ガチャ915回目:偽物
「……ふむ」
四方に伸びるトリガーのラインを分けてみると、レア、レアⅡ、レアⅢ相当、レアⅣ相当のトリガーで完全に棲み分けされていることがわかった。だからまずは、各階層のレア素材を使ってレア枠を沸かせてみるか。
トリガーラインの果てを目指し歩いていると、中央の装置と壁とのちょうど中間地点に、地面が少し盛り上がっている場所があった。ラインはそこに伸びているので、素材はそこに置けば良いんだろう。
「ここは『戦術兵器の歯車』、『戦術兵器のネジ』、『甲殻機兵の背甲』、『破壊ロボットの回転刃』、『迷宮蚯蚓の配線』、『守衛の思考回路』だな」
それらを一纏めに台座らしき場所に設置すると、全てのアイテムから煙が出て来た。煙はアイテムを飲み込むと、合体。最後にはモンスターを生み落とした。
『GRRRR……』
*****
名前:統合戦術兵器ver1.0 Type獣魔
レベル:200
腕力:2200
器用:2100
頑丈:1800
俊敏:2100
魔力:1500
知力:1200
運:なし
【Bスキル】超防壁Ⅴ、剛力Ⅴ、怪力Ⅴ、阿修羅Ⅳ、怪力乱神Ⅲ、俊足Ⅴ、迅速Ⅴ、瞬迅Ⅳ、迅雷Ⅲ、力溜めⅢ
【Pスキル】身体超強化Lv5、体術LvMAX、武闘術Lv5、獣爪術Lv5、姿勢制御LvMAX
【PBスキル】破壊の叡智Ⅲ
【Aスキル】ウォークライⅢ
★【Eスキル】慣性制御Ⅲ、獣の魂
装備:偽・神獣の爪、多機能戦術兵装、クロックアップ回路
ドロップ:ランダムボックス
魔煌石:中
*****
機械兵器のくせに、ちゃんと鳴くんだな。これは製作者のこだわりかなんかかね?
「にしても、ランダムボックスだけってことは、本筋とは関係ない相手なのか」
第五層のレアⅢと同じってことね。
なら、気にせず戦うか。
『GRRRAAA!!』
「鳴いたらモロバレだろうが!」
『ガインッ!』
獣が持ち前の素早さを活用して不意打ちを狙って来たが、製作者のこだわりがダメな方に傾いてるな。雄叫びを上げながら攻撃してたら相手に攻撃するって知らせるようなもんだろうに。
いやでも、コイツ『ウォークライⅢ』を持ってるんだよな。なら、本来は雄叫びを上げることで相手を萎縮させて、身体が硬直している内に攻撃しようって腹づもりだったのか? それなら悪いことしちゃったなぁ。俺、指輪のおかげでスタンには完全な耐性があるから。
「ちっと弱いが、対『白虎』戦の予行演習くらいにはなってくれよ!」
『GRRAA!!』
◇◇◇◇◇◇◇◇
【レベルアップ】
【レベルが11から235に上昇しました】
「んー……まあ、肩慣らしにしかならなかったな」
所詮はレベル200だ。4桁越えの怪物の練習相手を想定するにするには、あまりにも貧弱すぎる。せめてあの女神像くらい耐性増し増しでないと張り合いが……。
「ん?」
そう思っていると、討伐した煙がアイテムをばら撒きながら消失し、先ほどアイテムを設置した台座が輝き出した。そして何度か明滅を繰り返したと思えば突然光線を天に放った。
「おー……?」
だが、変化はそれだけだった。何かメッセージが出るでも、台座の詳細が観れるでもなく、ただ台座が光線を発射しただけだ。
「となれば、他のレアも倒せば何かが変わるとかかな」
多分だけど。
んじゃ、気を取り直して次に行くかー。
「次は…… 『戦術兵器のマザーコア』、『戦術兵器の基盤』、『甲殻機兵の大背甲』、『殲滅ロボットの回転刃』、『悪食蚯蚓の配線』、『聖騎士の思考回路』だな」
これの設置場所は……中央の機械を挟んだ向こう側か。
皆で移動し、そこでも同様に存在した台座にアイテムを放り込んだ。すると先ほど同様アイテムから煙が吹き出し、モンスターが生まれ落ちた。
『PIEEEEE!!』
*****
名前:統合戦術兵器ver1.0 Type神鳥
レベル:240
腕力:2100
器用:2300
頑丈:1600
俊敏:2400
魔力:6000
知力:4500
運:なし
【Bスキル】超防壁Ⅴ、俊足Ⅴ、迅速Ⅴ、瞬迅Ⅳ、迅雷Ⅲ、魔力溜めⅢ
【Pスキル】身体超強化Lv2、体術LvMAX、鳥爪術Lv5、姿勢制御LvMAX
【PBスキル】魔導の叡智Ⅲ
【Aスキル】看破、暗視Ⅲ、衝撃Ⅲ、鎧通しⅢ、急所突きⅢ、衝撃拡散Ⅱ、チャージアタックⅢ、空間殺法Lv5、追跡者Ⅲ
【Mスキル】浮遊術LvMAX、魔力超回復LvMAX
★【Eスキル】偽・神滅灰塵、偽・灼熱の鎧、慣性制御Ⅲ、猛禽類の魂
装備:偽・神獣の爪、耐熱装甲、緊急冷却装置Ⅳ、多機能戦術兵装、クロックアップ回路
ドロップ:ランダムボックス
魔煌石:大
*****
「やっぱお前も鳴くのか……んん?」
獣に続いて鳥? しかも、こっちは明らかに炎の属性を意識してるし……。
これってもしかして、もしかしたりする??
「まあ、それは残りの2体を見てから考えるか。来い!」
『PIEEEEE!!』
鳥は大きく息を吸い込むと、薙ぎ払うようにして炎を吐き出した。
「うおっと! さしずめ火炎放射ってところか?」
偽の文字がスキルにあるし、当然本物には大きく劣るが、それでもその炎の威力だけは本物だ。魔法とは違う別のエネルギーによって生み出された力なのだ。喰らえばタダでは済まない。
『火渡り』のスキルはあるが、あれはただ歩けるようになるってだけの能力だ。つまり熱はそのままなので、簡単に言えば自在に形が変わる薄い鉄板が炎の上に敷かれているだけにすぎない。こんな高熱の上を歩こうものなら足が焼け爛れるだろう。
『金剛外装』や『超防壁』を使えば問題はなくなるが……それじゃ芸がないよな。
「両スキルを封印はちょっと危ないが、お前程度ノーダメで倒せなきゃ、『朱雀』相手に安心して戦えねえんだよ!」
俺はグラムと偽・聖剣を手に、頭上を羽ばたく兵器に向かって突貫した。
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