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ガチャ854回目:恒例のアイテム整理⑥

 んじゃ、次はコイツだな。


 名前:修羅髑髏の霊魂

 品格:≪遺産≫レガシー

 種別:アイテム

 説明:修羅髑髏の暴れ狂う霊魂が封入された小さな墓標。いくつもの霊魂が合わさって生まれたそこに自我はなく、ただ生前の怨念から生じる暴力と破壊衝動に、常に苛まれている。


 これは……なんだろうか。錬金術用の素材だろうか?

 これは流石に『アムリタ』とは関係ないだろうし、危ない物みたいだし。


「とりあえずは封印かな」

「畏まりました」


 名前:暗黒グリス

 品格:≪遺産≫レガシー

 種別:アイテム

 説明:暗黒の力を秘めた潤滑油。金属製の武器や防具に塗り付ける事で効果を発揮し、武器であれば暗黒属性の追撃が発生し、防具であれば暗黒属性に対する属性耐性と物理防御力が向上する。

 ★:『遺産(レガシー)』以下の武具にしか効果はない。

 ★:聖魔法の効果を受けると、暗黒グリスは効果を失い浄化される。


 暗黒属性の攻撃補助と、保護効果か。

 有用だし、消耗品ではあるが、液体である以上水筒による増殖は可能だから、使っておいて損は無いかな。まあ、最近それなりに使用頻度の高い浄化に巻き込まれると効果が喪われるのは欠点だが……。


「アイラ、これの管理宜しく」

「畏まりました」


 んで、コイツが最後っと。


 名前:霊魂のフラスコ

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種別:アイテム

 説明:純粋な力だけで構成された霊魂入りのフラスコ。扱い方次第で光にも闇にも傾く。


 うん、これも間違いなく錬金術素材だな。流石に『アムリタ』は……関係ないか。


「とりあえず倉庫の肥やしで」

「畏まりました」


 これで一応アイテムのチェックは終わりか。残るは、第六層で遭遇したレアモン5体。


・『五輪の書(火)』をドロップした『夜叉武者』。

・『五輪の書(風)』をドロップした『烏丸天狗』。

・『五輪の書(空)』をドロップした『修羅髑髏』。

・『五輪の書(水)』をドロップした『呪怨怪魚』。

・『五輪の書(地)』をドロップした『ウィルオウィスプ』。

 

 そいつらが直接ドロップした『ミスリルの宝箱』5個だ。


「んじゃまずは……。出オチで退場した『烏丸天狗』から行くか』


【アクセサリー】

【アイテム】


 うーん、このレベル帯でのアイテムも何が出るか気になる所ではあるんだが、戦いのために加工する技術も知識も偏ってるからな。ギャンブルをするにも、俺の手札は『魔鉄加工術』、『魔石加工術』、『魔工彫金師』、『完全分解α』、『錬金術の極地』の5つだけ。

 向こうの世界にある加工技術がたったのこれだけしか存在しない訳がないし、必要が無いからガチャから出て無いだけで、実際にはもっと無数の生産体系があるはずだ。ていうか、素材を手で直接加工できるとはいえ、火を使う本物の鍛治技術の製品には遠く及ばないだろう。そんな状態で高度な素材を得たところで、加工にも限度がある訳だ。

 ならここは、今まで通り既製品を選択するべきだろう。俺はアクセサリーを選択し、宝箱の中からそれを引き摺り出す。


 名前:風魔の腕輪

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種別:アクセサリー

 説明:翠の宝玉が嵌め込まれた黄金の腕輪。風属性の魔法出力が30%向上する。また、風属性の攻撃を受ける際は、相手の攻撃がこちらを避けるようになる。


 攻撃よりも防御に重きを置いた装備だな。それに、この装備の有用性はエスでなくても風属性の攻撃を防げるところにある。なんせ、相手から勝手に逸れてくれるんだからな。まあでも、無敵になれるかというとそうでもないだろうけど。

 ……ちょっと実験してみるか。


「実験は外で行いますか?」

「いや、ここで問題ないだろ。サポート頼む」

「畏まりました」

「エンキ、エンリル。おいでー」

『ゴゴ?』

『ポー?』


 やって来た2人に俺が思いついた実験内容について説明した。


『ゴ!』

『ポポ!』


 元気よく返事をした彼らが配置に付き、エンキは2メートルサイズに膨れ上がった。そして俺は2人を直線状に結んだ際の中心点に立ち、腕輪を装着する。常識的に考えて、こんな実験はリビングでやるような行動ではないんだが、うちのリビングは無駄に広いし、エンキとアイラがいれば被害が出る事はないだろう。


『ポ~!』

「おう、いつでも来い」

『ゴ!』


 エンリルの頭上に目に見える形で風の塊が生成され、こちらに向かって飛翔してくる。その塊は一応攻撃能力は有しているものの、速度は眠くなるくらい遅かった。

 それは文字通りゆっくりと飛んで来ていたが、俺にぶつかる直前、不自然なタイミングで方向を変え、俺の斜め後ろに向けて飛んで行った。それをエンキが片手で受け止め、風の力は霧散していった。


「なるほど、そういう感じね。エンリル、次は3連発。ついでに速度もちょっと上げてくれ」

『ポ!』


 言われるままにエンリルは風魔法で攻撃を繰り出す。だが、先程と同じ場所まで辿り着くと、ルートを突如変更し、明後日の方向へと飛んで行った。曲がり方は全てバラバラだった。


「ご主人様、使えそうですか?」

「風属性攻撃がメインの相手の切り札……になるかは、ちょっと怪しいな。エンリル、最後に速度重視で……そうだな、ブレイクアローの攻撃能力を大幅に減少させた奴を頼めるか? 俺も外装張っとくからさ」

『ポ!』


 ブレイクアローはエスから伝授された魔法であり、大精霊戦で俺の片耳を消し飛ばした魔法だ。この魔法すら逸らせるならこのアクセサリーは最強になれるんだが……。


『ガガガッ!!』


 そう考えている内に、ブレイクアローは外装に激突し、消失した。


『ポー。ポポー』

「胸を狙ったら、左の脇腹に激突と。なるほど、逸れはするけど超高速で飛来するものまで捻じ曲げきる力は無いって事か」

「万全対策というほどではありませんが、保険にはなるかもしれない。といったところですね」

「このまま使うと、飛翔ルートを読んでガードしたら別のところで被弾するとかありえるから、どういうルートで逸れるか研究する必要がありそうだな」

 

 さて、残るは4つか。他もアクセサリーを選んだら同種のものが出て来たりしてな。

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