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ガチャ881回目:第三層攻略へ

★次回攻略先ダンジョンのアンケートを開始しました!★

★4日経過しましたが、未だに票割れは五分五分です!★

★奮ってご参加ください!★

https://x.com/hiyuu_niyna/status/1922482164387455485

 『機械ダンジョン』攻略3日目。朝食を終えた俺達は、拠点を片付け準備運動をしていた。


『マスター様、今日はやる気に満ちていらっしゃいますね♡』

「まあ、昨日と一昨日はちとのんびりし過ぎたからなぁ。嫁達からも、進捗と攻略情報が釣り合ってないからって、すごい心配されたくらいだし」


 探索してレアモンを倒しはしたが、いうほど戦闘はしていないし強敵と呼べる相手もいなかったからな。俺が素手攻略してたのもとっくに知られていたし、それで何かあったのではと心配する嫁が3割。やる気が出なくてぼーっとしてると思ってる嫁が5割。仕切る嫁がいなくて調子が出ないと思ってる嫁が2割といったところだった。

 まあ、この中で当たっているのは後者の2つだな。ギミックは面白くはあるけど見た目が廃墟だから心が踊らない点と、引っ張ってくれる嫁がいない点で、速度が落ちていたのだ。

 その結果、身重のアイラから途中参加しましょうかと打診があったくらいだ。流石にそれは、体裁もそうだが、なけなしのプライドが許さない。今日からは本腰を入れなきゃな。


「さて、改めて第三層だが、ここにはゴーレムも混じってるみたいだな」

『ゴゴ!』

『ポーポポ』

「流石に最新のコアがいきなり出る事はないだろうけど、第一層や第二層でも100越えレベルの奴らが出て来たくらいだ。もっと潜れば、期待できるかもな」

『キュイキュイ』

『♪♪』


 まず第三層のフィールドは、第一層や第二層にあった廃墟の痕跡がまるで残っていない全域砂漠地帯だった。砂によって全て埋もれたというより、最初から砂漠だったかのような様相をしているし、今までとは別設定なのかもしれない。

 昨日エンリル経由で得たモンスターの情報は2種類。機械でできた砂漠のサソリに、砂のゴーレムだ。ゴーレムは『初心者ダンジョン』で遭遇した連中のように砂地に身を隠しているようだったが、この階層の四隅付近にある謎の柱を中心に出没しているようで、試しにエンリルに砂を巻き上げてもらったら、コアらしきものが露出した。風を攻撃と認識した連中が起き上がった姿は、まさしくあちらで見たゴーレムに瓜二つだった。詳細は気になるところではあるが、まずはマップ全域を彷徨っているサソリから調べるべきだろう。


「……お、ちょうど良いところに」

『ギギギギ』


*****

名前:スカウト スコーピオン

レベル:44

腕力:480

器用:540

頑丈:540

俊敏:330

魔力:0

知力:0

運:なし


(アーツ)スキル】気配断絶

★【(エクス)スキル】神経毒、大切断


装備:なし

ドロップ:偵察機兵の背甲

魔石:中

*****


 やっと通常スキル持ちが出て来たか。まあ、『気配断絶』のスキル効果を機械のボディやその機構だけで再現するのは難しかったのかもな。

 見た目は1メートルくらいの、ちょっと大きいかなくらいのサソリだが、どう考えてもそのボディはメタリックで、生物ではないことがよくわかった。しかしまあ、あんな節足動物を機械で再現するって、大変そうであることはわかるが、用途がよくわからんな。威力偵察するにしてもサソリじゃあできる事も限られるし、めちゃ目立つぞ。

 それとも、あのサイズのサソリは異世界では割とポピュラーなのか……?


