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ガチャ065回目:レアの先にあるモンスター

(1/2)

 俺が3年間の執念の末、『初心者ダンジョン』に進出して、如何にしてレアモンスターと連続で戦える素養を身に付けたのかを語った。


「そっか。そっかぁ……。大変だったんだね」

「うう、ショウタさんの努力が報われて、良かったです」


 アキは3年間、ほぼ変わらず俺の軌跡を見守って来たからこそ、思うこともあるんだろう。お姉さんぶって頭を撫でて来るが、その目は潤んでいた。

 そしてその話を間接的に聞いていたマキは、涙ぐんで喜んでくれていた。

 そんな彼女達の涙を指で拭う。


「2人共大袈裟だなぁ」

「そんなこと無いわよ……」

「うう、ショウタさん……」

「俺の為に泣いてくれてありがとう」


 あーもう。2人の反応が嬉しすぎる。

 もっと好きになっちゃうじゃん。


「……ん。じゃあショウタ君は、何匹もレアモンスターの先を見たからこそ、『黄金蟲』の時あんなに警戒していたのね」

「そういう事。ま、あんなに何匹も連続性のあるレアモンスターなんて、滅多にいないだろうけど」

「……ぐす、そうですね。そもそも、レアモンスターの次にレアモンスターが出たなんて情報はありませんでした。やはり、ショウタさんの仮説通り一定の『運』がないと、そもそも出現しないのではと思います」

「だったら良いんだけどね~。あと『ジェネラルゴブリン』は、まだ1回しか試せてないから、今の『運』で確定出現か、まだ確率なのか、それを見極める必要があるね」


 アキが何か思い出したかのように手を叩いた。


「あ、そうだ。『ジェネラルゴブリン』について、ショウタ君にちゃんと教えておかないと」

「あ、そうですね」

「ん?」


 他のダンジョンで出現報告があるとかかな?


「『ジェネラルゴブリン』だけど、実はこのダンジョンにいるのよ。通常のモンスターとして」

「えっ!? そうなの?」

「はい。流石にショウタさんが戦ったような手強い相手ではなくて、レベルもステータスもスキルも、全てが階層に適した普通のモンスターです。出現は第四層から第五層になります」

「そのモンスターのデータ、ある?」

「はい、こちらに」


*****

名前:ジェネラルゴブリン

レベル:14

腕力:80

器用:70

頑丈:80

俊敏:50

魔力:100

知力:25

運:なし


装備:鉄の長剣、鉄の全身鎧

スキル:剛力

ドロップ:ランダムな鉄装備

魔石:小

*****


 うわ、弱そう……。


「もう全部が型落ちって感じだね。いや、アイツがあらゆる面で順当に強くなってただけか。……あれ、通常モンスターなのに、スキルがあるの?」

「そうよ。なにもスキルはレアモンスターの特権じゃないわ。最弱のモンスター以外は、大体持ってたりするのよ」

「じゃあ俺が狩れば、山盛り出そうだね」

「そ、そうなるかもね……。山みたいに積み上がったスキルオーブかぁ……。えぐい光景になりそう」


 俺も想像してみたけど、いつもの魔石が全部スキルオーブに置き換わるのか?

 ……うーん、ドロップ率次第とは言え、ヤバイ光景だ。アイラがいなければ、地面に大量に転がす事になりそうだな。それはそれで大問題だろう。


「あ、ショウタさん。今日は第二層のマップを埋めるんですよね。これまで、丘陵地帯にいるウルフは見ましたか?」

「以前遠目にチラっと見たけど、ちょっと大きめの狼だったね」

「その様子だと、『鑑定』はされていないみたいですね」

「え? うん……。あ、もしかして」

「はい。ウルフは速度系の一次スキル、『俊足』を持っていますよ」

「マジか……」


 『迅速Ⅱ』と合わせれば、もっと早くなれるってこと!?


「あー、そうだったわ……」

「でもそのドロップ率は、魔石を100個得て1個出るかどうか、といった頻度みたいです。でも、ショウタさんなら……」

「魔石は『運』100で100%だと仮定してるから、『運』が800を超えている今、8%ドロップってとこかもね」


 というか、確率が小数点以下でもスキルオーブはドロップするんだな。となれば、レアモンスターとは別の計算式になっている可能性もある訳か。


「数値としては低いように見えるけど……ショウタ君なら何百匹と倒すんでしょ? 処分に困りそうだなぁ」

「そうなった時は、相談しよっか」

「そうね」

「そうしましょう……」


 あとは聞いておくことは無いだろうか……。うーん……。


 あ。


「そうだ、思い出した。『ジェネラルゴブリン』の事なんだけど、あいつ、目の前の俺を無視してアヤネを狙って走り出したんだよね。アレって、4層や5層でもそうなの?」

「あ、そうでした。これから3人で攻略するのなら、必要な情報でしたね。あのモンスターは弱い冒険者……特に後衛や女性を執拗に狙う事で有名なんです。1体なら問題ないんですが、あの階層ではほとんどの場合、配下にゴブリンを連れまわしているので、厄介なんですよね」

「へー……って、通常のゴブリンもいるの!?」

「はい。……ショウタさんが気にされているのは、100匹連続狩りの件ですね? どうなるんでしょうか……」

「確かにね。『ジェネラルゴブリン』だけ狙って、他はアイラさんに任せるとか?」

「気になるな……。アキの言う通りにしてみるのも良いし、まずはごちゃ混ぜにゴブリン種100匹を連続して……。いや、その前にマップの把握から始めるべきだろうな。それから……」


 4層への遠征を考え、思案に耽る。


「あは、また始まっちゃった」

「ふふ。あ、姉さん。そろそろいい時間ですし、お昼ご飯にしましょうか」

「そうだね、ちょっと早いけど、そうしよっか。……あれ? なんか忘れてない?」

「え? ……あ、アヤネちゃん!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 1回あのスライムダンジョンに潜ってみてはどうですか強化個体が出てくる可能背が合うかもしれません例えば、、、、、めっちゃ硬い超レア鉱物落とすスライムとか
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