ガチャ916回目:裏返し
【レベルアップ】
【レベルが35から276に上昇しました】
「……ふぅー」
ちょっとヒリついたが、なんとかダメージを負う事なく撃破できたな。奴の放つ火炎放射は確かに脅威ではあったが、その身体は『朱雀』と違って燃え滾ってはいなかったし、酸素が薄くなるようなこともなかった。だから接近戦を挑む事になんら苦労はなかったんだよな……。
やっぱ本番を想定するには、いくらなんでも弱すぎるか。などと考えていると、こちらでも台座が光を放ち、光が天へと伸びていった。そして1度目では起きなかった変化が、中央の変換機付近で発生したのを肌で感じた。
それは微弱な揺れだったが、風など吹かないこの空間で、それはあまりにも違和感が強かった。
「一体何が……お?」
視線の先にあったのは、先の見えない黒い空間の穴だった。これは、どこかで見たことあるな……。
「ああそうだ、ワープゲートだ!」
ここ最近、『696ダンジョン』の第四層で毎日見ていたからな。どうりで見覚えがあるわけだ。あそこの拠点設置ができる噴水の周りには、高位精霊の島につながるゲートが2つ、常にフルオープンしてるからな。
んで、このタイミングで出て来たコレは、一体どこに繋がってるんだ? 視たら見えるかな?
名前:ダンジョンボスゲート(450)
品格:≪遺産≫レガシー
種別:ダンジョン構造物
説明:No.450のダンジョンボスが待つ座へと繋がる専用ゲート。この道が開いている間は相互通行が可能だが、時間経過で消失する。
★残り時間3:59:17
ふむ。4時間開きっぱなしのゲートか。それにしてもこのタイミングで出たってことは、本来はダンジョン内に出現するレアとレアⅡの素材だけで挑戦はできる仕様なのか。けど、ここにはレアⅢ相当とレアⅣ相当がある。
となれば、あと2体を討伐すれば、何が出てくるんだ……?
『マスター、あれは一旦放置するのよね?』
「そうなるなー」
『全部倒せば褒美があるんでしょうか。楽しみですね♡』
「何も出ない可能性もあると思うけどな。……んじゃ、レベルを変換してと。よし、3体目行くぞー」
素材は、『戦術兵器の新型マザーコア』、『戦術兵器の大型基盤』、『甲殻機兵の大胸甲』、『殲滅ロボットの融解刃』、『悪食蚯蚓の高速配線』、『聖騎士の信念回路』だな。
「ほいっと」
アイテムは煙を生み出し、一気に膨れ上がる。その大きさは直径で10メートルを超えるほどで、あまりのデカさを前にして、俺は慌ててその場から離れた。
『ズズズンッ……!!』
『……』
「あぶねー」
*****
名前:統合戦術兵器ver1.0 Type島亀
レベル:280
腕力:2400
器用:2000
頑丈:4000
俊敏:600
魔力:9999
知力:4000
運:なし
【Bスキル】超防壁Ⅴ、剛力Ⅵ、怪力Ⅵ、阿修羅Ⅴ、怪力乱神Ⅳ、鉄壁Ⅵ、城壁Ⅵ、金剛体Ⅴ、難攻不落Ⅳ、力溜めⅤ
【Pスキル】身体超強化LvMAX、硬化Ⅵ、全属性耐性LvMAX、物理耐性Ⅷ、魔法耐性Ⅷ、冷気耐性Ⅱ、灼熱耐性Ⅱ、斬撃耐性LvMAX、貫通耐性LvMAX、打撃耐性LvMAX、状態異常耐性、体術LvMAX、武闘術LvMAX、姿勢制御LvMAX、重力抵抗LvMAX
【PBスキル】破壊の叡智Ⅳ、魔導の叡智Ⅳ
【Aスキル】衝撃Ⅲ、鎧通しⅢ、急所突きⅢ、衝撃拡散Ⅱ、ウェポンブレイクⅣ、アーマーブレイクⅣ
【Mスキル】魔力超回復LvMAX
★【Eスキル】偽・超越瀑布、島亀の魂
装備:偽・神獣の爪、耐水装甲、多機能戦術兵装、クロックアップ回路、スキル大増量ストレージ
ドロップ:ランダムボックス
魔煌石:大
*****
ほぉ。『魔煌石』のサイズは変わらんが、また強くなったな。一般的な難易度のダンジョンボスくらいはあるか。
そして、やっぱりここの連中は『四神』を意識してるよな? これで次が龍じゃなかったらビビるが、それはそれで逆に見てみたくもあるな。
「まあでも、水系統の能力は持ってるみたいだが、いかんせん弱すぎる。本物の島亀の方がもうちょっとインパクトも存在感もあったぞ」
『……』
「コイツはちゃんと鳴かないのか。こだわってると見るべきか、さぼったと見るべきか」
……そういえば、本物の島亀の時は海がすぐ近くにあったのと、場合が場合で遊んでいる暇がなかったからできなかったんだけど、今ならアレ、試してみてもいいかもな。
俺は手持ちの武器をしまい、巨神の剣を取り出した。正直長物ならなんでも良かったから、グングニルでもアリっちゃアリだったんだが、下手しちゃうとそっちは、当たりどころによってはそれだけで渾身のダメージが入っちゃいそうだからな。今回はコレで良いだろう。
「そんじゃ……フルブースト!!!」
『……!!』
島亀に急接近し、奴が反応するよりも早く奴の側面へと回り込む。そして地面と甲羅の隙間へと巨神の剣を差し込んだ。
「どっ……せい!!」
てこの原理とかそんな小細工は使わず、『腕力』と瞬発力だけで島亀を掬い上げる。そのまま空中に打ちあがった相手を、今度は『空間殺法』で連撃を行い、仰向けにさせて地面に叩き落とす。
『ドガアアンッ!!』
そうしてひっくり返った島亀は、哀れにもジタバタと足を動かし必死にもがいていた。本来の島亀……もとい『アイルタートル』や『アクーパーラ』には、『Eスキル』で『殻に籠る』や『大回転』が備わっていた。そんな連中をもしも引っくり返せたとしても、そこから反撃する手段を持っていた訳だが……。
こいつにはそんな機能は備わっていないらしく、いまだにジタバタともがいていた。
「やはり紛い物だな。その程度が限界というわけだ」
俺はフルブーストを解除し、そのまま奴の腹に飛び乗って剣を構える。
「ここでこれを使ったらどうなるかな~? ……『地殻噴出剣』!!」
『……!!!』
『ドドドドドドッ!!』
島亀の内部にエネルギーが凝縮し、破裂。結果、身体のあちこちから大量のエネルギ―が漏れ出し、爆発四散した。
【レベルアップ】
【レベルが76から321に上昇しました】
散らばる肉体は全て機械だったため、飛び散るそれらはガチャガチャと煩かったが、生々しくなくて逆によかったかもしれないな。
よし、変換してっと……お? これでこのダンジョンにやってきて32回目の変換だな。ということは16人分のセットが完成した事を意味し、あと2人分で嫁4人+6人+5人+1人+2人の全員分確保できそうだな。
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