ガチャ880回目:散りばめられた秘密
『『おおー』』
アズとキュビラから感嘆の声を受け、空振りしまくった俺の心も少し癒される。
『私の呟いた砂という言葉だけでここに至れるというのは、流石マスター様♡』
『第一層で調べたけど、第二層で調べてないのは中心地だけよね。砂に埋もれてたから盲点だったわ♪』
「んじゃ、早速開けに行くか」
『ゴーゴゴ』
エンキが地面に力を通すと、俺たちの前に階段が現れる。至れり尽くせりだな。
「サンキュー」
『ゴ!』
そうして特にトラップなどもなく、俺達は無事に宝箱の前へと到着。そして皆が覗き込む中、ゆっくりと開錠した。
中に入っていたのは……何かの基盤だった。
名前:機神の基盤
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種別:トリガーアイテム
説明:機神を呼び出すために隠された基盤の1つ。特定のダンジョンに1つずつ隠されている。
「は?」
特定のダンジョンに1つずつ……?
って事はコレ、このダンジョンで使うものじゃないってことか?
『はぁー。やってくれたわねアイツ』
『アズ様のは最初期ダンジョンですから、こういったギミックがないのも仕方ないですよ』
「アズ、キュビラ。コレが何かわかるのか?」
『ええ、機神なんてご大層なもの作れるのはアイツだけでしょうし、マスターも察している通りだと思うわ』
つまりコイツは……。
「400番台のいくつかのダンジョン内に、コレと同じようなアイテムが隠されていて、No.500に辿り着く事でようやく呼び出す事ができるとか、とんでもなく大掛かりなギミックって訳か?」
『そういうことかと存じます』
『つまり、このダンジョンとは全く関係がないトリガーアイテムって事ね』
「じゃあ……ううん」
第二層の本来の攻略ギミックじゃなくて、全く別の攻略系統が混じってたって事か。道理でやたらと難易度が高かったわけだ。
『あ、マスター。宝箱が消えると同時に、廃墟の階段が全部元通りになったわ』
「え、てことは連動式だったのか」
廃墟を無視して掘り返しても、何もなかったってことか。つまり、第一層と同じようにギミック通りに進めないと、宝箱は出なかったと……。
……なるほどな。ならあの空振りも無駄ではなかったと。
『ふふ、良かったわねマスター♪』
「まあ……良かったのかな?」
とりあえず、現状この第二層でやり残したことは思い浮かばないし、答え合わせだけはしておくか。
「……本当に無いみたいだな」
マップを再読み込みしても、本当にこの階層には何も隠されていないことが分かった。しっかし、各地のダンジョンに隠された『機神』のトリガーアイテムか。どうやって探したもんかな。
……あれ? そういや、アレは使えるか? でも、素材だけって明記はされていたが……。
『どうしたの、マスター』
「ああ、ちょっと待ってな」
『異次元の腰巾着』に、アイラ宛ての手紙をしたため投入する。後はしばらく待てば、例のアレが鞄に入ってるはずだろう。
「今の時刻は……16時30くらいか。とりあえず、第三層の様子を確認しようか。狭いなら今日攻略しちゃって、長そうなら朝から攻略しよう」
『はーい♪』
『はいっ』
◇◇◇◇◇◇◇◇
そうして第二層の階段を降り、第三層へと到着。エンリルを飛ばし……1時間や2時間くらいで攻略できる気がしなかったので、拠点を設置して休むことにした。
砂埃をエンキ達に落としてもらい、俺達は楽な格好でリビングで寛ぎ始める。
『それでマスター、さっきは何考えてたの?』
「ああ、以前ガチャで、『アイテム探知機』ってのが出てさ。アイテムの正式名称さえ入力できれば、どこのダンジョンで入手できるか分かるって代物なんだ」
『そ、そんなのもあるのね』
『すごいです、マスター様』
彼女達の目の前に置き、直接見せてあげる。
名称:アイテム探知機
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種別:魔導具
説明:探したいアイテムの名称を入力する事で、入手可能なダンジョンを表示する魔導具。ただし、検索可能なアイテムは素材に限られ、スキルや武具は対象外となり、正確な名称でなければ検知不可能。
「ただ、これを見てわかる通り、素材に限られるんだ。だから、今まではそこまで欲しい素材アイテムなんて無かったから俺は使っていなかったし、『機神』のアイテムがヒットするかも不明だから、期待値はアレなんだけど」
『んー、でもたぶん大丈夫だと思うわよ』
「その根拠は?」
『だって、トリガーアイテムって、そのほとんどは別の用途にも使えるものだもの。そのアイテムは、向こうの世界における特定のモンスターと縁が深いものが設定されやすいってだけで、モンスターを呼び出す専用の物って訳じゃないのよ』
「あ~……。なるほどな?」
確かに、アズのダンジョンで入手したトリガーアイテムも、トリガー専用って訳じゃなくて、トリガーにも消耗品にも使えるアイテムって印象だったな。だから、全部が全部素材としても使えるかは定かではないにしろ、素材として使えるトリガーが混ざっていてもおかしくはない訳だ。
「じゃあ試しに、さっき手に入れた『機神の基盤』を入力すれば……」
【該当のアイテムを検索】
【ヒット1件】
【ダンジョンNo.450にて入手可能】
「おおー」
ちゃんと機能したな。てことは、これも何かしらの素材に使えるってことか。……文字通り『機神』の組み立てに使うのか??
「後は、この『機神』シリーズがいくつあるのかって話だが……」
『そこはほら、ここのダンジョンで手に入るトリガーから考えれば良いんじゃない?』
『ネジとか、マザーコアとかですね』
「だな。じゃあコイツらがヒットするか確認するか」
まずは、『機神のネジ』で入力っと。
【該当のアイテムを検索】
【ヒット1件】
【ダンジョンNo.480にて入手可能】
おお。んじゃ『機神のマザーコア』はどうだ?
【該当のアイテムを検索】
【ヒット1件】
【ダンジョンNo.500にて入手可能】
「おおー」
『少なくとも、500に挑む前に行くべきダンジョンは見つかったわね』
『このまま第三層以降も攻略して、必要となりそうなワードをゲットしちゃいましょう』
「だな」
あー、これがあるからダンジョン攻略はやめられないんだよな!
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