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ガチャ1091回目:群体クラゲ

 クリスの作った氷のフィールドに降り立つと、クラゲは全ての触手を使って攻撃を仕掛けてきた。雑魚クラゲの本能的な迎撃ではなく、生物として本気で排除するための攻撃だった。触手もまた直線的な攻撃ではなく、自身のスキルを十全に使い、射程を無限に伸ばして上下や前後左右、多角的な面制圧を仕掛けてきたのだ。


「まあ、それくらいはしてもらわないとな」


 『知力』は一応50あるんだし?

 そんな事を考えながら、取り囲んでくる触手を斬り捨てる。所詮は水で作り上げた紛い物の触手だ。『クラーケン』のそれとは比べるまでもなく柔らかかった。


「おっ」


 だが、能力で作り上げた触手である以上、当然ダメージなどあるわけもなく、怯む様子もない。また、元が水であるため切断されてもすぐに再利用をし、からの再攻撃に至る速度は『クラーケン』の『再生』と比べれば目を見張るほどの違いがあった。

 多少のタイムラグはあるものの、ほんの一瞬にして千切れた部分が再接続され、攻撃を再開してきた。


「よっと」


 頭上の触手だけ再度切り捨て、咄嗟に飛び上がることで包囲攻撃を回避する。

 斬り捨てたと思ったらそのまま攻撃してくるってのは第四層でも経験したばかりだが、ここでもそうだったか。思えば、雑魚も似たような能力を持ってたし、ちゃんと戦ってたら同じようなことをしてきたのかもな。再生速度はここまで早くはないだろうけど。


「面白くはあるが、いかんせん攻撃の威力も速度も、数も足りないな」


 俺が初めて『クラーケン』と戦った時であれば、コイツとの戦いも楽しめたんだろうけど……。


「今となっては力不足だな」


 空中で回転し、足場作製からの跳躍で一気に距離を詰め、がら空きとなった本体を叩き斬る。


『斬ッ!』


【レベルアップ】

【レベルが13から144に上昇しました】


 触手ならノーダメージだったけど、本体は普通にただのスライムだったな。それに触手の操作能力に重きを置いたスキル構成だったからか、本体があまりにも脆すぎた。本体の強さあってこその触手だろうに、なんとも勿体無い。うちのイリスやセレンを見習って欲しいものだ。

 さて、煙はちゃんと出続けてるしアイテムに変わる様子もない。このまま嫁達のところに行って時間を潰すか。



◇◇◇◇◇◇◇◇



 昨日のレアもそうだが、今日の魚のレアでも油断ならないタイプの敵が出てきた影響か、嫁達は俺が戻ってきても油断しないよう煙に注意を向け続けていた。そのため、俺とイチャ付く余裕はなさそうだった。


『キュー♪』

「よしよし」


 そんな中、ペット組はそれなりに余裕があったが、その中でも一際空気が読めていないルミナスは全力で俺に甘えにきていた。ペットの矜持と言うべきか、ルミナスはいつだって甘える事に全力投球だよな。可愛いから良いけど。


『マスター様……♡』

『えへへ、おにいさーん♡』


 キュビラとリリスもルミナスに負けじと甘えてくる。2人の事だから、たとえ何がきても問題ないと思ってるんだろう。信頼には応えないとな。

 アズは珍しく甘えにきてはいないし、煙を注視しているためこちらに背を向けている状態だったが、尻尾の様子からしてご機嫌そうである。そして他の嫁達はアズの近くでスタンバっているが、俺たちの空気感というか、ルミナスの甘え声にやられたのか、数分前に比べればある程度緊張はほぐれたらしいな。

 警戒するのは良いけど、ある程度余裕を持つべきだからな。


『マスター、そろそろ良い時間よ』

「おう」


 アズの声に反応してルミナスは氷から転がり落ちて、海の中からひょっこりと顔を出した。


『キュッ、キュー!』

「おう、頑張ってくるなー」


 さーて、今回はどう進化するかな。

 並び立つ彼女達の前に出たタイミングで、煙に変化が生じた。一気に膨れ上がった煙からは明確な『個』と、異常なまでの『群』を感じた。


「お? なんだなんだ?」


 今までにない気配に全力で集中していると、中から無数の存在がボタボタと零れ落ちて来た。


「マジかこいつら」


*****

名前:スライムゼリーファミリア

レベル:200

腕力:2400

器用:2400

頑丈:2400

俊敏:2400

魔力:2400

知力:240

運:なし


(パッシブ)スキル】物理耐性Ⅴ、魔法耐性Ⅴ、斬撃耐性LvMAX、貫通耐性LvMAX、打撃耐性LvMAX、弁天術LvMAX、水泳LvMAX

PB(パッシブブースト)スキル】統率Ⅲ、破壊の叡智Ⅴ

(アーツ)スキル】毒生成Ⅴ、麻痺毒生成Ⅴ、毒抗体Ⅴ

★【(エクス)スキル】液体還元Ⅴ、伸縮自在Ⅴ、群体召喚Ⅲ、群体指揮


装備:なし

ドロップ:スライムゼリーファミリアの身

魔煌石:中

*****


 ファミリアの名の通り、出て来た連中は複数だった。それも、通常雑魚であるはずのコバルトスライムゼリーが3体、レアであるはずの『スパイラルスライムゼリー』が2体。そして一番後方にいる『スライムゼリーファミリア』だ。

 雑魚はコバルトブルー、レアはブルー、レアⅡはグリーンだから見分けがつきやすいが、まさか出現と同時に眷属が付いてくるとはな。今まで見た雑魚を召喚してくるタイプとはまるで異なるな。

 レアⅡはレアよりも本体のサイズは一回り小さいが、触手の数が2倍近くあるし、能力の関係上射程も無制限だろうから、この際高さはどうでもいいな。


「中々面白いのが来るじゃないか」


 レアの触手程度じゃ数は足りないと思っていたが……これはちょっと多すぎるかもしれないな。攻撃は全部触手だろうから、遠距離手段が無いのが救いではあるが……レアⅡの能力的に、雑魚は際限なく召喚されそうではあるし、それなりに楽しくなりそうだ。 

12/15よりコミカライズ2巻が発売されました

https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=188675392

よろしくお願いしまーす!!

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