を流していた。

 その数は数えきれず、周りからは叫び声とうめき声が聞こえてくるだけだ。



「まずいな」


「空さん、どうしたんですか?」


「あのドラゴン、怒りに任せてエルフ達を殺そうとしている」



 今まで俺達のことを軽くあしらっていた黒龍が、本気になっている。

 俺達を睨むあの目。それは俺に向けていた視線とは全く違う、本気の時にしか見せない目だ。



「もしかしたらあの黒龍、ここにいる人達誰1人残さず殺そうとしている」


「それってまずくないですか?」


「まずいなんてものじゃない。下手すればエルフの町にまで被害が行くぞ」



 ここのエルフ達だけで済めばいいが、もし黒龍がエルフの皆殺しを考えているのだとしたらエルフの町にまで被害が及ぶ。

 そうなれば町で俺達の帰りを待っていてくれるクルルやディアボロさん達まで殺されてしまう。



「それだけは何としても食い止めないと」



 エルフの町だけで済めばいい。万が一に山の麓にある俺達の街にまで攻撃されたらかなわない。

 だからここで何としても黒龍を止めないといけない。俺達の街を守る為にも。



「それなら話は簡単だな」


「あたし達で黒龍さんを正気に戻しましょう」


「悪いな、2人共」


「先輩が謝ることはない」


「そうですよ。あたし達で黒龍さんを止めましょう」


「そうだな」



 ここにいるエルフ達では太刀打ちができなかったが、俺達ならできる。

 例え本気の黒龍を相手にしても絶対に勝てる。



「グォォォォォォ!!」


「覚悟しろ!! 黒龍!!」



 黒龍の叫びが轟く中、俺は黒龍に向かって突撃していくのだった。

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