ガチャ852回目:恒例のアイテム整理④
イメチェン祭りもある程度落ち着いたところで、アイラを手招きしてスキルチェックの再開をする。残るは『Mスキル』と『Sスキル』だが、どいつもこいつも一癖も二癖もありそうな名称してるんだよなぁ。
名前:狐魔法Lv9
品格:≪固有≫ユニーク
種類:マジックスキル
説明:狐に連なる種族のみが扱える種族専用魔法。
★:炎を操るスキル、人を化かすスキルが含まれている。
名前:妖狐魔法Lv8
品格:≪遺産≫レガシー
種類:マジックスキル
説明:狐に連なる種族のみが扱える種族専用魔法。
★:狐魔法の効果が大幅に強化されており、人化の術、分身の術などが含まれる。
やっぱ狐系じゃ無いとダメか。
でも再入手する機会は今のところ無いし、スキルポイントに変換するのは勿体無いしな。倉庫の肥やしになってもらうか。
次はいかにもなスキルだな。
名前:呪符術Lv2
品格:≪固有≫ユニーク
種類:マジックスキル
説明:様々な能力を持った呪符を生み出せる様になるスキル。一部を除きほとんどの呪符は、このスキルがなくても扱える。
「ほう」
……陰陽師的な呪符を作れる上に、大体の呪符は誰にでも扱えると。便利なサポート系スキルだな。
「とりあえずMAX化させて、俺と……そうだな。アイラ、頼めるか」
「畏まりました」
元々アイラは物作りが得意だし、こういうのは彼女の領分だろう。
次は、見るからにヤバそうなこのスキルだな。
名前:降霊術Lv3
品格:≪固有≫ユニーク
種類:マジックスキル
説明:死者の魂を物に宿らせ、意のままに操るスキル。レベルに応じて呼び出せる死者の格が上昇する。
「封印で」
「畏まりました」
これはもう色々と駄目だ。研究所に送る事すら忌避するレベルでダメだろう。ただ廃棄しては本当に何かあった時に後手に回るから、結局これも肥やしだな。
んでお次が、最もヤバそうなコイツだな。
名前:呪怨
品格:≪遺産≫レガシー
種類:スペシャルスキル
説明:周囲にある恨みを集約し、己が力へと変換するスキル。スキルを使用するほど効力は高まり物理・魔法共に威力が跳ね上がるが、代償として周囲の存在全てに怨念を抱くようになる。
「ああうん、封印で」
「畏まりました」
書いてることは強いけど、代償が重すぎる。そりゃあの怪魚もあんな風になるわ。
アイラは『要封印』と記載された金庫に『降霊術』と『呪怨』を放り込み、『マジックバッグ』へと放り込んでいた。ちらりと見えた金庫の中には、以前俺が封印するべしとしたスキルがいくつか散見された他、征服王の所持品の中でも、一際危険そうなものが入っていたな。
しっかし今の金庫、俺から見ても素手での破壊が困難な予感を感じさせた。どうやって作ったのか興味はあるが、あんな風に管理しているのなら、危険物が世に出回る心配はなさそうだな。
「アイラに任せて正解だったな」
「恐縮です。ではご主人様、スキルも終わった事ですし、次はこちらです」
「ああ」
そうしてアイラは、俺の目の前に5つの書物を取り出した。
そう、『五輪の書』だ。
「こいつは単独で視ても特に派手な印象は残らなかったんだよなぁ」
名前:五輪の書(火)
品格:≪遺産≫レガシー
種別:アーティファクト
説明:戦いについて書かれた書物。
これだけしか書いてないもんな~。
しかも、本の内容を読もうにも書いてる言語が未知の言語過ぎて解読不能だし、アズ達の世界の言語でも無ければ『言語理解』のスキルがあるキュビラでも理解できないとかなんとか……。なんなんだこれは。
まあでも、五輪の書は全部で5冊あることは有名だから、揃った時に何かあると踏んでたんだよな。
「……けど、何も起きないな」
「そうですね。重ねても、地・水・火・風・空の順に並べて待っても反応がありません。5冊しかありませんし、試しに残りの119通りを試してみますか?」
「一応頼める?」
「ではさらに念のため、並べてから最低でも1秒は待つようにしてみましょう」
そうして数分掛けて120通りの並びを試すも変化はなく、なんなら俺の『直感』すら反応しなかった。となれば、やり方が間違っているのか、何かが足りないのかだ。
「ご主人様、何か妙案は御座いますか?」
「……」
一応あるにはある。が、それは妙案というより都合の良い妄想と言った方が近いかもしれないくらい酷いものだ。それに、そんな結果が分かり切った事で失敗したらちょっと恥ずかしいんだよな。
「ここには私達しかいません。恥ずかしがる必要なんてありませんよ」
アイラが、こっそりと耳元で囁いてくる。
まあそうなんだが、明らかに間違っていそうな事をして失敗するのがなんか嫌なんだよな。
「まったく、仕方のない人ですね。では、実行する前にその妙案の内容から伺いましょう。その内容を基に、実行する価値があるかないかを客観的に判断させて頂きます」
「……わかったよ。俺の負けだ」
アイラがこの状態になったら、俺が何を言っても無駄だろう。さっさと白状して、アイラの判断に委ねよう。
「俺が思い浮かべたのは圧縮だ」
「圧縮と言いますと、『スキル圧縮』……いえ、今は『スキル進化』でしたか。なぜそれを思い浮かべたのです?」
「ああ、スキルじゃないから無理だと最初は判断したんだが、なんというかその……。過程はどうであれ、結果がスキルに関連する何かとなるのなら、効果があるんじゃないかと思い浮かんだだけだよ」
「過程ではなく結果……。つまり、今のこの状態の書物がただの読めない書物であろうと、最終的に真の姿を取り戻した時、それがスキル関係の何かとなるのなら、対象になるのではないかと、そう踏んだわけですね」
「全部言ってくれてありがとう」
「なるほど……。良いではないですか、試してみましょう」
「そう言うと思ったよ」
【使用者の意志を確認】
目の前にあるのはスキルじゃない以上、この先は失敗の未来しか……。
【該当のアイテムを確認】
ん? ここでアイテムの表示がされるのは初めてだぞ?
いやでも、スキルじゃないなら最終的に成功するはずが……。
【LRアイテム『五輪の書(地)』、『五輪の書(水)』、『五輪の書(火)』、『五輪の書(風)』、『五輪の書(空)』を進化。SLRアイテム『武技スキル指南書・五輪』へ進化しました】
おいおいおいおい、マジか!?
思いついたのは俺だけど、お前、アイテムも進化できたのかよ!?
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