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ガチャ204回目:蛇の邪眼

 反撃の時間。とは言ったものの、今のオロチには反撃する手段はほぼない。ジタバタもがく際に尻尾が俺の身体に巻き付いて締め上げようとするが……。多少の痛みはあれど、俺の『頑丈』を超えるほどのダメージはない。

 『水流操作』で俺の足元の泥水を動かして、足場を悪くし踏ん張りを効かなくする。奴に取れる手段は今のところそれだけのようだ。未知のスキルを1つ持っているようだが、どうにも使う様子が無い。それとも、もう使っているのか……? とにかく、無力化には成功した訳だし、皆に確認しよう。


「皆、一応動きは封じたけど、念のため近寄らないようにね」


 アキとマキは緊張した面持ちでゆっくり頷く。まあレベル45とは言え、二人を簡単に害せるステータスはしてるもんな。俺がついているとはいえ、油断しないでいてくれるのは助かる。


「アヤネ、カメラは」

「ばっちりですわ。ですが、抑え込むシーンから始まりましたからあまりいい画は撮れませんでしたわね」

「あー……そうかも。ところでさっきは助かったよ。どうしてすぐに気付けたんだ?」

「『麻痺』ですわね? それはもちろん、講習で習ったからですわ!」


 えへんと胸を張るアヤネ。

 こんな状況でなければ頭を撫でてやる所だが……。さて、こいつはどうするか。


「ご主人様。どのように『麻痺』したか覚えてますか?」

「こいつに睨まれたら、かな」

「なるほど、やはり『邪眼』持ちですか」

「『邪眼』?」


 なにその心躍る厨二ワード。


「眼を合わせると状態異常を付与してくる厄介な特性です。蛇型のモンスターには多く見られますね」

「ええ……? 知ってたんなら教えてよ」

「この程度でご主人様が死ぬとは思えませんでしたので」

「厚い信頼をどーも」

「それに、『邪眼』の中で『麻痺』はもっともポピュラーな術です。十中八九こうなると当たりはつけていましたし、こういうものは一度体験しないと警戒しづらいものです。ですので、不本意ながら黙っておくことにしました」


 アイラは多少早口で弁明を始めた。多分、後ろにいるアキとマキの視線に耐えられなかったんだろう。まあ、命の危険もないのであれば、多少のトラブルで貴重な学びが得られるのなら、それに越したことはないのだろうが……。

 まあ、アイラのこのちょっと危険な教育法は今に始まった事じゃないし、俺も慣れてる。ちゃんと俺の糧になっている以上文句はないな。


「言っとくけど、あたし達はちゃんと言おうとしたのよ?」

「そうです。ショウタさんが危険な目にあうのを、黙って見てなんて居られません!」

「でも、まさかショウタ君がいきなり突撃するとは思わなくて……」

「あ……。ご、ごめん」

「反省してください」

「はい……」


 そう言えば、アキは何か言おうとしてたんだっけ。

 どうにも、新種のレアモンスターの発見があると思うと、気が逸って仕方ないんだよな……。


「ところで、他に代表的な『邪眼』は何かあるのか?」

「『麻痺』の他ですと、ご主人様が既に耐性のある『スタン』『魅了』『眩暈』をよく聞きますね」


 よく聞く、ということは一般的じゃないものもあるのか。

 まあでも、それを気にし出したらキリがないからな。今はこのくらいで良いだろう。


「もう退治していいかな?」

「バッチリカメラに収めましたわ!」

「ステータスのメモ取りも完了してるわ」

「そんじゃ」


 俺は剣を振るいオロチの首を落とした。


「……ん?」


 だが、いつまで経っても『オロチ』は俺の身体を締め上げ続けているし、煙にもならない。

 むしろ、その力は強くなるばかりだ。


『シャアッ!』

「うおっ!?」

『ゴゴッ!』


 落としたはずの首が口を開け、飛び掛かって来る。俺は咄嗟に回避すると、代わりにエンキが奴の頭を掴み、地面に叩きつけてくれる。だが、それでも煙にならない。


「エンキ、助かったよ」

『ゴゴー』

「ご主人様、蛇の生命力を侮ってはいけません」

「いや、首を落としても死なないもんなのか!?」

「ショウタさん、モンスターでもない蛇ですら生命力が強いのです。レアモンスターとなった蛇が首程度で死ぬとは思えません」


 マジかよ。厄介だな。

 そういえば普通の雑魚モンスターはエンキが踏みつぶしてたよな。アレくらいしないとダメなんだろうか……。


「じゃあどうすれば?」

「ショウタ君。しぶとい蛇のモンスターは、まず頭を完全に潰すの。エンキが抑えてくれてるから、すぐに終わるわね」

「ですが旦那様。睨まれたらまた『麻痺』する可能性がありますから、潰れた頭でも目を合わせてはいけませんわ。わたくしもカバー致しますが、油断は厳禁ですのよ」

「うへー」


 蛇って想像以上に厄介なんだな。



◇◇◇◇◇◇◇◇



 その後、頭を『紅蓮剣』で黒焦げにしたり、巻き付いていた胴体を引き剥がして滅多切りにした。すると胴体のちょうど真ん中付近に、心臓と思われる器官を発見し、そこを突くことでようやく『オロチ』の身体は煙へと変化したのだった。


