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スキルの秘密

「そういえば、パーティーメンバーのステータスが見れたな」



 甲冑騎士を倒す対策をする為にも、メンバーのステータスを把握しておいた方がいいだろう。

 戦闘に入る前、パーティー機能の欄から由姫のステータスを見た。



前野 由姫


侍Lv9


装備 刀


スキル 身体強化Lv14 精神異常耐性Lv9 上級剣術Lv14 抜刀術Lv14 中級体術Lv7


特別スキル 地形把握 縮地



「由姫は剣術のスキルに特化しているな」



 剣術だけではない。中級体術も取得している。



「桜とは違って攻撃特化型か」



 良く言えば火力重視、悪く言えば汎用性がないスキル構成になっている。



「由姫のことを上手く使えるかがこの戦いの鍵になるな」



 俺とは違う攻撃特化のスキルを持つ由姫。この由姫を上手く使えるかが勝敗の鍵となる。



「やぁぁぁ!!」


「そんな攻撃、我には聞かない!!」



 気合の一括と共に由姫が1歩踏み込む。その剣を甲冑騎士が受ける。



「何故だ!? さっきよりも重い!?」


「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



 力では由姫の方は甲冑騎士よりも勝っている。

 鍔迫り合いをしても、由姫は全く押し負けていない。



「いける!!」



 理由はわからないが、由姫が甲冑騎士と互角以上の闘いをしている。

 さっきまでの闘いは何だったんだってぐらいの勢いだ。



「客観的に見ても由姫の方が優勢だ」



 それほどに由姫の動きがいい。これなら俺も攻勢にまわれる。



「由姫!! 横に避けろ!!」


「わかった」



 横に避けた由姫。その位置はちょうど甲冑騎士から死角になる所。



「むっ!!]



 気づいた時にはもう遅い。由姫が避けたその瞬間、俺の姿はあらわになる。



「くらえ!!」



 銃口を既に甲冑騎士に向けていたので、避ける余裕などあるはずがない。

 迷わずに引いた銃弾は甲冑騎士の方へと向かっていく。



「当たれ!!」



 咄嗟のことで甲冑騎士も避けることができない。そのまま左胸に当たり、鎧のヒビが大きくなった。



「おのれ‥‥‥調子に乗って」


「由姫!! 気をつけろ!!



