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ガチャ069回目:デカすぎだろ

(1/2)

「旦那様、武技スキルを習得されたのですか?」

「ああ、どうやらそうらしい」

「おめでとうございますわ!」

「おめでとうございます」

「ありがと。早速、試し打ちしてみるかな」

「ご主人様。武技スキルは『魔力』を大幅に消費します。使い過ぎにはご注意くださいませ」

「そうなんだ? 情報ありがと」


 そうか、『炎魔法』や『元素魔法』の力を使うんだもんな。そりゃ持って行かれるか。

 ……ここまで成長したからこその悩みなんだけど、何発で気分が悪くなるのか試すのが面倒な域になって来たな。『魔力』441だろ? 通常のファイアーボールなんて150発近く撃たなきゃいけないし、『魔力回復Lv2』があるから確認するのがいちいち手間だ。

 どうにかして消費魔力を確認する手段が欲しい所だな……。


「『運』よ、何とかしてくれ……」

「旦那様?」

「いや、なんでもない。……『紅蓮剣』」


 そう唱えると、スキルの行使方法が頭に浮かんだ。

 ……なるほど、ファイアーボールを剣に重ねるように出すのか。


『ボッ!』


 そうイメージすると、剣に炎が纏わりついた。

 刀身に手を伸ばせば熱を感じるが、持ち手の部分までは熱量は届かないらしい。使い手が熱い思いしてたらやってられないもんな。


「わぁ……キラキラしていて綺麗ですわ!」


 とりあえず近場にいたゴブリンで試し切りした。どうやら、切り口は焼け焦げ、そのまま延焼させる能力があるらしい。剣の切れ味を持ったファイアーボールみたいなものだろうか。

 こりゃまた便利な能力だ。


 そして使用してから10分ほどで炎は消え去った。

 問題の刀身だが、どうやら熱にやられてダメになることもないらしい。よく見えなかったが、実際は刀身の外側に発生しているんだろうか? まあ何にせよ、純粋な攻撃力が上がったと見て良いだろう。


「使い心地は上々。二本とも同時発動もできるようだし、当たりスキルだな」

「おめでとうございます、ご主人様」

「旦那様がより一層強くなって、わたくしも鼻高々ですわ!」

「ああ。それじゃ、ラスト100匹。狩りにいきますか」

「はいですわ!」



◇◇◇◇◇◇◇◇



「これで99っと」


 100匹を目前に、俺は連れ歩いていた彼女達を見た。アヤネには多少の疲労が見えるが、アイラは変わらずの無表情だ。俺ですらちょっと疲れたかなと感じてるのに。


「2人とも、これからレアモンスターが出るけど、通常とは違う可能性がある。気を引き締めておいてくれ」

「存じておりますわ。強化体、と言う物ですわね?」

「うん。……ちなみに、どこで知ったのか教えてもらえる?」

「会議を聞いてましたの!」

「君の親は支部長か何かなの?」

「はいですわ。こっそり聞いてましたの!」


 姉妹とは家の関係で知り合いって話だったし、それなら知っていてもおかしくは無いのか。それに、マキも支部長じゃないのに参加してるから、割と信頼のおける家族なら、気軽に参加できるのかもしれない。

 昼食時に聞いた、例のお願いのせいで、会議は半端なところで中断されたとは聞いていたけど……。要件だけは伝えれていたのかな?


「とりあえず俺が率先して行くけど、必要と判断したら支援して欲しい」

「その判断はわたくし達でして宜しいんですの?」

「ああ。もうそのくらいには信頼してる」


 そう言うとアヤネはパァっと顔を明るくした。アイラは即座に頭を下げたから表情は読み取れなかったけど。


「それじゃ行くよ」


 角の近くで100匹目を討伐。するといつもの様に最寄りの角へと煙が進むが、その速度はいつもの倍近く速かった。

 どうやら強化体は即沸きするらしいな。『黄金蟲』の時も、距離が離れていたとはいえ速度が尋常じゃなかった。


 角に到着した煙はすぐさま膨張し、煙の中から実体を持った存在が現れる。

 だが、その姿は遠目からでもハッキリと異質さが伝わってきた。


「なあ。あれ、デカくない?」

「大きいですわね。3メートルくらいはあるのではありませんこと?」

「お嬢様の推察通りかと。武器も鎧も、奴の体躯に合わせて巨大化しております」

「『鑑定』」


*****

名前:ホブゴブリン

レベル:30

腕力:300

器用:200

頑丈:280

俊敏:150

魔力:500

知力:40

運:なし


装備:魔鉄の大剣、魔鉄の全身鎧

スキル:怪力Ⅱ、限界突破

ドロップ:ランダムな魔鉄装備、ホブゴブリンのトロフィー

魔石:大

*****


 『黄金蟲』の時はサイズアップしなかったのに、こっちは随分と違うんだな。


「……なるほど、これは苦労しそうだ。2人とも、手伝ってくれ」

「はいですわ!」

「お任せください」

「行くぞ、『紅蓮剣』、『迅速Ⅱ』!」


 抜剣し、両方に炎を纏わせた俺が吶喊する。

 その距離が半分ほどに縮まったころ、奴はようやく俺を視界に捉えた。


『グオオオオオッ!!』


 デカくなった分、叫び声も5割増しだ。


「うるせえな!」


 顔をしかめつつ切りかかろうとするが、その巨体だ。目の前には巨大な『魔鉄』製の鎧。一見攻撃するところは無いように思える。だが、デカくなった分、繋ぎ目はしっかりと見えている。


「おらっ!」


 ズパッ!


 『ホブゴブリン』の脇腹を切り裂くと同時に焼く。どうやら『紅蓮剣』は、『魔鉄』の上からでもある程度の効果があるらしい。


『グオオオッ!?』

「さっきから喧しいですわ! ビッグファイアーボール!」


 『炎魔法Lv3』から扱える、超巨大な炎の球が放たれた。球の直径はアヤネの身長と同じくらいの巨大さで、魔力消費も30と重い。

 そんな球が『ホブゴブリン』の顔面に直撃した。


『グオアアァッッ!!』


 武器を取り落とし、『ホブゴブリン』は必死になって爆炎に飲まれた顔を庇う。


「隙ありですね」


 姿を隠していたアイラが奴の背後に現れ、両足のアキレス健を刺し貫く。それにより、自重を支えられなくなった『ホブゴブリン』は膝を付き、丁度良い所に奴の首筋がやって来た。


「旦那様!」

「ご主人様」

「ああ! 『怪力Ⅲ』『金剛力Ⅱ』!! おりゃっ!!」


 2本の剣をハサミに見立て、挟み込むようにしてぶった切る。剣閃だけでは奴の首を断つことは叶わなかったが、追加効果の爆炎で、奴の首から上が空高く吹き飛んだ。

 『ホブゴブリン』の巨大な頭は、残された胴体と同じく、煙となって霧散した。


「ふぅー……」


【ホブゴブリンのトロフィーを獲得しました】


【レベルアップ】

【レベルが5から46に上昇しました】


 はは、一気に40アップとか。低レベル補正掛かり過ぎだろ。

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