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???の戦い

???視点の話です

「ホーリー!!」


「くっ!!」


「今よ、ライト!!」


「グマーー」



 鉄の建物や見たこともない大きな建物の前で、私は子熊のライトと共にオークと戦っていた。

 現在10体前後のオークが私達の周りを取り囲んでいる。



「ちっ、こざかしい奴だ」


「グマ!? 」


「ライト!!」



 オークの剣を爪で防いだ際に、ライトは壁にぶつかってしまう。

 だがすぐ様立ち上がり、戦う体勢を取った。



「驚いたな、この子熊はまだ俺達と戦う気でいるのか」


「グマ」


「ライト、もうういいからこっちに来なさい」



 私の考えが甘かった。まさかこんなところにオークがいるなんて思わなかったから。

 元来オークは自分以外の種族を拉致して、自分達の奴隷にするという習性があると聞く。

 だからこのオーク達は私のことも奴隷にしようとしているのだろう。

 オーク達は下心ある下卑た視線で私のことを見つめていた。



「隊長、どうします? こいつ、かなりの上玉ですぜ」


「とりあえず捉えてボスに報告しないとな」


「そんなことはさせないわ!!」



 光の魔法を発動させようとしたが、その魔法が発動することはなかった。



「魔力切れ!?」



 どうやらオークとの長い時間にも渡る戦闘のせいで、魔力が底をついてしまったらしい。

 マジックポーションも持っていないので、魔力を回復する手段もない。



「何だよ、驚かせやがって」


「さっきの攻撃もきっとはったりだろう」



 さっきまでビクビクとしていたオークが急に生き生きとし始めた。

 きっと私が魔法を使えないことを悟ったのだろう。そうなると私の攻撃手段も限られてくる。



「まだ、戦いは終わってないわよ!!」



 腰に携えた剣を手に取り、オークに襲い掛かった。



「いい加減にしろ!!」


「キャッ!?」



 切りかかった剣はあっさりと防がれ、そのまま私は地面に押し倒されてしまう。

 オークはまるで私のことを見下しいてるような視線を送っていた。



「お姫様、さすがにこれ以上抵抗するなら我らも黙ってはいられないですよ」



 つまる所、これ以上抵抗するなら私のことを殺すということだろう。



「殺されること? 常套よ」



 このまま捕まって貴方達の奴隷になるぐらいならここで死んでやるわ。



「隊長。こいつ、こんなこと言ってますぜ」


「もう面倒なんで、こいつを殺した方がいいんじゃないですか?」


「まぁ、待て。こいつは‥‥‥の姫様だ。丁重に扱わないとな」


「それじゃあどうするんですか?」


あれ(・・)を使え」


「でも、これは有事の時以外は絶対に使うなと」


「いいからやるんだ!! お前は俺の言うことが聞けないのか!!」


「すいません!!」



 そういうと、オークは手のひらから水晶みたいな丸いガラス玉を出す。



「一体何を‥‥‥」


「スパーク!!」



 魔法の呪文を唱えたかと思うと、体全身に電気が走ったような痺れが襲う。

 その痺れは私の全身を包み、身動きを取ることができない。



「これは電気系の拘束魔法!? 何でオークが魔法を使えるの!?」



 オークは身体能力は他の種族より格段に高い反面、魔法の類の物が使えないという欠点を持つ。

 そのオークが魔法を使えるということは、さっき出した水晶玉が関係しているはず。



「隊長!! やっぱりこれを使用するのはまずかったんじゃ‥‥‥」


「構わん!! どうせこのお姫様は我々が連れて行くのだから」


「いやっ!!」



 こんな所でこいつ等の奴隷になるなんて絶対に嫌。

 オークのごつごつとした手が私の体に迫る。

 その時、その腕に飛び掛かる1つの影が見えた。



「グマーー!!」


「ライト!!」


「この熊!! 俺の手に噛み付きやがって!!」



 必死になってライトはオークの腕に噛み付く。

 振りほどかれまいと、自分のもてる力を尽くして噛み付いているように見えた。



「くそ!! それならこうだ!!」


「グマ!?」



 天に伸びる鉄の柱にライトは叩きつけられる。

 叩きつけられた衝撃で、オークの手を離したライトはそのまま鉄の柱に寄り掛かったまま動かなくなった。



「ライト!!」


「ちっ!! しつこい奴め。でも、これで終わったな」


「そうだ。いいことを考えた。そこにいる姫さんを捕まえる前に、見せしめにこの子熊を殺そうぜ」


「やめて!! ライトに罪はないの。やるなら私だけにしなさい」



 ライトは元々私の妹が山で拾った熊だ。

 妹に懐いていた為一緒に暮らすようになったが、私が下界の街を調査することが決まった時、何故か一緒について来てくれたのだ。



「ライトまで死んだら、私はどうすればいいの?」


「グマ‥‥‥」



 ライトは鉄の柱に寄り掛かり、ピクリとも動かない。

 私がこれだけ呼び掛けても反応がないということは、もしかすると既に死んでしまっていいるのかもしれない。



「そういえば、もう1匹いた子熊は逃がしてよかったんですか?」


「大丈夫だ。それにあんな子熊1体逃げた所で、この状況を覆せると思うか?」


「それは絶対に無理ですね」


「だろ?」



 その返事の後、オーク達が一斉に笑う。よっぽどおかしかったのだろう。まるでこの状況が覆せないと言っているようだった。



「ムーン」



 ムーンというのは私の妹が山で保護したもう1匹の子熊だ。

 オークが私に気を取られている隙に私が逃げるように促し逃げていった。



「貴方だけでも無事に逃げて」



 運が良ければ、きっと今頃どこか安全な所に避難しているに違いない。

 願わくば私達の町に無事に帰っていてくれることを祈るばかりだ。



「さて、まずはその目障りな子熊を殺してから姫様を連れて行こうか」


「やめて!!」


「やれ!!」」


「わかりやした」



 ライトの前にオークが立つ。手に持った大きな鉈を振り上げ、ライトの前に立つ。



「こんなことになるなら‥‥‥」



 あの子も逃がしておけばよかった。私を助けようと最後まで残ってくれたが、ムーンと一緒にあの時逃がしておけばこんなことにならなかったのに。



「悪いですね。貴方には何も恨みがないのですが、ここで死んでもらいます」


「グマ‥‥‥」


「恨むなら抵抗したそこの姫さんを恨んでくださいね」


「いやーーーーーーー!!」



 叫び声を上げるがもう遅い。鉈は既に振り下ろされている。

 私はその姿を見ることができない。ライトが死ぬ姿なんてみたくない。



『キン』



 鉄と鉄がぶつかり合う音が聞こえる。その甲高い音を聞いて、私は目を開けた。



「誰だ!? お前は!?」


「えっ?」



 ライトの前には腰まで長い髪をなびかせる、黒髪の少女が立っていた。

 見たこともない細くて長い剣。その剣を使って、オークの鉈を受け止めていた。



「弱いものいじめをする等、関心しないな」


「だから誰だと言っているんだ!! 名を明かせ!!」


「話す程の名前ではない。そうだな、私に名をつけると言えば‥‥‥」



 その少女はしばしもったいぶるようなしぐさをして、口を開く。



「この子熊を助ける正義のヒーローといった所か」



 少女が剣をはじき返した瞬間、オークの前方からこちらに向かってくる2人の影があった。


次回から空視点の話に戻ります。


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