ガチャ829回目:454ダンジョンボス
「皆、準備は良いか?」
「ん。バッチリ」
「といっても、あたし達は見てるだけだけどね。応援してるわ」
「主様、頑張ってくださいっ」
「勇者様、ファイトですー!」
「ショウタ様、ご武運を」
『まあ、ここまで来たマスターなら余裕でしょ♪』
『主君の勇姿、しかと見届けさせていただきますぞ!』
まあ、そうだよな。ここでも結局俺のわがままで、戦うのは俺だけになるだろうから、皆には特に準備も何もなかったか。……ああそうだ、一応『魔狐の宝玉』について視ておくか。
名称:魔狐の宝玉
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種類:アーティファクト
説明:古の魔狐が隠し持つとされる伝説の秘宝。このアイテムが近くにあるだけで、付近の狐族の潜在能力が覚醒し、レベルとステータスが2倍になる。
★狐族を蝕む殺生石は、この石が付近にあると破壊される。
「む」
ちらりとポケットを覗き視れば、殺生石2つが粉々に砕かれていた。元々呪われてたアイテムだったとはいえ、宝石としてみればそれなりに綺麗だったんだが……。まあいいか。
「ところでアズ、次は順番的に九尾がボスで出てくると思うんだが、それとあの『タマモ』は別なんだよな?」
『ええ。妖狐って種族や、似たような種族の狐族は、強くなればなるほど、そして格が上がれば上がるほど尻尾の数が増えていく種族なの。だから、尾の数違いは1体ずつ、なんて決まりはないわ』
「なるほど、老害がいつまでも未練たらしくボスの座に居座り続けてる事が多いわけだ」
『ぷふっ。そうなるわね♪』
ならまあ、ここのボスは捕まえる必要もなく、普通に退治してしまって問題ない訳だな。
そうして俺達は台座を囲み、代表して俺が台座に触れる。
【全ての鍵の欠片の所持を確認】
【ボスフィールドに転移します】
◇
「お?」
いつの間に移動したんだろうか。特にカウントダウンもなく、台座に触れてメッセージが出てから、ここに来るまでの間の記憶がない。多分ボスフィールドへの移動は完了したはずだが……。
うん、周囲には全員いるな。同じように辺りを見まわし、仲間達と俺の存在に安堵している様子だ。……一応見ておくか。
「『真鑑定』『真理の眼』『解析の魔眼』『神の眼』」
『あら、どうしたのマスター?』
「……いや、小狡い狐のことだから、既に変身してこの中に潜り込んではいないかと思ってな」
『なるほどね、さすがマスター。確かに連中ならやりかねないわね♪』
「だが……杞憂だったらしい。俺達に変身したりせず、堂々と向こうで待っているみたいだからな」
少し先、霧に包まれた向こう側に、狐特有の気配を感じる。今までの八尾までと比べると、邪気や悪意はなく、どちらかと言えば神聖で厳かな気配を感じるが……。それでもこの感じは、狐で間違いないだろう。
移動して来たこのフィールドは、今までのボス専用フィールドとは異なり、何もない平原ではなく神社の境内のような場所だった。といっても塀らしき囲いはなく、周囲は深い霧に包まれていて、数十メートル先が見えないほど視界は悪かった。それでもここが境内だと思わせる要素として、足元には参道と思しき石畳が真っ直ぐに突き進んでいて、その外側は荒い砂利が敷き詰められ、道順を示すかのように石畳の左右には等間隔に妖しい灯籠が並んでいた。
これらの灯籠は今まで見て来たギミック付きの物と瓜二つではあったが。特に何の効果もないただのオブジェクトのようだった。
そのまま参道をずんずんと進めば次第に霧の向こうに社が見え始め、そのまま正面から侵入して畳の室内へと土足で乗り上げる。まあ、流石にちょっと抵抗はあったが、これからボス戦だってのに、脱ぐわけにもいかないんだよな。
そして俺たちを出迎えるように、一人の巫女さんが待ち構えていた。土下座の態勢で。
『お待ちしておりました、アマチショウタ様。私はここの管理をお姫様に任されております、九尾のキュビラと申します。以後、どうか……どうかお見知りおきを』
巫女さんはそう言うも、頭を上げる様子はなく頭を下げ続けている。彼女のお尻からはフサフサの尻尾が9本見えるし、金の髪からは狐の耳が生えている。彼女は間違いなく人外の存在であり、発するオーラは今までの狐を軽く凌駕するものだ。
だというのにこの低姿勢……。やっぱりそういうことか?
