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ガチャ848回目:安全な未来のために

「そこまで考えて行動していたのね。すごいわショウ君」

「そう言って貰えると嬉しいですね」


 俺の計画を聞いて、サクヤさんから心の底からの賞賛を貰った。ここまで嬉しい事は中々無いな。


「旦那様、わたくし感無量ですわ」

「よしよし」


 目に涙を堪えるアヤネを撫でて宥めた。


「ご主人様が『完全コピーのオーブ』を完成させた際、何に使われるのか予想できませんでしたが、まさかこのようなことを計画なさっていたとは。感服いたしました」


 お、アイラの予測を上回れたか。これもまた嬉しい出来事だな。


「じゃあお兄様、『完全コピーのオーブ』を手にしてから、ずっとタマモと遭遇するのを待ってたの?」

「ああ。そもそも『スキルの欠片』がガチャから出始めたのも、サクヤさんが『傾国の美女EX』を手にした話を聞いてからだからな。使うべき場所は初めから決まっていた訳だ。タマモが持っているスキルが、強制発動じゃなくて、パッシブ型のスキルを相手に植え付けるだけってパターンも考えられたが……。ま、これに関しては巡り合わせが良かったな」


 すでに確定した情報は『運』とはまた別問題だからな。


『じゃあ、あたしが似たようなスキルを持ってた場合、あたしからコピーする事も考えてたのね』

「そうなるな。まあ、アズの場合は最初から敵対はしていなかったからな。これを使うよりも、鍵を譲渡すれば共有ポイントからスキルを間借りできるから、そっちの方がお得だと踏んだんだ」

『ふふん、なるほどねー。流石あたしのマスターね!』


 タマモに自慢するかのように、アズがドヤった。


「さて、アイラ。現時点でポイントはどれくらい残ってたかな?」

「はい。前回の残りから『テイムⅩ』を2つ用意するのに500万ほど消費し、残りは2800万ほどとなりました。ですので、『スキル強制』は最大でⅦまで上げる事ができるかと」

「おう、ありがとな。んじゃ、アイラ、イズミ。他の皆を呼んできてくれるか。どうせ強化するなら、皆がいる前で改めて今回の俺の計画を説明しておきたい」

「畏まりました」

「はーい☆」



◇◇◇◇◇◇◇◇



 そうして、うちの嫁達が全員集結し、エンキ達を含めて20人を超える人数がサクヤさんの執務室へと集まっていた。

 そして改めて俺は、『スキル強制』を使った計画を説明する。


「お腹の子に、『弱体化』を付与して強制的にステータスを制限する……。なるほど、妙案ね!」

「ショウタさんの『運』なら私たちの子供にスキルが受け継がれる可能性は高いですけど、スキルオーブが存在しないはずの『弱体化』は、受け継がれない可能性が高い……。そこまで考えが至りませんでした」

「それにスキルって、自分の意志で使わないと取得できないし、スキルの使用だってそう。赤ちゃんにそんな真似は不可能だしね!」

「ショウタさんは、私達の子供の事を、ずっと考えていてくださってたんですね……」


 アキもマキも、そろそろ妊娠7カ月目に突入しそうな頃合いだ。いくら俺の『運』が良いからって、多少なりとも不安はあったはずだ。

 俺の計画を聞いて、少しは安心してくれたら嬉しいな。


「お兄ちゃんの運命力なら何の心配もないって高を括ってたけど、そうだよね。私達は未知の領域にいるんだもんね」

「高位冒険者同士の子供。そこに何が起きるかわからない以上、手放しで静観するのではなく、徹底的に準備するべきでした」

「兄上、必要なものがあれば、何でも仰ってください」

「微力ながら、お兄様のお手伝いをさせてください」

「そうそう、ボク達の子供のことでもあるんだもん。協力させてね!」


 カスミ達はまだ1カ月目ではあるが、将来の不安要素が減るというのは大きいはずだ。後日の戦いでイクサバが加入してくれれば、狩りの速度と練度はもっと高まるはずだし、彼女達の助力にも期待している。

 

「前回のエレメント狩りなら、コツも掴んだし協力できそうね」

「勇者様の将来を見据えた行動には感動しましたっ! 精一杯お手伝いしますー!」

「主様、私にできる事でしたらなんなりとお申し付けください」

「今のわたくしなら、『水』の制御力が増した事と、レベルが上がった影響で、以前の1.5倍以上の速度で敵を押し流せるはずですわ。早速明日から動きますか?」

「その気持ちはありがたいが、まずは強化してどう変化するかから見ておきたいかな」


 そうして俺は『スキル強制』を無印から強化していき、以下のようにポイントを消費して行った。


1⇒2:36,000

2⇒3:108,000

3⇒4:324,000

4⇒5:972,000

5⇒6:2,916,000

6⇒7:8,748,000

合計:1213万2000P


 7以降は相変わらず、3倍ではなく4倍必要になるみたいだから、これ以上はポイントが足りんな。

 さて、スキルはどう変化したかなっと。


 名前:スキル強制Ⅶ

 品格:≪幻想≫ファンタズマ

 種別:ユニークスキル

 説明:使用者が取得しているスキルの中から1つを、任意の対象に付与する事が可能。付与可能スキルは魔力を消費しないスキルに限られる。スキルを付与した対象には、当人の意志に関係なく魔力を介さないスキルの強制ON/OFFが可能。

★このスキルによって有効化中のスキルは、付与対象者からの操作権限が失われる。

★一部『幻想(ファンタズマ)』スキルはコピー対象外。

★付与するスキル人数は28人まで。

★付与対象の位置が常に把握可能。


「おおっと……スキルの数は1つまでなのは変わらないけど、付与可能な人数が爆上がりしてるな。……スキルレベルごとに加算されてる感じかな?」

「1+2+3+……ってことね。最後には55になるのかしら?」

「そこまで来たのなら、無制限になって欲しいですわ」

「『幻想(ファンタズマ)』スキルなんですし、それくらいは変化して欲しいところですね」

「ではご主人様。休暇の後は、エレメント狩りを実行されますか?」

「ああ。ここまで来たら、MAXまで持って行ってから取得したいしな。もしMAXで人数制限が撤廃される様なら……皆、2人目3人目と気兼ねなく増やせるな~」


 そう言うと、皆から熱い視線が注がれた。

 あれ、俺今、自分の首を絞めたか……? まあ良いか、なるようになるさ。

読者の皆様へ


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― 新着の感想 ―
こんなにも…生命を作る予定が多いという、なろう系小説はあるのかな?
ステータスか… やりたい放題してた征服王の子供が居ないわけだ
55人兄弟か… 徳川家斉の53人を超えるのか
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