ガチャ921回目:管理者レベル12
『『魔力溜め』を用いた最大威力のマジックミサイル……。素晴らしい威力でしたね、マスター様♡』
「ああ、決まって良かったよ」
『マスター、お疲れ様♪』
「おう、アズもお疲れ!」
甘えてくる2人を抱きしめていると、アイテム回収をしてくれていたエンキ達もやって来た。
『ゴー』
「おう、皆もありがとなー」
1人1人順番にハイタッチをしていく。
『それでどうするー? ガチャするー?』
「あ~……。どうせなら、皆でいるところでしようかな。この後記者会見の予定もあるし、低レベル状態で行くのは避けよう。だから今回はお預けにして、一旦ダンジョンの解放を優先しようか」
『はい、畏まりましたっ』
『ポ~?』
「そうだな、皆はここでお留守番しておいてくれ。1時間もしない内に戻ってくると思うが……拠点を出しておこうか?」
『プルプル?』
『キュイキュイ』
『~~♪♪』
『ゴーゴゴ』
『ポ!』
どうやら、元の第七層に戻って広い場所でジェットブーツを使いたいらしい。まあ、あの空間は本当に何もないだだっ広い空間だから、自在に走り回るのには向いているか。
「じゃ、俺達も一緒に第七層に戻って、そこからコアルームにいくか」
そうして第七層に戻ると、早速エンキ達はジェットブーツを履いて楽しそうにはしゃいでいた。今回の件でそれなりの数のジェットブーツが手に入る訳だし、『バトルアリーナ』に第三層を新造して、こんな風に遊べる空間を作るのもありかもなぁ……。ジェットブーツを一定時間レンタル式にしてしまえば一般の人らでも遊べると思うし。
まあ、完璧に扱うには多少の技量が必要っぽいし、空を自由に飛び回れるほどじゃないから、そんなに人気は出ないかもしれないけど……。うんまあ、需要はなくてもうちの子達が遊ぶための場にするには十分だから、あとでやれるか試してみよう。
「よし、んじゃ管理者の鍵を使用する」
【所持者の意思を確認】
【管理者キー 起動】
【管理No.450】
【ダンジョンコアへ移動します】
◇◇◇◇◇◇◇◇
いつもの白い空間。パネルに手を伸ばせば、第一層でレーザーをぶっ放してきた多脚砲台みたいなのが出てきた。……ふーむ。手乗りサイズならまあ、可愛くない事もないかもしれない。
『ようこそ、管理者様』
「おう」
『私は当ダンジョンを管理する端末AI、ダンジョンコアです。……貴方様は中枢キーを1つ、居住キーを1つ、末端キーを10お持ちなのですね』
「ふむ。特に増加はなしと」
『……管理者様の種族が『ハイ・ヒューマン』であることを確認。おめでとうございます。種族ランクアップにより、情報セキュリティ及びシステムアクセス権の特殊防壁を解除しました』
おっと、それがあったか。
けど、特殊防壁ね。今までは何番の防壁がどうのとはあったけど、種類の違うものが解けたな。
まあでもこれが何を指してるのか全然分からんし、アズ達もこういうのは流石に分からないんだろう。首を横に振ってる。そしてこんな防壁を解除したとしても……。
「その防壁の内容を教えてくれるか?」
『不可』
これだもんなぁ~。
『ケチね』
『ケチですね』
「ケチだよな~」
『……』
まあ、ごねても仕方がない。できないものはできないのだ。
っていうか、出会った時からダンジョンコアってそういう奴だったし、今更ではあるか。
「んじゃ早速本題に入るか。ダンジョンコア、まずはこのダンジョンのスタンピード設定をオフに。通知は後」
『許可。実行しました』
「第三層で発生したフィーバータイムを永久化。これの通知も後」
『許可。実行しました』
「……あとはそうだな。第三層の聖殿について聞きたい。アレは破壊可能なオブジェクトで間違いはないよな?」
『肯定』
まあそうだよな。アズの一撃で奥側がぶっ壊れちゃったし。
「あの聖殿は自動で修復する機能は備わっているのか?」
『肯定』
「ほう。ちなみに、現在の状態から完全復旧にかかる日数は?」
『許可。地球時間で51時間です』
「ふむ……」
結構かかるみたいだが、それくらいなら大丈夫か。
観光地目的にするにも、その程度の時間で済むのなら問題はないだろう。
「んじゃ、聖殿周りの土砂についてだが、除去したら元に戻る設定は機能しているのか?」
『肯定』
「おっと。それじゃあ駄目だな。じゃあ聖殿の外周から30メートルまで外側までの範囲の土砂については、除去しても元通りにならないよう変更してくれ」
『許可』
「それから、聖殿周りの地形とモンスターの分布図を変更する。地図を出してくれ」
そこから俺は、第二層へ繋がる階段の目の前に、聖殿へと繋がるスロープを設置し、崖となる部分には以前エンキに設置してもらった物をより強固にした手すりと壁を設置した。これで落下防止対策はできただろう。
あとは聖殿の外側にある砂だけど……ここはエンキ達が掘り返したいだろうし、今回俺はノータッチにしておこうかな。あいつらの楽しみを奪う気はないし、30メートルより外側を掘ってもそっちは勝手に元通りになってくれるだろうしな。
「あとは……何かあったっけな」
『ほらマスター、第二層の配置よ』
「ああそっか、通り道は綺麗にしないとな」
じゃ、どーんと中心部を高い橋のようにして、モンスターはその橋には近寄らないようにすればいいか。……うん、丁度今中央には誰もいないみたいだし、ちゃちゃっと改造しちゃおう。
あとは……ああ、第一層も、中心部はレアモンスターの出現地点か。ならここは、破壊不可能な地下通路型を通しちゃおうか。そしたら観光客が順路を逸れて地上のレアモンスター戦とかに遭遇したり、うっかり建物に入っちゃう事故も起きないだろうし。第一層の地上は微妙に入り組んでるし、視界の通りも悪いからな。見張りだけでコストがどれだけかかるやら分からんもんな。
……よし、地下を作るのはもう慣れっこだ。こっちもちゃちゃっと終わらせちまおう。
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