【レベルアップ】

【レベルが13から68に上昇しました】


「はぁー、生命力強すぎだろ……。外の蛇もこうなの?」

「流石にここまでじゃないわよ」

「『邪眼』の効果はほとんど映せませんでしたが、しぶとさは十分伝わると思いますわ」

「次からは首と脳、それから核となる部分を狙い撃ちしてみましょう」

「お疲れさまでした、ショウタさん」


 マキが冷やしたタオルで顔を拭ってくれる。ああ、気持ちいいな……。

 精神的に疲れたら膝枕してもらって、戦闘が終わればこんな風に労ってくれる。もうこれだけでついてきてくれたことに感謝しちゃうよ。


「ショウタ君、あたしの役割はー?」

「……えーっと、武術的な指導?」

「まあ、そうなるわよね。でもショウタ君、この階層でまともに戦ってないから口出しのしようが無いわよ。マップ埋めが大事なのもわかるけどさー」

「はは、ごめん。でも猪ゾーンは搦め手も少ないし視界も広いと思うから、真っ直ぐ戦えると思うんだよね」

「ぶー……」


 アキは変わらずむくれ続ける。まあ彼女も、俺が強化体と戦ってトロフィーを獲得したいということは把握してる。だから今日は猪に出番はなく、蛇オンリーになるだろうと理解してくれてるから、今日は出番がないと分かって拗ねてるのだ。

 どうしたものかな。


 そう思っていると、まだ数分しか経過してないはずなのに煙が膨張を始めた。


「もう次が来る。総員、戦闘態勢!」

「ご主人様、もうわかってると思いますが」

「ああ、目は見ない。だろ? 分かってるって」


 それにまた『麻痺』したとしてもアヤネが治してくれるだろ。俺は、そんな軽い気持ちで剣を抜いた。

 陣形としては俺が前に立ち、その横にエンキ。その後ろにいつでも動けるようアイラと、アヤネ。少し離れたところにアキとマキが並ぶ。

 煙は先ほどと同様に池の中央へと移動し、同じように何かを産み落とした。


「……人?」


 産み落とされたのは、髪の長い人間の女性のような容姿をしていて、目を疑った。だが、すぐにモンスターであることに気が付いた。

 上半身は裸の女性だが、髪は緑色でグニョグニョうねってるし、下半身は蛇のソレだったからだ。


*****

名前:ラミア

レベル:90

腕力:800

器用:800

頑丈:650

俊敏:700

魔力:1200

知力:1200

運:なし


装備:なし

スキル:風魔法Lv3、水魔法Lv4、土魔法Lv4、魔導の叡智、魔力回復Lv2

ドロップ:ラミアの髪、ラミアの抜け殻、ランダムボックス

魔石:特大

*****


「強敵だな……」


 俺はその強さに心が躍った。スライムに次ぐ高いレベルとステータスに、『黄金鳳蝶』と同じ魔法タイプ。更には駄目押しの『魅了』まで。普通のチームなら苦戦は間違いないだろう。


 だが、『真鑑定』の画面に集中しすぎて、俺は肝心な事を忘れていた。


「ご主人様!」

「……えっ?」


 ステータス画面越しに、『ラミア』と目が合ってしまっていたのだ。

 俺の意識は、そこで途絶えてしまった。

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― 新着の感想 ―
予習完璧で油断も隙もない主人公とか見てて面白いとも思えないからこれくらい抜けててもいいんじゃないかなと思う。急激なステータスやスキルの成長、好奇心に全力で振り回されてる状態だしね。
[気になる点] 今回の話はより顕著ですが、主人公が慢心しすぎてうんざりする。元は低ステータスで地道にやってたとは思えないくらい敵の情報も他人頼りだし、言ってしまえばガチャでステータスがアップしたことに…
[一言] “邪眼”系スキルですか、ラミアって諸説有りますが、イケメンを魅了してエロい事した後、血を吸う方ですかね? 上級ダンジョンの下層辺りに”石化”や”即死”や”細胞崩壊”等ののエゲツない奴が居そう…
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