ガチャ890回目:名も無き神
★次回攻略先ダンジョンのアンケートを開始しました!★
★海外4か国の内どこになるのかはあなた次第!★
★こんな綺麗に投票先が全部25%前後で分かれてるの見た事ないんですけど!★
https://x.com/hiyuu_niyna/status/1925190193373647095
女神像が動き始め、俺達の方へと顔を動かす。そして無機質な瞳が俺達を捉えると、錫杖を天に掲げた。
『……祈りを』
『ズンッ!』
女神像からの圧が急激に強まった。いつまでも跪かない俺達が気に食わなかったのだろうか? それとも、魔に連なる存在が居たから、力の誇示をしたかったのか?
いずれにせよ、女神像は『威圧』を起動させたようだ。
『……悪魔に裁きを』
どうやら後者のようだ。明らかに俺とアズに向けて敵意が向けられている。続けて『強圧』が放たれた。
まあでも、俺もアズ同様『悪魔の祝福』を持ってるからな。悪魔扱いされても仕方が無いのかもしれない。
「俺は人間なんだけどなぁ」
『……悪魔よ、跪きなさい』
そんな口答えが許せなかったのか、続けて『魂圧』が使われた。こっちはまあ無印だし、新人類に進化したためか、魂の格が上がったおかげか、今までよりも気が楽だったりする。種族そのものが上位種となった事で、魂そのものの防御力が上がったりでもしたかな?
『ふん、石像のくせに生意気ね♪』
『マスター様を跪かせようとするなんて、不敬極まりないですね!』
女神像が俺を睨みながら『魂圧』を使ったことが気に食わなかったのだろう。アズとキュビラがおこだ。
『マスター様、この不敬な存在の破壊許可を』
『マスター、美人の像だからって、破壊するななんて言わないわよね?』
「ん? 確かに像としては芸術品だろうけど、お前たちの方が何倍も美人だぞ」
『♪』
『♡』
2人とも顔は真面目なままだが、分かりやすく尻尾を揺らめかせた。可愛らしい彼女達をモフり倒すのは後回しにして、まずはこの邪魔な石像をなんとかするか。
「よし、ステータス差はお前たちの方が上だが、魔法の威力だけは計り知れん。エンキ達も戦っていいけど、危ないと思ったらちゃんと避けるんだぞ」
『ゴゴ!』
「んじゃ挨拶がわりに、10倍マジックミサイル!」
『ドガガガ!』
10倍マジックミサイルは、構成としては魔力の塊をぶつけて爆発させるという単純な効果だが、威力としては絶大だ。限界突破した大精霊が相手だろうと、防御を貫通してダメージを与えた実績もある。だが……。
『不浄なる者に、神の裁きを下さん……』
ほとんど効果なしと。
女神像は何事もなかったかのように再び錫杖を振り上げると、『天罰の剣』が4本出現。『伝説』級の武器と同等の存在が4本もスキルの力で現界するのは中々にチートだが、うちの仲間達はその程度で畏れをなすほど弱くない。エンキとイリスがそれぞれ2本ずつ相手からヘイトを奪い、他の面々が本体に攻撃を仕掛けていく。
「ふーむ」
いくらうちの仲間達が強いと言っても、相手は耐性スキルがてんこ盛りだ。どうしても戦いは長期戦になってしまうし、大技で一気に決めようとしても建物に被害が出たら、その瞬間上にある土砂が降り注いで来てしまうし、一撃で仕留められる気もしない。となれば、地道に削っていくしかないわけだ。
そして相手のサイズはせいぜい2から3メートルほど。言うほど巨大ではないし、女神像であるためその造形はスリムな方だ。だから皆でタコ殴りにしようとも順番待ちが発生してしまうため、俺は少し離れたところでどっしりと構えることにした。攻撃したのなんて、最初のマジックミサイルくらいのものだ。
女神像は相変わらず不敬不敬と連呼しているが、悲しいかな。ステータスやスキルの関係上、こちらが優勢なまま戦いは推移していく。
「んー」
その間俺は何をしていたのかと言うと、時折飛んでくる攻撃が撮影用の機材に当たらないよう自前の『天罰の剣』でカバーしながら、相手の耐性について思案を続けていた。
まず、先ほどまで戦っていたガーディアンについて。アズの計算通り、効果の減った『オベリスクの加護Ⅲ』でも45%カットするとなると、コイツは今までで最高値のⅤを持っている。仮に本来の加護が2倍とするならⅢで90%カット。そう考えた場合、Ⅴで100%カットとなる可能性があるわけで、となってくると現状は半分の50%カットと考えるのが妥当だろう。
そして各種耐性を加味し、仲間達の攻撃や俺の魔法の効果、奴の削れ具合を考慮した結果……。やはり女神像は、物理と魔法共に75%カットした上で、更にそこから50%カットしていると考えるべきだな。
そんな絶大な抵抗力を持つ相手に、聖堂の損壊を忌避してちまちまと攻撃をして来た訳だが……やはり埒が明かないな。まだまだ相手は倒れる気配はない。
こっちだって倒れる気配は微塵もないが、それよりも先にメンタルが問題だろう。派手な攻撃はできず、ほどほどの攻撃ではやはりほどほどの効果しか得られていないのだ。相手の精神は生命なのか機械なのかいまいち不明だが、こっちはフラストレーションがたまりまくっている事だろう。
『不敬、不敬、不敬』
女神像の本気の攻撃が俺の仲間達に襲い掛かる。だが、全員が見事に回避したためその攻撃は聖堂の壁や柱だけを傷つけた。
……おや?
「……問題は無さそうだな」
当たれば俺でも痛いどころではすまなかったであろう攻撃だが、壁へのダメージは軽微なものだった。やっぱりこの聖堂も、普通の素材ではできていないらしい。そりゃ、あんな総重量いくつだか考えるのも面倒な土砂に長年埋もれ続けても、ひび割れ一つ起きなかったくらいだ。もっと早くに気が付くべきだったな。
「全員、本気で攻撃する事を許可する」
『『『『『『『!!』』』』』』』
そこからは、あっという間だった。
エンキとイリスが即座に『天罰の剣』を破壊。
エンリルがワールドカッターで相手の法衣を解体。
セレンとアグニによる飽和攻撃で錫杖を破壊。
キュビラの分身による狐閃で首から上が全壊。
最後にアズは指先に闇の力を集め、それを振るうと女神のコアごと石像を両断した。その攻撃の余波で、聖堂の奥から土砂が一部流れ込んできたが……まあ誤差だろう。
【レベルアップ】
【レベルが16から628に上昇しました】
【名も無き神が撃破されました】
【以後一ヶ月間、該当ダンジョンの全モンスターのドロップ率が上昇します】
おっと、『ユニークボス』だもんな。それがあったか。
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