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ガチャ754回目:秘密の打ち明け

 海上を好き勝手に遊泳していた集団は全て煙と化し、いくつかの煙が噴き上がった。


「見える範囲に敵影無し」

「よし、これで綺麗になったわね!」

「お2人とも、素晴らしい弓さばきでしたっ」

「勇者様は相変わらず凄いですけど、シャルさんも流石ですねー」

「いやー、はは。ほんの少し前までなら、弓の腕前は誰にも負けない自信はあったんだけどね。イズミは扱い始めたばかりだったこともあって、まだ私ほどじゃなかったけど、ショウタの腕前は本物ね。ホントに最近扱い始めたばかりなの?」

「んー……。まあ『上級ダンジョン』で矢筒要らずの魔導弓をゲットしてからだから、まだ半年も経ってないかな。いや、もうちょっとで半年になるか……?」


 3人から熱い視線を感じる。


「短期間でこんな風に洗練させられるなんて、元々戦闘センスがずば抜けていたのかもしれないわね」

「ですねっ!」

「い、いや。それもこれも全部スキルとステータスのおかげだと思うけどね」

「ここで謙遜なされる主様、やっぱり素敵です」


 うんうんと2人も同意するように頷いた。

 いや、誉め殺しされてるなコレは。てか、多分今このタイミングで調子に乗ったとしてもこの3人からは持ち上げられていた気がするし、どっちにしろな気がするんだよな。

 どうしたものかと視線を動かせば、海辺でアイテム回収に勤しんでいたクリスが戻って来ていた。


「ショウタ様、集め終わりましたわ」

「ああ。ご苦労様、クリス」


 やっぱり水関係の場所ではクリスの能力は輝くな。と言っても、やらせてることはただのアイテム回収がかりなんだが。


「悪いな、こんな役回りさせて」

「お気になさらないでください。この仕事ができるのはわたくしだけですから」


 まあクリスがいなかったら、アイテム回収を楽にするために連中を全部浜辺におびき寄せてから殲滅という2度手間がかかるかたちになってたよな。それでも、砂に埋もれたアイテムの回収は手間ではあっただろうから、本当に楽をさせて貰っている。


「ショウタ様、海の振動を感知するに、目視可能な範囲には敵はいなさそうですね」

「ああ。『知覚強化』でも見れないから、この辺り一帯の敵は殲滅できたかな」

「勇者様、あそこで薄っすらと昇っているのがレアモンスターの煙ですか?」


 マリーが一番手前にある煙を指差して尋ねて来た。マリーは聞いたところによると『運』10らしいのだが、それでも見えるって事はここのレアは確率が優しめらしいな。数だけは多いからかな?


「ああ、それであってる。他の皆もあれは見えてる? ……そっか。じゃあ、アレとアレとアレも?」


 順番にレアモンスターの煙を指せば、一応全員が見えているようだった。ただまあ、『運』が低いとその分煙の視認性も悪くなるから、距離が離れるほどどんどん見えなくなるみたいで、一番遠い煙はテレサとクリスはちょっと苦労してたが。

 そうして待つ事数分。煙は膨張し、中から何かが生まれ落ち、海中へと沈んだ。そして勢いよくこちらへと泳いできて、同時に上陸を果たす。


『UUM!』

『UUUM!』


*****

名前:ブルーマーマン

レベル:50

腕力:450

器用:400

頑丈:250

俊敏:450

魔力:300

知力:500

運:なし


(ブースト)スキル】剛力、怪力

(パッシブ)スキル】槍術Lv1、水泳Lv1


装備:魚人の槍

ドロップ:魚人の血石

魔石:大

*****


「うーん、弱い」

「以前のスタンピードで出現した『マーマン』よりも、更に弱いですわね」

「勇者様と行った『豊穣ダンジョン』のレアモンスターはもっと強かったですけど、本当にこのダンジョンはレベルが低いんですね~」

「ここが以前のスタンピード事件で、対象に選ばれなかった理由もわかる気がします」


 テレサの言うように、ここは1097や1099より日本に近くて、水生生物が出現するダンジョンではあるけど、こんなレベルじゃな。スタンピードを引き起こしても賑やかし要員にしかならないと判断して、連中もここはノータッチだったんだろう。


「ショウタ、もう昨日みたいにやっちゃう?」

「そうだな。弓を使うまでも無いか」


『ドゴンッ!』


 そうして4つの泥団子を同時に投擲し、青色の『マーマン』は特に何もできずに煙へと還った。レベルは54から56へ上昇。

 そうして次に出てきたのは――。


*****

名前:コバルトマーマン

レベル:60

腕力:550

器用:500

頑丈:350

俊敏:550

魔力:400

知力:600

運:なし


(ブースト)スキル】剛力、怪力

(パッシブ)スキル】槍術Lv1、水泳Lv2


装備:魚人の槍

ドロップ:魚人の血石

魔石:大

*****


「おっ!?」


 青からコバルトが来るって事は、この先は……。


「ショウタ、何かいいことあった?」

「このモンスターが、勇者様のお眼鏡にかなったのでしょうか? 私にはよくわからないですけど……」

「珍しいスキルを持っている訳でもなさそうですが……」

「ショウタ様、どうされますか?」

「んー……そうだな。丁度良いし、俺がスキルを入手した経緯から話をしようか」

「「「「!!」」」」


 そうして俺は色が変わって行く『マーマン』の同時討伐を繰り返しながら、『アンラッキーホール』の秘密を語り始めた。

 予想通り『マーマン』はブルー、コバルト、グリーン、レッド、パープル、ホワイト、ブラックへと色が変わって行き、だがそこで打ち止めとなった。面白いのは、グリーン以降の『マーマン』が特殊な鍵がドロップリストにあり、全ての討伐を終えた時にまとめてドロップしたことだった。

 入手したのは以下。

・緑のマーマンの鍵

・赤のマーマンの鍵

・紫のマーマンの鍵

・白のマーマンの鍵

・黒のマーマンの鍵


 数は全部4つずつあり、スライムみたく途中で煙同士が合体するような事も起きなかったが、恐らくだけどこの鍵は1個で十分事足りると思う。しかし、色変わりするシステムは『ハートダンジョン』の第五層でもあったよな。現状このシステムは『アンラッキーホール』を含めて3つ目だ。この仕様が搭載されたダンジョンが全部で3つしかない訳はないだろうし、700番台以降ではよくある話なのかもしれない。

 ちなみにレベルだが、青は50、コバルトが60だったように、その先も10ずつ上がって行きホワイトで100、ブラックで120となった。

 そんな奴らが4体も出て来てくれたのと、コバルトの段階で4体同時型に切り替えたおかげもあってか、レベルも順調に上昇し、複数回『充電』する事ができたのは僥倖だった。

 ちなみに内訳は、コバルト戦で56から68。グリーン戦で68から78。レッド戦で78から88。パープル戦で88から104。ホワイト戦で4から168。ブラック戦で68から188となった。


レベル:88

腕力:37793(+37702)

器用:37797(+37706)

頑丈:37781(+37690)

俊敏:37826(+37735)

魔力:38215(+38126)

知力:38131(+38042)

運:45054


『エネルギー残高 49/100』


 これでダンジョンボスじゃないってんだから、ちょっとボスに対して期待が高まって来たな。

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