 間違いなく甲冑騎士の乱れ突きが来る。

 この雰囲気は間違いない



「先輩、ここは私に任せてくれ」


「由姫!! 無理するな!!」


「無理はしていない。今の私なら、大丈夫だ」



 甲冑騎士の乱れ突きが由姫を襲う。

 音速の乱れ突き。その中に由姫が飛び込んでいく。



「由姫!!」



 俺の脳裏に、無謀にも乱れ突きに飛び込んでいった日向の姿が由姫を重なった。

 あの時の日向も無謀にも甲冑騎士に向かったのだ。



「お前に我の攻撃が防げるわけがない!!」


「由姫!!」


「任せてくれ!!」



 乱れ突きが襲う中、由姫が持っていた刀を横にないだ。

 その刀が甲冑騎士の剣を弾き飛ばす。


「何!?」


「はぁ!!」



 刀の攻撃を間一髪で甲冑騎士が避ける。避けると同時に、階段の踊り場に落下していった。



「くそ!!」


「やぁ!!」



 由姫は攻撃の手を緩めることはない。踊り場にそのまま降り、甲冑騎士を追い詰めていく。



「凄い」



 由姫の攻撃に逃げ惑う甲冑騎士。さっきまでとは正反対だ。



「いつの間に由姫はあんな力を身につけたんだ?」



 さっき校庭で戦っていた時は防戦一方だったのに。

 まるで特別な力を由姫が身に着けたみたいだ。



「くそ!!」


「待て!!」



 由姫と一緒に甲冑騎士を追いかける。

 ついたのは2階の空き教室だ。



「くっ!!」


「追い詰めたぞ」


「おとなしく、ここで私達に倒されろ」



 密室の教室。正直、あいつの逃げ場等どこにもない。

 じりじりと甲冑騎士は追い詰められていく。



「一旦立て直す」


「何!?」


「先輩!! 窓だ!!」



 そう言うと甲冑騎士は、窓からグラウンドに出た。



「逃がすか!!」


「由姫!!」



 甲冑騎士と共に由姫も窓を飛び降りた。



「甲冑騎士はわかるけど、由姫もよく2階から飛び降りたな。



 意外とここから1階に飛び降りるのだって高さはあるぞ。



「まぁ、俺が言えた義理じゃないがな」



 以前デパートの2階から飛び降りているから、俺も人のことは言えない。



「俺も降りよう」



 由姫達に続き俺も2階の窓から飛び降りる。

 下に降りると由姫と甲冑騎士が剣を持ち、睨みあっていた。



「先輩、遅いぞ!!」


「遅くない!! それよりも無茶しすぎだ。長期戦になるんだから、もう少し抑えて戦えよ」


「これでも充分、抑えてるつもりだ」



 これで抑えている? 俺にはそんな風に見えない。

 むしろ自分の限界以上の力を使っているように思えた。



「どうしてそんなに強くなったんだ?」


「私もわからない。だけど先輩の近くにいると、体のそこから力が湧いてくるんだ」



 力が湧いてくる? そのセリフ、過去にどこかで聞いたことがあるような気がした。



「少女よ、やるではないか」


「そちらこそ、相変わらず強いな」


「まさか貴様がそんなに強くなるなんて思わなかったぞ」



 どうやら甲冑騎士も予想外の出来事だったらしい。

 そうでなければ、甲冑騎士もこんなに焦っていないだろう。



「まだまだ、私の力はこんなものではないぞ」


「さっきは手を抜いていたのか?」


「抜くわけ無いだろう。いつでも私は全力で戦っている」



 甲冑騎士はここまでの戦いで息一つ乱していない。

 あからさまに疲弊している俺達と比べても、全然余裕があるように見えた。



「さては少女よ、そなたも素質持ちだな?」


「素質持ち? 何だそれは?」


「知らないなら教えよう。素質持ちとは時代に選ばれた者しか取得できない、特別なスキルを持つものを指す言葉だ」


「特別なスキル? それはどんなスキルなんだ?」


「それをお前達に教える必要はない」



 ここまで話していて、肝心なことは話さないのかよ。

 だったら初めから余計なことを話すな。



「ここは素質持ちが大勢いたから見込みがあると思って来てみたが正解だったみたいだ」


「待て、何を言ってるんだ? そんなスキル、私は持っていない」



 そうだ。俺はさっき由姫のスキルを確認した。だが、そんな特別なスキルなんて見当たらなかった。



「甲冑騎士よ、何か思い違いをしているのではないか?」


「いやそんなはずはない」


「本当に特殊なスキルはないぞ」



 それこそ、俺や桜が持つ固有系のスキルは持っていなかった。

 なので由姫が特別であることはない。



「何を言っている? 私の目はごまかせないぞ。少女が特殊なスキルを持っているのがこの目に見える」


「だから私はそんなスキルを持っていない」


「嘘をつくな、私の鑑定スキルでは確かに‥‥‥!?」



 そこまで言った甲冑騎士が驚いている。

 それは由姫に対してではなくて、俺を見て驚いているように見えた。



「そうか‥‥‥‥そうだったのか‥‥‥だからそこの少女は強くなったのか」



 俺のことを見て笑い出す甲冑騎士。まるで、全ての謎が解けたようにその場で高笑いをする。



「何がおかしい?」


「そうか。ずっとおかしいと思っていたんだ。なぜここにはこんなに素質持ちが多いのかってずっと疑問に思っていた」



 こいつはさっきから何を言ってやがる。素質持ちや守護者って。もう少し俺達のわかるように話してくれ。



「さっきの小娘といいそこの少女といい、動きが良かったのはお前のせいか。少年」


「俺のせい?」


「そうだ」



 俺が由姫に特に何もしていない。したことといえば、俺のパーティーに誘っただけだ。



「隠しても無駄だ。少年よ、お前は『勇者の従者』のスキルを持っているな?」


「何でそのスキルのことを知っている!?」


「やはりそうか」



 こいつ、もしかして勇者の従者のスキルのことを知っているのか?



「教えてくれ。勇者の従者ってスキルは何なんだ? これには一体どんな効果がある?」


「さぁな。そんなものは自分で調べろ」


「こいつ‥‥‥」



 いくら調べてもわからないからこうして聞いているんだろ?

 それだけおしゃべりなんだから、ヒントぐらいは教えてくれてもいいだろう。



「そのスキルの効果はわからない。だが、これだけは言える」


「何?」


「お前は‥‥‥後継者なのだな」


「後継者?」


「そうとわかれば、我も本気を出さないわけにはあるまい」



 そういうと、先程の細剣(レイピア)をしまい、別の剣を取り出した。



「先輩、あのドス黒い色をした剣は何だ!?」


「わからない。だけどあの剣こそ、あいつの本当の武器だってことだ」



 今までの細剣(レイピア)はほんのお遊びの武器。

 あの乱れ突きもきっとあいつにとってはお遊戯レベルの技なのだろう。



「由姫、気をつけろ。あいつの本気の攻撃がくるぞ」



 漆黒の剣を構える甲冑騎士。その構えは今までの構えと違い、剣を顔付近まで高く掲げている。



「悪いが、手加減はもうしない」



 甲冑騎士の雰囲気は真剣そのもの。先程までの余裕はみじんもない。



「どうやらここからが本番みたいだな」


「どうした、先輩? 怖気づいたのか?」


「全然」



 むしろここまで甲冑騎士を追い込めたことを光栄に思う。



「ここまで追い込んだんだ。今はあいつを倒すことに集中しよう」


「そうだな」


「行くぞ!! 由姫!!」


「先輩こそ、私に遅れをとるなよ!!」



 雰囲気が変わった甲冑騎士、漆黒の剣を持つ相手に俺達も武器を構え走り出すのだった。


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