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ガチャ800回目:第三層の残り

 青龍の門から外周通路に出た俺達は、そのまま鬼火の討伐に乗り出した。ガチャをしてもよかったんだが、結局鬼火程度では次を回せるほどのレベルには上がれないだろうからな。先に回そうが後で回そうが、誤差みたいなものだろう。

 この階層の鬼火はこんな感じだった。


*****

名前:鬼火【夜叉】

レベル:30

腕力:220

器用:240

頑丈:420

俊敏:40

魔力:1000

知力:400

運:なし


(パッシブ)スキル】恐怖耐性Lv3、苦痛耐性Lv1

★【(エクス)スキル】鬼火Lv3、根元の恐怖Ⅱ


装備:なし

ドロップ:鬼面の火打石

魔石:小

*****


 まあ……普通だな。

 という訳でシャル、ミスティ、マリー、テレサに99体討伐を目標にしてもらいながら、第三層の出口を目指して歩いて行った。そして出口到着後もしばらく狩り続け、4人同時に100体目を倒してレアモンスターを出現させる。

 1体目は『恨みの鬼火【夜叉】』。

 軽く3体を切り捨て、1体を脅した結果、ドロップアップが発生。そして2層の時と同じく夜叉の仮面が出てきた。


 名称:破顔の夜叉面

 品格:≪最高≫エピック

 種類:アクセサリー

 説明:特殊な方法でしかドロップしない特殊アクセサリー。このお面を身に付けることで、同種の面をした鬼火から受ける状態異常、及びデバフに対して強固な耐性が得られる。


 これはやっぱ付けておくか。顔の側面に装着していると2体目が出現。

 2体目は想定通り『嘆きの鬼火【夜叉】』。これも2体を切り捨て1体を脅す。その結果『悲哀』を取り除き、再び得た夜叉面を仕舞う。

 3体目の『怨嗟の鬼火【夜叉】』も同様に1体を切り捨て1体を脅して『怨嗟』の重圧を消し飛ばした。こいつら、鬼面と夜叉との違いはレベルが10高いのと、スキルレベルが1高い程度で、特に面白みもない相手だった。

 この先も鬼火はこんな調子だとしたら、ただただ面倒臭いだけなんだが、どうなるかなー。そう思っていると、この階層最後のレアモンスターが姿を現した。


『オアアアアッッ!!』


*****

名前:激怒の鬼火【夜叉】

レベル:150

腕力:1500

器用:1600

頑丈:1700

俊敏:100

魔力:1500

知力:1800

運:なし


(パッシブ)スキル】恐怖耐性LvMAX、怒髪天Ⅲ

(マジック)スキル】炎魔法LvMAX、火炎操作LvMAX

★【(エクス)スキル】鬼火LvMAX、根元の恐怖Ⅲ、強制共感Ⅱ、自爆


装備:なし

ドロップ:夜叉の怨嗟石

魔石:大

*****


 あ、コイツはヤバい。


「ハーフブースト、トリプルプレッシャー!」

『!!?』


 怒りの形相を浮かべていた鬼火だったが、突然膨れ上がった俺の圧力に驚き、今にも泣き出しそうな形相へと変化した。そして数秒間の硬直の末、散り散りになって消えて行った。


【ダンジョンモンスター・激怒の鬼火【夜叉】の自信を粉々に打ち砕きました】

【特殊条件達成】

【以後一ヶ月間、該当ダンジョン第三層を覆っていた『激情』の重圧が取り除かれます】


 あっぶなー。

 多分だけどアイツ、ほっといたら怒りが溜まって自爆するとかそういうコンセプトなモンスターだった可能性があるな。自爆なんて死を前提とした技だし、威力の倍率も他とは一線を画すだろう。相手は格下だろうと、撃たせたら俺もタダでは済まなかったかもしれないな。

 ……ああでも、それはそれとして。


「……気持ちがすっきりしたな」


 今回の重圧は、妙に嫌な感じで、あまり長居はしたくないと思っていたんだが、激情……怒りの感情を向けられていたのか。

 怒られる時の申し訳なさというか、居た堪れなさというか、強制的に卑屈にさせられるような妙な感覚を常に感じてたから、正直消えてくれてホッとした。

 けど、それはつまるところ、第四層以降は定番のデバフになるという事なんだよな。それはちょっと気後れしてしまう。


「ん。ショウタ、疲れたし今日は休も?」

「……そうだな、そうするか」


 まだ午後に入ったばかりだが、それでも視線と重圧に晒され続けたせいで、いつも以上に精神が疲弊してる。休むことも重要だよな。

 てか、キョウシロウさん達はここにもいないってことは、もっと奥にいるんだよな? これよりも強い重圧に晒され続けてたら、頭がおかしくなるだろ。

 いや、もうおかしくなってたりしてな。



◇◇◇◇◇◇◇◇



「さて、お待ちかねのガチャを回しますかね」

「ん。久々!」

『待ってたわ!』

『主君の力の一端、気になりますぞ!』

「ついに主様の秘密が拝めるのですね!」

「ふぅ、ちょっとドキドキしてきましたわ」

「楽しみですねー」

「あたしも緊張してきたわ」


 そういや、ミスティ以外は実際に回すところを見るのは初めてか。

 言うて、他の人から見えるのは出てきたカプセルとアイテムだけで、スキルオーブやブーストアイテムが見えないんだけど。

 んじゃ、とりあえず更新された情報を再確認しますかね。


『バージョンアップ! 出現する増強アイテムの効果が高まりました!』

『バージョンアップ! ガチャの消費レベルが20⇒22に上昇しました!』


『管理者権限を9つ確認。一部の特殊アイテム・特殊スキルがアンロックされました』

『管理者権限(中枢)を1つ確認。ダンジョンシステムに関わる一部の特殊アイテム・特殊スキルがアンロックされました』

『特殊枠【Cスキル】【Dスキル】確認。一部の特殊スキルがアンロックされました』


『ボックスの残り 100/100』


 回数は100にまた戻って、消費は220。中枢管理者になったおかげか、特殊枠の追加と。ふむふむ。

 それじゃ、早速回すとしますかね!

読者の皆様へ


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― 新着の感想 ―
 こう管理者権限と連動してることを考えるとダンジョンを生み出したものとは別で攻略か安寧を願う別の者がいそうな気がするな。
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