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ガチャ879回目:砂をかき分けて

表現漏れがあったため、ガチャ876の冒頭数行、追記修正しました

 宣言通りver1.0の『Type先駆兵』を武器諸共完全に粉砕したところで、次のレアモンスターが出現した。


*****

名前:戦術兵器ver2.0 Type突撃兵

レベル:120

腕力:1000

器用:1200

頑丈:1200

俊敏:1600

魔力:0

知力:900

運:なし


★【(エクス)スキル】俊足駆動、妨害電波、放電Ⅲ、先兵の魂、足止めの振動波


装備:高周波ナイフ改、高周波ナイフ改、多機能戦術兵装改、クロックアップ回路改、増幅ブースター改

ドロップ:戦術兵器の基盤、ランダムな装備

魔石:特大

*****


 ふむ、順当強化といったところか。けどまあ、『特大魔石』の120じゃ、大した成長は見込めないな。昨日の『Type大戦士』は『極大魔石』の150だったから、レベルは158に上がったんだしな。目標の数値にはまだまだ及ばんし、『スキル生成』を使うにもわざわざ作ろうと思える代物はないし、こいつもやっぱり鍵の欠片は持ってないしで……。

 もうさっさと深層に降りていって、強い相手を探しに行きたいところだ。


『ピピピピ』


 スキルの『放電』を纏いながら突撃して来た『突撃兵』に対し、俺は真正面から受けて立つ。


「ふんっ!」


 そして気合を込めた一撃で、2本の武器諸共相手の頭部を破壊した。


【レベルアップ】

【レベルが158から159に上昇しました】


 人型だからか、弱点も頭にあるのかな? しぶとく継続戦闘してくるかと思ったが、そうでもないようだ。

 『Type突撃兵』は、スクラップになったあと、煙となって消えていった。流石にレアⅢはいないか。……うん、纏めて倒しても成る気がしないな。

 その後も適当にモンスターをしばき倒しつつ、レアとレアⅡを3体ずつ撃滅。レベルが160となり、残る探索エリアは4つのビルのみとなった。


「んじゃ、登るとしますかね」

『とはいえ、沈んだ結果3、4階層くらいしか残ってないわね』

『すぐ終わっちゃいそうですね』

『また屋上に何かあるのかしら』

「さてなぁ」


 そうして廃墟を登って行き、モンスターと遭遇することなく俺達は最上階へと到達した。そして第一層と同じギミックを解く事で屋上への階段が出現。そのまま登ってみるが……。


「何もないな」

『何もないわね?』

『何もないですね』

『ゴ~』


 特に宝箱や台座が出る訳でもなく、梯子が出現しただけ。登り切った廃墟の内部にモンスターが出現する事も、外見に変化が起きた訳でもなく、本当に何もなかった。


「……ハズレか?」


 だが、本当にハズレたのかどうかは、全て調べるまで判別はできんところだ。そう思って俺達は残る3つの廃墟も制覇し、その全ての屋上へと到達。そして4つ目のギミックを突破しても、やはり何も起きなかった。


「うーん、違ったか……」

『本当に何も起きないですね』

『そうねえ……』

『マスター様、煮詰まった時は気分転換が良いと思います。モフモフされますか?』

「ん~……。そうしようかな」


 でも今はなんというか、尻尾をモフる気にはなれないな。という訳で、キュビラの後頭部に顔を埋めて吸う事にした。深呼吸する事で心は休まるが、妙案は特に思い浮かばない。


『マスター、今度はこっち♪』

「お~」


 アズの豊満ボディに突っ込み、もう1度深呼吸する。気持ちはほぐれるが……ほどほどにしよう。この胸は、気持ちがほぐれすぎて思考力が溶けてしまう。

 いや、でも、もう1回だけ……。


「……ふぅ。どうしたもんかな」

『あ、ねえマスター。アレみてみて。1個目から3個目の廃墟、閉まることなく屋上の階段が出たままだわ』

「……ほんとだ、修復機能も無くなっているのか?」


 第一層に備わっていた、ビル内の人間が全て離れたら元に戻るギミックも機能していないのか。となると、本当にこの4つのビルは廃墟になっていて、俺の予想はスカったのかもしれない。だけど、第一層にもそうだが、鍵の欠片に類するものをまだ手に入れられていないんだよな。

 もし仮にダンジョンボスを出現させるために必要な物がトリガー系アイテムだったと仮定するなら、『Type大戦士』が落とした『戦術兵器のマザーコア』や、『Type突撃兵』が落とした『戦術兵器の基盤』がそれに類するアイテムになるのかもしれない。だが、それにしたって第二層はあまりにもあっさりしすぎている。

 ただそこら辺の雑魚を100体倒して、レアⅡまで呼び出して倒しただけだ。ギミックらしいギミックも必要なく、『運』さえあればただ歩いているだけで達成できてしまうような代物だ。それはちょっと考えにくい。あの凝ったギミックが施された第一層の次層とは、到底思えない。となると、何か見落としがあるはずなんだが……。


「んー、むむむ……」

『マスターが思考の海にダイブしちゃったわ。こうなると長くなるかも』

『プル~ン』

『キュイキュイ』

『ふふ、私達は待つだけですね』

『♪』


 思考する傍ら、妙な動きをするキュビラを知覚した。何かごそごそしてる……?


『あんた、何してるの?』

『はい、せっかくマスター様がブラッシングしてくださったのに、砂が尻尾に纏わりついてきて……』

『ゴーゴゴ』

『ポポ!』

『まあ、ありがとうございます』

『先輩達ならこの程度の土埃、払うのも容易いわね』


 なんだ、砂を掃除してやってたのか。だからさっき、俺は直感的に尻尾は避けたのか


「……ん?」


 ……砂?

 目をバチっと開き、立ち上がった俺はある一点を見つめた。確かにあそこだけは、まだ調べていない!


『なになに、どうしたの?』

「キュビラ、お手柄だ」

『ふぇ? な、なんでしょう?』

「皆、付いてこい!」


 俺は急ぎビルから飛び降りると、第二層の中心……。第一層にて、トリガーモンスターが出現した中央交差点があったと思しき場所へとやってきた。


「エンキ、エンリル。ここの砂を掘り起こしてくれ。限界までだ」

『ゴゴ!』

『ポポ!』


 『土』と『風』の力が全力で振るわれ、地上を覆い尽くしていた砂や土、岩や瓦礫などが破壊され撤去されて行く。そしてその結果、第二層の中心部には深さ30メートルほどの巨大なクレーターが出来上がり、その最下層にはぽつんと宝箱が置かれていた。

 やはりな……。こんなところに隠されていたか!

★次回攻略先ダンジョンのアンケートを開始しました!★

★奮ってご参加ください!★

https://x.com/hiyuu_niyna/status/1922482164387455485

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