ガチャ1135回目:新種のダンジョン
「ダンジョンが、動いているですって!?」
「え、うそ。見間違いじゃないわよね?」
「むむむ、これ以上の拡大ができないから、詳しく分からないわ……」
「動くダンジョンか。はは、面白くなって来たね!」
「ちょっとシュウ、不謹慎なこと言わないの!」
「そんなことは無いさ。ほらアヤカ、ショウタ君の顔を見てごらんよ」
「え? ああー……ホントだわ。あなた達、類友だったわね」
「ん?」
なんか呼ばれた気がするけど……。シュウさんかな?
「どうしました?」
「ショウタ君、動くダンジョンなんて驚異的だと思うかい?」
「そりゃあ、放っておけば脅威になるでしょうね。この地図がなかったら、動き続けるこのダンジョンを見つけられず、予定してない場所でスタンピードに遭遇してたかもしれないですし」
「確かにそうだね」
「けど、俺に見つかったのが運の尽きだ。最速で挑んでやりますよ」
「はは! 流石ショウタ君だね!」
シュウさんとハイタッチを交わしていると、他の冒険者達や、Sランクの先輩達も激励の言葉を送ってくれる。
「ショウタ殿、かの動くダンジョンは全貌がわからぬが、我々も必要であれば力を貸そう。いつでも呼んでくれたまえ」
「キョウシロウさん、ありがとうございます」
「そうだねぇ。おいら達の力が必要ならいつでも呼んでおくれよ~」
「ケイジさんも、ありがとうございます」
「勿論、俺にも声をかけてくれよな! ああそれと、竜の血がまた手に入ったんだがよ、必要なら分けるぜ?」
タツノリさん、最初にあった時は自分に特別な力はないとか謙遜してたけど、結構な頻度でドラゴン狩ってるんだよなぁ。普通に強いだろこの人。
にしても、レッドドラゴンの生き血かぁ。時折使ってはいるけど、水筒のおかげでなくなる心配は無いんだが、水筒は秘密だしなぁ。……まあ、水筒の話題は避けつつ正直に言うか。
「最近は、割となくても何とかなってるんで、大丈夫ですよ」
「マジかよ、この人数だぞ? ……これが若さか」
「夜の魔王の名は伊達じゃ無いということですね」
「ははっ! ちげえねえ!」
その呼称、割と内輪ネタだと思ってたんだが、九州で活動しているフウカさんですら知ってるのかよ。となると、全国区もワンチャンあるな。不名誉のような、栄誉のような……。
まあそれはさておくとしてだ。忙しく端末を操作しているサクヤさんを手招きする。
「サクヤさーん」
「あら、なあに?」
「俺にしばらく家にいてほしいって言ってたのは、これが狙いだったんですか?」
「ううーん、ここまでの事になるとは思ってなかったわ。だからどちらかと言うと、誕生日をお祝いしたい気持ちの方が大きかったわね」
「なるほど」
「ただ、ショウ君の事だから、ダンジョン攻略中に新規のダンジョンが100個も増えていたと後で知ったらショックを受けるだろうなとも思ったのよ」
「あー……。そうかもしれないですね」
流石サクヤさん。よく分かってる。
「じゃあ今からアメリカに掛け合ってくるわね」
「アメリカに?」
「ええ。動いてるってことは、何かしら目に見えてわかる存在だと思うの。だから、アメリカに衛星を借りようかと思ってね。日本にも衛星はあるけど、それだけじゃ世界はカバーできないでしょうし……」
「おおー」
たしかに動いている以上、宇宙から観測できるかもしれないのか。その発想は無かったな。
「んじゃ、することもなくなったし……パーティを再開するか」
「呑気ねー。世界はそれどころじゃなさそうなのに」
アキは呆れた様子だったが、その手にあるグラスはツッコミ待ちか?
「別に慌てる必要はないだろ。新たに出現したダンジョンは、階層型スタンピードのタイプがいくつか混じっているようだけど、結局どれも入らなきゃほとんど起動しないんだしな」
「では勇者様、シラフやめても良いですか!?」
「良いぞ」
「えへへー、やりましたねアキさん! 飲みましょう!」
「ふふ、そうねー♪」
やっぱりツッコミ待ちだったかも。まあいいか。
「もう、姉さんったら。では、片付けた料理もまた並べ直していきますね」
「マキ先輩、手伝うよー☆」
「あたしもー」
「では私は庭の会場の確認をしてきますね」
「わたくしも行きますわ。狐族の子達が心配ですし」
『ふふ、この数ヶ月で私もあの子達も、地震には慣れたはずですよ』
「あー、日本に住んでたらそうなるわよねー」
「確かに、私もいつの間にか慣れてしまいました。初めの頃は、冒険者でもないレベル1の一般の方々が平然としていたのには驚きましたね」
「よーし、飲み直しだ! せっかくの祝いの日だし、呑まなきゃ勿体ねえよな!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
そうして再び盛り上がるパーティを盛大に楽しんだ後、客達が帰路に着く。夜もすっかり更け、片付けが終わったリビングではうちの家族皆が集まっていた。議題は勿論新たなダンジョンについてだが、今はサクヤさんが集めた情報を整理してくれている段階であり、発表されるその時まで皆伸び伸びとした時間を過ごしていた。
まあ、ミキ義母さんだけは情報確認のためにも残り続けていたが。
「お母さんも泊まってくー?」
「泊まらないわよ。アマチ君、あとで『バトルアリーナ』との秘密ゲートを借りるわね」
「オッケーです」
そんな風にのんびりと待っていると、部屋着に着替えたサクヤさんが早足でパタパタとやって来た。
「皆、お待たせ。待たせちゃったかしら」
「そんな事よりサクヤ、集まった情報の確度はどの程度?」
「ふふ。今回はショウ君のこともあって、策謀も駆け引きも一切なし。純度100%の情報よ」
「そ。流石ね」
そうしてサクヤさんは端末を胸に抱きながら俺の前に立ち、妖艶な微笑みを向けてくる。
「それでショウ君。何から聞きたい?」
「じゃあ……動いている理由から」
いきなりの核心だが、皆気になってるところだし俺のやる気にも直結する大事なところだ。一体何が原因でダンジョンが動いているのか。
「ふふ、そうね。今回のダンジョンは……」
物事はスパスパと言ってくれるサクヤさんが、珍しく言葉を溜めている。その様子に、何人もの嫁達が息を飲んだ。
さあ、何がくる?
「実は驚く事に、空に浮かんでいるのよ」
『!!?』
そう来たか!!
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