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ガチャ876回目:ウェポンブレイク

 さて、あの高周波ブレード……。性能としてはどんなもんだ?


 名前:高周波ブレード

 品格:≪最高≫エピック

 種類:片手剣

 武器レベル:39

 説明:未知の技術で作成された振動剣。量産された廉価モデルのため、絶大な攻撃力こそ持っていないものの同ランク程度の防具では太刀打ちできない。


 ほう。最高(エピック)の割にレベルが高めだな。これなら確かに、同格までの防具は打ち破れてもおかしくはない。……が、所詮は最高(エピック)だ。それ以上でもそれ以下でもない。

 結局、同格相手でしか良い顔ができず、固有(ユニーク)の防具には歯が立たない事に変わりはない訳だ。そして俺の身体なら……。

 うん、なんか大丈夫な気がして来たぞ。


『ビビビッ!』


 『戦術兵器』が俺を敵と認定し、剣を振り上げ攻撃を仕掛けてくる。俺はそれに合わせて、()で応えてやった。


「おらっ!」


『バギンッ!!』


 拳と剣が激突した。その衝撃の大きさに『戦術兵器』は踏ん張る事ができず、背後に後転する事で衝撃を逃した。そのまますぐに立ちあがろうとするが、先ほど打ち合った高周波ブレードが粉々に砕け散ってしまう。


『!?』


 流石の機械兵士でもその出来事は想定外だったらしい。なまじ『知力』がある分、展開に理解が追いつかず、状況を整理するためか思考停止に陥ってしまったようだ。

 ちなみに俺はというと、振り抜いた拳に出血はなく、薄皮一枚めくれた程度の被害で済んでいた。一瞬の事ではあったが、あの高周波ブレード、荒目のヤスリでゴシゴシされたような感覚を覚えたな。今の俺ならヤスリの方がボロボロになるだろうけど。


「うおおおっ!? すっげぇ!!」

「ただのパンチで剣を!?」

「どんな拳してんだよ!」

「レアモンハンターさんの偉業は伊達じゃないんだな……」


 観客は大賑わいだ。まあ普通に見れば俺がただの拳でぶっ壊したように見えるんだろう。その認識は、まあ間違いではないんだが、正解でもない。真実はただの『ウェポンブレイクⅤ』の効果で、レベル60以下の武器を破壊するって効果が働いただけだ。本来はそれが発動するかは確率なんだが、俺がやれば確定なので、このスキルも立派なチートスキルだよな。

 レベル60ってことはつまるところ、『伝説(レジェンダリー)』未満の装備は俺の前では塵も同然というわけだ。まあ、意識しなければ発動しないから、お遊びや修練の時には使わないけど。


『ビビッ!』


 思考停止から復帰した『戦術兵器』が、再び攻撃を再開した。だが、残った武器でただ無計画に攻撃を行うなどという考えなしの行動など、御し易い事この上ない。


「せいっ!」


 アキ直伝の回し蹴りが炸裂。残った武器も粉々に砕け散り、たたらを踏んだ『戦術兵器』に追い打ちを仕掛ける。


「見様見真似の、『爆砕鉄拳』!」


『ドガッ!』


 エンキやアキが使っている武技スキルを真似て攻撃を繰り出す。だが、未取得にも関わらずちゃんと発動してくれたらしい。『戦術兵器』は内部からボロボロと崩壊を始め、スクラップとなり果てた。


【レベルアップ】

【レベルが93から110に上昇しました】


 うん、目標のレベルには全然届かないな。まあ、素手で勝てちゃうような相手だと、こんなもんか。

 けど、なんだかんだで武器なしでしっかり戦うのって、これが初めてなんじゃないかな? 今まではスキルを獲得しても『武闘術LvMAX』のスキルは使われずに埃をかぶってたけど、拳で武器を破壊するのも楽しかったし、割とアリかもしれない。

 けど、高レベルの相手と戦うんなら、ちゃんとした武器を用意しないのが問題だよな。『ウェポンブレイク』はⅤが最大値である以上、安全を考えて『伝説(レジェンダリー)』以上の武器が望ましいけど、さすがに持ってないし。……タマモに用意させるのも手か? まあ、タマモのあのスキルは、本人が直接視た事ない武器は作れないって制約があるから、レパートリーに無ければどうしようもないんだが……。

 でも、結局あのレプリカは大技を使えばぶっ壊れるから、それをメイン武器にするのはよろしくないか。でもそれはそれとして、お遊びに使えるかもしれない訳だから、やっぱり用意出来そうなら用意してもらうか。


「キュビラー」

『はい、マスター様っ』

「かくかくしかじかでー」


 俺の希望的観測をそのまま伝えると、キュビラは早速文をしたためる。前回のタマモ引き渡しの際、タマモとサクヤさんの『魔法の鞄』も、『マジックバッグ』に登録済みの為、連絡は容易なのだ。


『これで、遅くても明日までには、ご注文の品は届くかとっ』

「そんなに早くて大丈夫か?」

『ま、新しく作ろうとしなくても、城にある在庫を引っ張ってくればすぐにでもいけるでしょ』


 『バトルアリーナ』に接続した『001ダンジョン』こと、アズの城か。まああそこは今、うちの庭と直通だからアイラならさっと取って来れるだろうしな。……ああいや、でも今は『弱体化』のあおりを食らってるから、さすがのアイラもそこまで速度は出せないか……?

 でもアイラだしなぁ。スキルなしでも『縮地』の真似事ができるし、ステータスが1/10になったところで、動きが鈍るとは思えんのよな。


「……お?」


 なんてことを考えていると、スクラップから発生した煙が集結し、中から新しい兵士が誕生した。


*****

名前:戦術兵器ver2.0 Type大戦士

レベル:150

腕力:1800

器用:1700

頑丈:1500

俊敏:1200

魔力:0

知力:800

運:なし


★【(エクス)スキル】蹂躙駆動、妨害電波、スキャニング、大戦士の魂、畏怖のガス


装備:高周波ブレード改、高周波ブレード改、多機能戦術兵装改、クロックアップ回路改、増幅ブースター改

ドロップ:戦術兵器のマザーコア、ランダムな装備

魔石:極大

*****


「ここのダンジョンは、スキルを人間に与えないスタンスなのか?」


 なんて旨味のないダンジョンなんだ。ギミックは面白いけど。

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