とりあえず見てみるか。
*****
名前:九尾の智将・キュビラ(ダンジョンボス)
レベル:1000(+500)
腕力:8000(+4000)
器用:8000(+4000)
頑丈:7200(+3600)
俊敏:7300(+3650)
魔力:20000(+10000)
知力:24000(+12000)
運:なし
【Uスキル】真鑑定LvMAX、鑑定偽装LvMAX、気配偽装LvMAX
【Bスキル】超防壁Ⅴ、剛力Ⅵ、怪力Ⅵ、阿修羅Ⅴ、怪力乱神Ⅴ、金剛力Ⅳ、俊足Ⅵ、迅速Ⅵ、瞬迅Ⅴ、迅雷Ⅴ、金剛脚Ⅳ、鉄壁Ⅵ、城壁Ⅵ、金剛体Ⅴ、難攻不落Ⅴ、金剛壁Ⅳ、魔力溜めⅣ
【Pスキル】物理耐性Ⅵ、魔法耐性Ⅵ、斬撃耐性LvMAX、貫通耐性LvMAX、打撃耐性LvMAX、状態異常耐性、知覚強化Ⅲ、思考加速Ⅲ、並列処理Ⅲ、体術LvMAX、武闘術LvMAX、剣聖LvMAX、弁天術LvMAX、神弓術LvMAX、狩人の極意LvMAX、暗殺の極意LvMAX、投擲の極意LvMAX、射手の極意LvMAX、姿勢制御LvMAX、摩擦抵抗Ⅴ、重力抵抗LvMAX、空間把握LvMAX、曲芸LvMAX、恐怖耐性LvMAX、痛覚耐性LvMAX、苦痛耐性LvMAX、精神耐性LvMAX、病気耐性LvMAX、房中術LvMAX
【PBスキル】統率Ⅴ、破壊の叡智Ⅴ、魔導の叡智Ⅴ
【Aスキル】隠形Ⅳ、気配断絶Ⅳ、認識阻害、全感知、毒抗体Ⅴ、跳躍LvMAX、暗視Ⅳ、衝撃Ⅳ、鎧通しⅣ、ウェポンブレイクⅢ、アーマーブレイクⅢ、重力操作LvMAX、重ね撃ちLvMAX、チャージアタックⅣ、鼓舞Ⅳ、追跡者Ⅳ、騎乗Ⅲ、火炎旋風Ⅲ、天鼓雷撃Ⅲ、水深圧殺Ⅲ、震天動地Ⅲ、神通力Ⅳ
【Mスキル】念動力LvMAX、元素魔法LvMAX、妖狐魔法LvMAX、天狐魔法LvMAX、巫術LvMAX、魔力超回復LvMAX
【Sスキル】覇色の魔眼、威圧Ⅲ、強圧Ⅲ、存在圧Ⅲ
★【Eスキル】知識の泉Ⅲ、言語理解Ⅴ、読心術Ⅴ、配下連結権、絶対命令Ⅴ
装備:緋蓮の死装束、自決の短呪刀
ドロップ:管理者の鍵454、ランダムボックス
魔煌石:極大
称号:タマモ親衛隊総指揮官
*****
ほぉ、極大!
是非とも手に入れたいところだが、装備もアレだし、完全にひれ伏してるし、称号も悪いものは特にない。しかも完全無抵抗な状態だし、そんな相手を手にかける訳にもいかん。
チラリと隣を見れば、アズがこれ以上ないくらいにんまりとした笑顔を向けてくる。完全にこれ顔見知りだよな? 俺がどんな判断を下すのか楽しみで仕方がない様子だ。
「はぁ……」
ため息をつけば、キュビラがビクッとする。完全に怯えられてるじゃん。
もうこのやり取りだけで毒気が半分くらいは抜かれちゃったし、まずは話を聞いてやるかな。処するかどうか、迎え入れるかどうかは、そこから判断しよう。
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