無料ガチャ011回目:婚約者会議1【閑話】
ローファン四半期1位獲得の為、今日は3話です(1/3)
その後、『ホブゴブリン』の強化体の話で盛り上がった後、ショウタはあてがわれたホテルへと向かい、4人は買い物を済ませて姉妹の部屋へと集まっていた。
アキとアヤネはテーブルについて昔話に花を咲かせ、マキとアイラは台所で夕食について話し込んでいた。
「先輩達のお部屋、寮の時と同じ雰囲気ですわね」
「そういえば、学校の時も遊びに来てたわねー」
「懐かしいですわ。あの時は、先輩達とこんな関係になるなんて思っていなかったです」
「そんなの、誰が想像出来るってのよ」
そこへ、マキが輪に加わった。
「あ、マキ。ご飯は結局どうなったの?」
「『夕食は私が作りますから、奥方様は話し合いを優先してください』って言われちゃった」
「奥方……。良い響きね」
「そうですわね!」
「……じゃ、早速だけどアヤネ。ショウタ君について、いくつか共有する事。それから決めておかないといけないことがあるわ。だから、順番に話していくわね」
アヤネはごくりと唾を飲んだ。
アキはついさっき買ったばかりの、ミニサイズのホワイトボードを取り出して、箇条書きに議題内容を書き込む。
1:ショウタ君の簡単取扱説明書
2:ショウタ君の好きな事、嫌いな事
3:今後の注意点
4:席順
5:マイホーム
6:今後の装備
7:アイラさんの契約について
「まず1番ね。アヤネは今日会ったばかりだから、ショウタ君について知らないことだらけだろうから、教えてあげるわ」
「お願いしますわ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「以上よ」
「勉強になりますわ」
アヤネは必死にメモを取って覚えようとしていた。
「次に好き嫌いだけど……アヤネ。あんた、結構危ないことしてたわよ。自覚ある?」
「お、追いかけてたことでしょうか?」
「惜しいわ。昔ね、『アンラッキーホール』でも似たようなことがあったのよ。一時ニュースにもなったけど、知ってるかしら? 『鑑定Lv4』持ちの冒険者が彼を執拗に追いかけまわして、『スライムハンター』は最弱って動画を撮って、面白おかしく広めたのよ」
「……それって、迷惑系配信者って連中ですの?」
「そ、たまに現れるのよね。その度に免許剥奪とかブタ箱行きとか、規定ポイントタダ働きとか。重めの処罰加えてるんだけど、馬鹿はどこにでも現れるのよねー。ただ、『鑑定Lv4』は貴重だし簡単に悪用出来ちゃうから、取り扱いが面倒だけど」
「許せませんわね」
「その連中は、姉さんがやっつけてくれたんだよね?」
「もちろん。あたしの方が強かったからねー。抵抗してきたけど、全員蹴り飛ばしてやったわ」
「「おおー」」
2人から拍手をもらって、アキは鼻を伸ばした。
「まあそんなことあったら、普通は傷つくと思うんだけど……ショウタ君、まるで気にも止めてなくてね。いつも通りスライムを狩り続けてた訳。けど、相手にされない事が気に食わなかったのか、そいつら逆切れして、ショウタ君の行く手を遮ったのよ。その時ね、ショウタ君がブチ切れたのは。あたしが現場を抑えたのはまさにその瞬間だったから、傷害事件にはならなかったけど、危なかったわ~」
「怒ってる旦那様。……想像がつかないですわね」
「普段は、何を言われてもノーダメージって顔してるけどね。でも、ダンジョンでの調査を邪魔される事だけは、本気で嫌がるのよ。だからアヤネが、もし彼に同行ではなく、行く手を遮ろうとしてたら、その時は取り返しがつかないくらい嫌われてたわね」
「で、では。朝、喫茶店にお呼びしたのは……」
「話が終わっても解放してなかったら、同じ事になってたかもしれないわ」
「はわわ……危なかったですわ」
落ち込むアヤネに、マキは手を添えた。
「アヤネちゃん、ショウタさんの好きな物は調べてるのよね?」
「は、はいですわ!」
「ショウタさんが気にしていないとしても、悪い事したんだから、ちゃんと謝るのよ。良いわね?」
「そうですわね、旦那様にはきちんと謝りますわ! 朝一、美味しいパン屋さんに並んで、甘いものを買ってきますわ!」
「あ。あたし達の分もよろしくー」
「お任せくださいですわ!」
その後、付近のお店情報を共有し合い、ショウタが好みそうなものをいくつかピックアップしていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「じゃ、次に今後についてね。ショウタ君と付き合う事になって安心しちゃってたけど、アヤネの件がある以上、次が無いとは言えないわ。油断しないようにしなきゃ」
「そうね。明日はランクアップ授与式を行って、そこからお付き合いしてることも発表して、牽制は大事よね。アヤネちゃんも、ダンジョン内で女性冒険者が近付いてきたら、ちゃんとガードしてね?」
「旦那様の貞操はお守りしますわ!」
これ以上増えたりしないように3人は目を光らせる事を誓い合った。
「皆さま、お食事の用意が出来ました」
そうして夕食を取りながら、いくつもの議題を消化していく。
4:席順については、ローテーションで交代制となり。
5:マイホームについては5人で住める大きめ一軒家を取り決め。
6:今後のショウタの装備については『お願い』経由で他ダンジョンより、上級ダンジョン級の装備を融通してもらうことで話がまとまっていく。
「あ、そうでしたわ。今日旦那様が、初心者の冒険者さんのピンチを、颯爽と助けたのですわ」
「あ、第一層の問題児よね? やっぱりあれって、ショウタ君だったんだ」
「もうアヤネちゃん、どうしてもっと早く教えてくれなかったの。ショウタさんをいっぱい褒めてあげたかったのに……」
「まあまあ、明日褒めてあげれば良いじゃない。話すことがいっぱいあったんだし仕方がないわ。ところでその冒険者、男だった? 女だった?」
「男性でしたわ」
「ならセーフ!」
「もう、姉さんったら。でも、その辺りも気を付けないとね……」
3人が頷きあった所で、この後に控えている一番大事な話を決める事にした。
「それじゃ、アイラさんの契約の件だけど~」
そうして、アヤネの母という強敵を相手にする準備を、彼女達は整えるのだった。
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