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ガチャ891回目:3人目の進化

★次回攻略先ダンジョンのアンケート!★

★白熱した結果、バチカンの『悪魔のダンジョン』に決定!!★

https://x.com/hiyuu_niyna/status/1925190193373647095

 隠しボスを討伐した事で、ダンジョン内全域に通達が行ったはずだ。そしてこんなことができるのは俺だけだとバレているだろうし、俺たちの足取りも周知の事実だ。だから、この第三層に様子を見に来る人達が多発して、その流れで中央の大穴とこの聖堂に注目が集まるはずだ。

 こんな巨大な痕跡、見つかるのは時間の問題だからバレる事自体は何ら問題ないのだが、問題はここのレアモンスターどもだ。外の雑魚やレアとは一線を画す強さを持っているし、普通の冒険者には荷が重たすぎる。幸い、奴らの出現条件は分かっているから、トリガーの欠片を持っていなければ問題はないはずなのだが、問題はコアⅥ持ちのゴーレムが目撃されてた点だよなぁ。アレがあったからこそ俺がここに来たわけだし、目撃があると言うことは倒されてる機会はあったはずだ。となれば、今日このダンジョンに来ている誰かが持ち歩いていたとしても不思議ではない訳で。

 とりあえず危険だから侵入は禁止と呼びかけても、こんな未知を前に我慢できる奴はいないだろう。だからガーディアンと欠片の存在は隠さず公開して注意を促すのは必須として、他にもギミックが隠されていないか調べておく必要があるよな。


「皆、お疲れー」


 まあそれはともかくとしてだ。頑張った彼らを労ってやらなくちゃ。エンキ達とハイタッチを交わし、アズとキュビラはまとめてハグをしてあげる。


「何だかんだで良い時間だし、聖殿の入り口に拠点を建てて、飯にしようか」

『はーい♪』

『すぐにご用意しますね』


 腹が減っては戦はできぬ。取り逃しがないか確認するにも、飯は何よりも優先するべきだ。それに、聖堂の真ん前で拠点を建ててしまえば、他の冒険者も畏れ多くて近づけないだろうし、もし何かがあってもすぐに駆け寄れるだろう。今回ばかりは、『虚構結界』で隠れたりせず、堂々としていようかな。



◇◇◇◇◇◇◇◇



 食事を始める前に、エンキ達にはゴーレムコアⅦを渡しておき、ついでに先程のレベルアップでなった628レベルを全て進化セットに充てることで、シルヴィに送った分とは別に、予備の進化セットを7個用意することができた。

 その為、6個をカスミチーム用に用意することができた為、あとは『魔力貯蔵のネックレス』の充電が完了次第、順次『ハイ・ヒューマン』に至ることができるだろう。


『マスター、アイラ経由でエスから連絡が来てるわよ』

「お、どれどれ」


 食事をしていると、アズから手紙が渡されたので箸を咥えながら目を通す。

 どうやら、シルヴィも無事に『ハイ・ヒューマン』に進化できた事と、嬉しいニュースが記載されていた。どうやら、レベル1から再計算される仕様のおかげか、成長が止まっていたレベルアップの成長値と『SP』が、復活したとのことだ。

 つまり、第三チーム活動決定の際はレベル300とか400前後だったはず。その時点から止まっていたシルヴィの『運』やその他諸々が、再成長を果たしたそうなのだ。これは嬉しい誤算だが、よくよく考えれば『風』の成長値も再計算されるんだから、そりゃそうだって話である。

 で、彼女の強さはどのくらいになったのかというと、初期値は以下。


 腕力:7

 器用:9

 頑丈:7

 俊敏:6

 魔力:10

 知力:10

 運:10

 こんなんだったらしい。普通に上澄みだよな。


 そして最初の1レベルごとの成長値は以下。

 腕力:+4

 器用:+5

 頑丈:+3

 俊敏:+4

 魔力:+5

 知力:+5

 SP:+8


 それがSP以外全て2倍となり、更には進化が終わった時、SPは全て割り振りされていない状態だったらしい。エスの場合は『風』スキルによる強制割り振りだから、ここも違うみたいだな。けど俺は、SP周りでそういうのは特になかったんだよな。ガチャ保有者だからか、進化時間が長かったからか……。疑問は尽きないが、わからんものはわからん。

 そして最後に、レベルがエスよりちょっと高い1146となったことで、ステータスは以下のものとなった。

 腕力:9167

 器用:11459

 頑丈:6787

 俊敏:9166

 魔力:11460

 知力:11460

 運:9170


 ぶっちゃけ、『696幻想ダンジョン』をクリアした時のレベル600越えのエスよりも強いまであるな。『幻想(ファンタズマ)スキル』や『幻想(ファンタズマ)ウェポン』を持っていなくても、『ハイ・ヒューマン』に進化するだけで無類の強さを得られるらしい。正直、エスなしでもシルヴィ単騎でそこらのダンジョンは攻略できてしまう気がする。


『『ハイ・ヒューマン』は上位の亜人種に迫る強さを持ってるって言われてた理由がよくわかるわね』

『とんでもなく強いですよね。こんな人間をホイホイと生み出せてしまうマスター様は、やはり神なのでは?』

「まあでも、こんな強さは普通に暮らしていくとすれば過剰だろうし、ばら撒く気は一切起きないけどな。しかしまあ、平均1万のステータスか。シルヴィだけじゃなく、他の皆もしばらくは『弱体化』頼りの生活になりそうだ」


 慣れないうちは、どれだけ気を付けていようと身の回りの物を見境なしに壊しちゃうからな。例え『弱体化』を全力で使用しようと、1000前後のステータスというのは一般的な人間の100倍以上の強さなのだ。『弱体化』のスキル以外にも、何かしら枷を用意してあげないと大変だろうな……。

 やっぱ、『スキル強制』のMAX化を急ぐ必要がありそうだ。


「こんなに強くなるんじゃ、カスミ達も力に振り回されないよう慎重に動いてもらう必要がありそうだな。第二チームは現場復帰可能だろうけど、俺と同様に修練してからが良さそうだ。その辺はイクサバに任せようかな……」

『そうね~。でも良かったわね、マスター』

「ん?」

『お腹の子には影響が無いって書いてあるじゃない』

「……ぇあ?」


 ほんとだ。とんでもないステータスの暴力を前に意識が逸れてたが、確かに書いてあった。その件については何も影響がなくて良かった。良かったが……。


「俺、シルヴィのお腹に子供がいるなんて、聞かされてない気がするんだけど……」

『えっ、そうなの?』

『では、マスター様はそうとは知らずにシルヴィさんに進化セットの使用を促されてしまったのですか……?』

「ああ、流石に知ってたら躊躇するさ」


 手紙には、妊娠2ヵ月ちょっとらしい。時期的に見て、カスミ達より少し後か。

 嫁達の些細な変化にはすぐ気付けるが、流石に弟の嫁の変化は言われなきゃ気付けないし、俺は悪くないと思いたい。

 時期的にも服装は何枚も重ね着になるから余計にだ。


『では、あの方はわざと……?』

『そういえば、エスも最初の実験には協力的だったわね~』

「あの2人、まさか俺に恩があるからって……?」


 これは、帰ったら詳しく事情聴取しなきゃな。

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