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ガチャ011回目:第二層へ降り立つ

ローファンタジー日間ランキング1位の栄誉を賜ったので、今日も3話投稿です。(これは2話目)

 宣言通りマキさんと、そして羨望と嫉妬の視線からなる多数の冒険者達に見送られ、ダンジョンへと突入した。

 本当はすぐにでもガチャを回したいところではあったけど、協会内で回すのは躊躇われた。何故かはわからないが、危険な予感がしたからだ。


 改めて考えれば、支部長は盗み聞き対策が施されてるはずの会議室の会話を、どこからか聞いていたみたいだった。あの建物はどこに目があるかわからない。今後も、あの建物内ではガチャをしないようにしよう。


「さて、まずはあの行き止まりを目指すか」


 今はマキさんからのお見送りというイベントから、ダンジョン内でもやたらと注目を浴びてるので、追跡者が誰かは分からない。なのでジグザグに迷路を進みながら、『ホブゴブリン』が出現した例の行き止まりへと向かった。

 足を止めてる暇はない為、出会ったゴブリンは倒してもアイテム回収はせずに走り抜ける。マップから得た情報を元に、比較的モンスターの数が少ないルート選び、かつ出会い頭に即殺が難しいキラーラビットを回避した。それによりスムーズに到着することが出来た。


「追跡は……うん、それらしいのはいるけど、まだここまで辿り着けていないな」


 今の内だ。スキルを使用し「10回ガチャ」を押す。


『ジャララララ』


 出てきたのは赤色3つに、青色が7つ。流石に紫は、そんなにポンポン出ないよな。

 でもま、赤色が多い分にはありがたいな。なんだかんだで、赤色は毎回2個以上出て来てくれてるわけだし。


『R 腕力上昇+3』

『R 器用上昇+5』

『R 俊敏上昇+3』

『R 魔力上昇+3』

『R 魔力上昇+5』

『R 知力上昇+3』

『R 知力上昇+5』

『SR 器用上昇+15』

『SR 知力上昇+15』

『SR スキル:投擲Lv1』


*****

名前:天地 翔太

年齢:21

レベル:2

腕力:49(+43)

器用:51(+45)

頑丈:36(+30)

俊敏:53(+47)

魔力:37(+34)

知力:49(+45)

運:122


スキル:レベルガチャ、鑑定Lv2、鑑定妨害Lv2、自動マッピング、身体強化Lv2、投擲Lv1、炎魔法Lv1

*****


「『投擲』? 投げるスキル、だよな……。といっても、投げられるものなんて何も持ってないし」


『ギギッ』


「ん? ああ、ゴブリンか」


 いつものように切り伏せると、煙の向こうで金属音が聞こえた。

 単価は高いが、荷物になるちょっと困ったアイテムだ。


「……あ、これを使えば良いじゃん」


 俺はしばらく、付近で()()を補給してから、第二層へと向かった。



◇◇◇◇◇◇◇◇



「おおー、見事に平原だ」


 第一層の階段を降りると、そこは広大な平原だった。階段はマップの端にあるようで、横を向けばひたすらに岩壁のようなものが続いていた。上を見上げれば垂直に屹立していて、空も奥行きも、果てが見えない。

 マキさんの言う様に、この第二層は本当に広いようだ。


 協会で配布されているマップも、割と曖昧な記述しかない。さすがにこんな途方もなく広い階層で、正確に測量するのは難しいか。


 試しに『自動マッピング』のスキルを発動して見ると、第一層とは違って()()()()()()()()が書き込まれているようだ。それも立体的に。洞窟とはまた違うんだな。


「これはマッピングが捗りそうだけど、広さが分からない以上何とも言えないな……。とりあえず、壁沿いを行ってみるか」


 ここでもマップはしっかりと埋めておきたい俺は、四隅を特定するために壁沿いを進む事にした。


「平原の階層とは聞いていたけど、小川もあれば丘陵もある。剥き出しの岩場もあれば、森……というほどではないけど、木々が集まっている地帯がちらほら見える。なるほど、これは攻略するのにも骨が折れそうだ」


 端末を開いて、歩きながら第二層に出現するモンスターと、発見されたレアモンスターを確認する。


 1:ゴブリン。主に平原と林に出現傾向。『ホブゴブリン』の出現情報あり。

 2:キラーラビット。小川と林に出現傾向。レアモンスターの発見無し。

 3:ヒルズウルフ。群れで出現する2層の壁。丘陵地帯に出現傾向。レアモンスターの発見無し。

 4:ゴーレム。広い岩場に出現傾向。遠くからでの目視は非常に困難。レアモンスターの発見無し。


「4種類か。フィールドによって住み分けされているのはありがたいな。けど、見ている限り平原と小川の境界が解り辛いな。遠目に見えてるあの小川、ゴブリンとキラーラビットがほぼ横並びになってるし」


 連続討伐挑戦中だと、ああ言った集まりはかえって邪魔だな。

 けど、キラーラビットの分布数は多いようだ。明らかに第一層と比べて出現率が増している。視界内だけでも、既に何匹か捕捉出来ている。

 とりあえず、キラーラビットのレア枠から狙ってみるか。発見情報が無いって事は、それだけ出現確率がゴブリンよりも低いのかもしれないからな。


 けど、マップの状況的に、まだまだ周回場所になりそうな狩場の情報が欠落している。

 引き続き、このまま壁沿いに進んで層の角を目指そう。そこから手元のマップとで比較して、良さげなポイントを探して見ようかな。


 進路上に現れるゴブリンを倒しつつ、俺は平原を真っ直ぐに進み続けた。

読者の皆様へ


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 個人的な相談しても盗聴で聴かれるとか支部長やばすぎ、職場の会話も聴かれるなら職員はたまったもんじゃないですね。
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