「アズー」

『そうね。多分だけど、砂漠にいるデーモンスコーピオンを模倣した機兵ね。本家の見た目もあんな感じだから、向こうの砂漠で遭遇しても見分けがつかないと思うわよ』

「そうなのか」

『それに、本物はもっと厄介な能力を持ってるから、遭遇しても無視されやすいって話だったかしら』

『はいっ。デーモンスコーピオンは砂漠を通る旅人の間で、非常に恐れられている存在です。ですので、擬態先としては優秀なんだと思います』

「なるほどなー」


 結局何のために作られてるかは不明だけど、砂漠での情報収集やら、間諜とかそういう目的で使われたりすんのかね。知らんけど。逆にそんなに恐ろしい存在なら、街の近くで見かけようものなら最優先で破壊されそうではあるがな。


「とりあえず、こいつらにも100体討伐設定がされてる可能性があるし、手当たり次第に倒すか。エンキ達も、手伝ってくれるか?」

『ゴゴ!』


 相手は砂の上を歩く存在だ。となれば、『土』を手にしたエンキは言わずもがなだし、『風』を持つエンリルなら気配を消したところで見破れるし、『水』を持つセレンも水滴を大気に織り交ぜ拡散させる事で簡単に探知する事ができる。

 ちなみにアグニは探知はそれほど得意じゃないので、俺の首元からマップを覗き込みつつ、的確に炎を飛ばして遠くの敵を炎上させていた。逆にイリスは、やる気が出ないようで俺の頭の上でぐんにょりとしていたが、アグニや他の子達から倒した敵の位置を聞き、触手を伸ばしてアイテム回収に貢献していた。

 そして俺は、マップに映るサソリが多いポイントに移動するだけで、戦闘に参加する機会は訪れなかった。だって、俺の視界に入る前に全部煙に変わっちゃうんだもん。うちの子達が優秀過ぎる。


『ポッポポ』

『~~♪』

「お、出たか」


*****

名前:偵察兵器ver1.0 Type甲殻機兵

レベル:95

腕力:1050

器用:950

頑丈:900

俊敏:680

魔力:0

知力:0

運:なし


(アーツ)スキル】気配断絶Ⅱ

★【(エクス)スキル】神経毒Ⅱ、大切断Ⅱ、砂嵐


装備:なし

ドロップ:甲殻機兵の背甲

魔石:大

*****


 サイズは同じだが、より毒々しい見た目のサソリになったな。けど、アレじゃあ元と違い過ぎてモロバレなんじゃないか? それとも……。


「あれは、上位種に寄せてるとか?」

『正解よ。デーモンスコーピオンの上位種、デモニックスコーピオンね。多分砂漠の領地を持ってた奴のダンジョンには、本物が出現すると思うわよ』

「やっぱし? まあそれにわざわざ擬態するほどなんだから、そっちの方が手強いんだろうな」


 となれば、こっちは紛い物の雑魚という訳だ。さっさと倒してしまおう。


『ギギギッ!』

「おらよっ!」


 両手を持ち上げ威嚇のポーズを取るが、一瞬で間合いを詰めて装甲に正拳突きをぶちかます。

 それだけで奴は耐えられなかったのか煙になっていき、次の予兆が始まった。


「他愛ないな」

『マスター、このまま素手で制覇しちゃう?』

「流石にそれは無理だろ。今だって、ちょっと硬かったし」


 人型機械よりも硬かったのは、サソリの姿を真似てるせいで外骨格がそのまま金属に置き換わってるからかな? 『異次元の腰巾着』には、タマモに頼んだ装備品が収納されてるし、素手で難しい相手が来たら装着するつもりだしな。

 そう考えていると煙が集約し、レアⅡが出現する。


*****

名前:偵察兵器ver2.0 Type大型甲殻機兵

レベル:135

腕力:1400

器用:1300

頑丈:1400

俊敏:1100

魔力:0

知力:0

運:なし


(アーツ)スキル】隠形Ⅲ、気配断絶Ⅲ、震天動地

★【(エクス)スキル】神経毒Ⅲ、大切断Ⅲ、砂嵐Ⅱ


装備:なし

ドロップ:甲殻機兵の大背甲

魔石:特大

*****


 ……。


「うーん、なんか、普通だな」

『普通ね』

『普通ですね』

『ゴーゴゴ』

『ポ』

『♪』

『キュイ~』

『プル~ン』


 皆同意してくれたが、イリスだけは食べられたらよかったのにって言ってる。まあ、2メートル越えの大型サソリだしな。可食部分は大いにありそうだ。

 まあ、流石にこいつが普通の生命体だったとしても、俺は食べようとは思わんが。

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