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無料ガチャ049回目:アキとマキの放送チャンネル02

 商業施設の一角を借りて放送の準備をする。こういうとき、Sランクの旦那様がいると話が通りやすくて楽でいいわねー。直前に決まった公開生配信だけど、あたしもマキも『運』は揃って700台だし、こういった事業でも失敗することは滅多にないわね。

 慣れた手つきで機材を設置し、今日のゲストに目配せをする。この2人はうちの放送の常連ゲストだし、今更生配信だろうと緊張することはないみたいね。


「それじゃ、始めますねー」

「皆さん準備はいいですかー?」

『パチパチパチパチ!!』


 拍手で応えてくれる。よく調教が行き届いた視聴者達ねー。まああたし達のレベルは全員700だし、萎縮しちゃっておかしなことはできないか。

 うーん、『弱体化』が終わったら、今度はショウタ君が持ってる『気配偽装』を全員分貰おうかなー。スキル自体はレベル1からのスタートになるでしょうけど、レベル制の通常スキルだし、強化機でのMAX化も安くて簡単にできるはず!

 漏れ出る気配は気合で抑えることはできるけど、限度ってものがあるし、ずっと気を張ってるのはしんどいもの。


「カウントダウン始めるわよー」

「3、2、1」

「スタートー!」


 放送開始と共に、目の前の画面と、頭上に設置されたモニターにあたし達の映像と大量のコメントが映し出された。相変わらず、多くの人が観に来てくれてるみたいね。


「みんなヤッホー。姉妹放送の時間だよー。司会はあたしアキと」

「マキでお送りします!」

「今日は家の中じゃなくて、外で放送してるんだよー。どこだと思うー?」


 事前に告知してたから皆知ってると思うけど、視聴者の皆は乗ってくれたみたいで大量のコメントが一気に流れる。


「もう、姉さんったら。実は今回、私達はショウタさんの付き添いで、京都にやって来ています。急な告知でごめんなさいっ!」

「いやー、観光も良いけど、つい放送したくなっちゃって。昨日思いつきでやりたいって言ったら、OKを出してくれた施設関係者の人達、皆ありがとう!」

「それでは早速、ゲストの子達をお呼びしましょう。アヤネちゃーん」

「はいですわー!」


 モル君を腕に抱えたまま、アヤネがとてとてとやってくる。この放送の準レギュラーなこの子達も、すっかり固定ファンが付いちゃったわねー。


「ふふ、すごい人気。特にモル君が」

「今日もモル君は元気ですわ!」

『キュキュー!』


 2人の登場で更にコメントはヒートアップ。まだまだ読み取れるし、アズが出て来た時ほどじゃないけど、これは一般人では目が追いつけないでしょうね。


『モル君とアヤネちゃん、どっちも可愛い』

『てえてえ』

『アヤネちゃん、なんかすごい分厚い服来てね?』

『モル君、あの可愛さで上級冒険者並に強いとか、ギャップがエグい』

『アヤネちゃん寒いのかな』

『お腹が冷えると大変だもんな』

『お大事になさってください』


 ああ、アヤネのこの格好、寒いから着込んで来てると思っちゃった人が結構いるみたいね。まあ時期としては晩秋に差し掛かって来てるし、そろそろ第一や第二エリアでも雪が降るかもしれないけど……。

 こうもレベルが上がると、寒さや暑さの感覚はそのままに、耐えられる限界値だけは上がってるから、そうそう体調が悪化したりする事はないのよね。まあそれでも、お腹の子への影響は未知数だから、ぬくぬくした格好はしてるんだけど。


「こ、これは寒かったからではありませんわ。ちょっとしたパフォーマンスなのですわ!」


 そう言ってアヤネは羽織っていたダウンジャケットとワンピースシャツを脱ぎ始める。コメント欄と周囲の観客達は騒めくが、次第にあらわになるアヤネの格好を見て、騒めきの種類が困惑から驚きへと変わっていった。

 アヤネが内側に着ていたのは、例の猫の着ぐるみだった。


『か、可愛すぎるんだが!?』

『うわ、猫ちゃんだー』

『普通の着ぐるみに見えるけど、もしかしてアレって……』

『もしかしてあの激レアの!?』

『え? え?』

『なになに、なんなの?』


 うんうん、大騒ぎねー。

 一応『大阪城前ダンジョン』に出土した情報は公開したけど、宝箱そのものもそうだけど、割とガチめに宝箱からの出現率が渋めみたいだから、眉唾扱いされてるって話もあったのよねー。ただまあ、報告者がショウタ君とイズミの連名だから、事実だと信じてたくさんの人が潜り続けてるみたいだけど。


「アヤネちゃん」

「はいですわ!」


 マキが長い布を広げてカーテン代わりにアヤネを囲う。


「『トランスフォーム』ですわ!」


 カーテンの内部は光り輝き、しばらくするとワンピースシャツを着た猫モードのアヤネが中から出て来た。


「にゃーん。ですわ!」

『オオオオオオオオ!!』


 会場の空気は最高潮に達し、コメント欄もアズ登場時並みに濁流のような速さで流れ始めた。


『天使! 天使がいる!』

『にゃんにゃん!?!?』

『かわいいいい!!』

『やっぱ変身具だったか!!』

『あの光景を生で拝める奴らが羨ましすぎる……!』

『公開生配信の情報を見た時、迷わず動くんだった……!!』

『お腹はちょっとぽっこりした猫娘だとぉ!?』

『んぎゃわいいい!!』

『新しい扉開いちゃーう』


 流石の人気ね。一応事前にショウタ君には伝えておいたんだけど、アヤネはOKであたしやマキ、アイラさんはダメってなったのよね。

 アヤネは単純に可愛いけど、他はエッチだからダメだって。それは勘違いだと思うのよね。ショウタ君の前だからそうなってるだけで、そうでなければきっと普通よ。まあ、そう言っても全然聞く耳持ってくれなかったけど。

 ちなみにアイラさんは、アヤネをカメラに収める役をこなし、後方腕組み姉面をしてアヤネの可愛さに満足しつつ、更には規約で禁止にした動画や写真撮影をこっそり行う人に威力を落とした水玉と雷撃を飛ばして電子機器のみを破壊している。事前説明もしてるし、会場のあちこちに注意書きはしてあるけど、どうしたって現れるのよねー。

 さーて、ショウタ君の活躍を報告しつつ、『大阪城前ダンジョン』の情報はデマじゃない事を改めて宣伝しておきましょうか!


読者の皆様へ


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