ガチャ914回目:最下層へ
『マスターマスター』
「んー?」
朝食を終えストレッチをしていると、アズがマップを起動しながらやってきた。
『やっぱりここのレアは、ずーっと残り続けるみたいよ。昨日の乱獲祭りから半日経っても、全ての部屋に3体ずついるわ』
「あー……。ちなみにこの階層のレアって、世間一般からしてみればどういう扱いだったんだ?」
当たり枠か、ハズレ枠か。
『出会えたらラッキーって扱いだったみたいね。スキルも豊富だし、手強くてもここまで来れるチームなら死人が出るほどの相手でもないみたい』
『それから、出現は稀ながらも、10部屋につき1体いれば良い方という扱いだったみたいですね』
「そうなのか? 俺らがここにきた時でさえ、3から4部屋に1体くらいの頻度でいたはずだが……」
『そこはほら、マスターがここに来る予定だったから、そうなったんじゃない?』
「まあ、それもあるかもしれんが……」
俺の『運』が、どこまで俺の行先にも影響を与えるかは不明だがな。
「さて、次でようやく最下層ってことなんだが……皆行けるか?」
『ゴ~? ゴゴ~』
『ポ~……』
エンキやエンリルから気の抜けた返事が聞こえる。昨日、アズのマップ機能でここに移動してきたあと、2人がご飯の用意をしている間に俺は彼らのために追加で4人分のジェットブーツを宝箱から取り出していた。それからというもの、彼らは普段のアニメ鑑賞会よりもジェットブーツを使った遊びに夢中になり、ずっとはしゃぎ回っていたのだ。
彼らに睡眠という概念はなくとも、気力は消費するので散々遊び回ったことで電池切れしているんだよな……。俺から直接オモチャを与えることも珍しかったから、それが余計に彼らの子供マインドを刺激したのかもしれないが。
『プル~ン』
『キュイ~……』
『♪』
全員地べたに寝転がり、ぐでーんとなっている。気付けばドロップアイテムの在庫がいくつか増えていたし、多分俺たちが寝ている時に、遊ぶついでに近くの部屋の雑魚とも戦っていたんだろうな。流石にレアは、煙の後処理が面倒だから手を出さなかったみたいだけど。
「仕方ないなぁ。アズ、キュビラ。悪いけど運んでやってくれ」
『はーい♪』
『畏まりましたっ』
さーて、最終層はどんな構成かなっと。
そうして拠点を片付け降りていくと、そこは巨大な円形ドームの中だった。天井は遥か高く部屋も広大で、まるで野球のスタジアムを彷彿とさせた。幸いにもドーム内は明るく、端から端までよく視えるが……いや、この薄暗い感じはプラネタリウムかもしれないな。
ドームはどこにも繋がっておらず、この一室だけで完結しているのが見て取れた。それから中央には見覚えのある機械が設置されていたが、ここはもうソレを使って攻略しろと言われているようなものだな。
「なるほど、これが最下層ね」
『うわー、聞いていた通りの場所ね』
『本当にモンスターが1体もいないのですね』
「やっぱここ、モンスターいないんだ?」
『ええ。今まで一度も遭遇したことが無いそうよ』
「じゃあなんで黒柱を設置しないんだ? 安全なんだろ?」
『どうにもここでは、そういった精密機器が上手く作動しないそうなのです。幸いにも、私達がいつも使っている撮影用カメラは問題ないようですが』
「ほほーん」
マップを起動しても視える情景が変わる訳では無かったので、中央に向かいつつ周囲をキョロキョロしてみる。すると、アズやキュビラに運ばれていたエンキ達も興味深そうにしていた。どうやら、疲労よりもワクワク感が勝ったらしい。
『ゴーゴ? ゴゴゴ』
『ポー。ポポ』
『プルルル』
『♪♪』
『キュイ!』
「そうだな。この広さで何もいないとか、モロにそうだよな」
中央に辿り着き、改めて俺はその機械を視た。
名前:部品変換装置
品格:≪遺産≫レガシー
種別:ダンジョン構造物
説明:ダンジョン内でドロップする同一の機械部品を2個投入することで、別の機械部品1個へと還元する装置。還元先はランダム。
★投入する素材のレア度に応じて変換テーブルが異なる。
第四層にあったのと全く同じものだな。慌てなくても、ここで最終調整はできた訳だ。んで、あっちで獲得したアイテムは……。
【第一層】
『戦術兵器の歯車』6個。
『戦術兵器のマザーコア』17個。
『戦術兵器の新型マザーコア』4個。
『戦術兵器の新型マザーコアver2.0』7個。
【第二層】
『戦術兵器のネジ』6個。
『戦術兵器の基盤』17個。
『戦術兵器の大型基盤』4個。
『戦術兵器の大型基盤改』7個。
【第三層】
『甲殻機兵の背甲』6個。
『甲殻機兵の大背甲』17個。
『甲殻機兵の大胸甲』4個。
『甲殻機兵の大胸甲改』7個。
【第四層】
『破壊ロボットの回転刃』6個。
『殲滅ロボットの回転刃』17個。
『殲滅ロボットの融解刃』4個。
『殲滅ロボットの新型融解刃』7個。
以上だな。後は第五層と第六層の素材か。まあこっちはレアとレアⅡの素材がそれなりにあるから、最初からこっちを突っ込んでも良いんだが……。まあ、前回同様に行くか。
結果、雑魚素材102個、レア素材10個、レアⅡ素材20個放り込んで……
【第五層】
『迷宮蚯蚓の配線』6個。
『悪食蚯蚓の配線』17個。
『悪食蚯蚓の高速配線』4個。
『悪食蚯蚓の伸縮自在線』7個。
【第六層】
『守衛の思考回路』6個。
『聖騎士の思考回路』19個。
『聖騎士の信念回路』4個。
『聖騎士の理念回路』7個。
「おー、良い感じに変わったな」
雑魚素材の102個投入時は基本的に次層の雑魚に還元されてたけど、第六層の次はないから選択肢が減ってたみたいだな。
「そして……『解析の魔眼』」
その全ての素材が、トリガーアイテムとしてラインが四方に伸びている。これは、6つの素材をトリガーにした、特殊レアモン4連戦といったところか!
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