ガチャ1089回目:示される目的地
「おらっ!」
『ガィン!』
お、鱗の硬度がガクンと落ちたな! つまり、奴が鱗を乱射し始めてから3分経過したという事だ。
ブースト系のスキルはどんなにスキルレベルを上げたとしても、効果や再使用時間に変化はあれど効果時間は3分のまま一切変動しないからな。この切れ目を待っていたんだ。
「終わりだ、『閃撃・剛Ⅳ』!」
『斬ッ!!』
【レベルアップ】
【レベルが12から335に上昇しました】
飛ぶ斬撃は、再び放とうとしていた鱗ごと『ヘル・スケイル』の身体を両断した。決着はついたが、2回目と6回目の爆発の時に数発ずつ被弾してしまったのがいただけないな。油断はしてたがすぐに切り替えれたし、これはただの練度不足だろうな。ブーストなしでも切り抜けられるように鍛えていかなきゃだ。
奴が煙となって消えていくと、周辺の海底に散らばり黒いオーラを放ち続けていた鱗もまた同様に消えて行った。
ああ良かった、これが残り続けたらどうしようかと思ったところだ。もしもあれが残り続けて海が汚染され定着してしまったらと思うと……。うん、生態系変わりそうだよな。
環境変化は望むところではあるんだが、問題はここがダンジョンの稼ぎ場であるという点だ。いくら俺がSランクで、このダンジョンのスタンピードを止めるために動いてるとしても、それを潰して良いはずがない。
多少気になりはするが、ここは我慢すべきだろう。
「ショウタ様、もし宜しければ許可をもらいましょうか? 今なら電波塔も設置済みですから、すぐにでもこの階層にいる者達にも連絡はつきますわ」
「いや、いいよ。そこまでしなくて」
「そうですか?」
「それに、今のやつが再び湧く保証はないしな」
『ヘル・スケイル』の煙はドロップアイテムを残して完全に消え去った。どうやら、今ので最後だったらしい。そして、ちゃんと宝箱も出してくれたようだ。
名前:青の宝箱【ヘル・スケイル】Lv――
品格:≪遺産≫レガシー
種別:モンスタードロップ
説明:190ダンジョンでのみ出現する特殊な宝箱。
★特殊なモンスター枠のためレベルは存在しない。
お、出た出た。そしてこれが出るという事は……。
名前:知恵の欠片
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種類:秘宝
説明:全てを集めた者には大きな知恵の一部が与えられる。
出るよな、これが。
「ん。5つ目?」
「だな。これで完成すると良いんだが……」
欠片を器に近付けると、今までのように欠片が光の断片となって吸い込まれて行ったが……。それだけだった。
名前:知恵の器 No.190
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種類:秘宝
説明:知恵の欠片を収めるべき専用の器。ダンジョンNo.190内の知恵の欠片しか受け付けない。全てを集めた者には大きな知恵の一部が与えられる。
★5つの知恵の欠片が入っている。
「まだ足りないらしい」
「どこかで逃しちゃったとか?」
「この階層にまだいるのではないでしょうか」
「第三層では器ドロップ1体に、欠片ドロップも2体いましたもんね」
欠片もレベル無し宝箱も輩出していない第一層が怪しいところだが、今までの流れから見てもこの階層にもう1個あっても全然不思議じゃないからな。まず調査すべきはこちらだろう。
「となれば、期待すべきは例のスライムか」
「ふふ、そうなりますわね」
「今から楽しみでならないが、その前にメダルだ。このまま雑魚を蹴散らしつつ、モンスターの境界線付近で『アケロン』狩りをしようか。アズとリリスはそのまま続けてくれ」
『オッケー!』
『はいですっ!』
「3枚は欲しいから、もう1人動いて欲しいんだが……次は誰がやる?」
『キュ~!』
いち早く手を挙げたのはルミナスだった。
そういや、まだここの雑魚を食べてはいなかったな。
「分かった。食べても良いけど、食べきれなかった分はちゃんと持ち帰るようにするんだぞ?」
『キュキュ~♪』
「クリス、ついてってやってくれるか?」
「お任せください」
高速で水中を移動するルミナスの動きについて行けるのはクリスくらいだからな。
そうして、俺達は大瀑布のある方角へと進み始めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
【レベルアップ】
【レベルが135から213に上昇しました】
予定通り『アケロン』3体を斬り捨てると、連中の煙はしばらくその場に残り続けたが、数分経過する頃には霧散してしまったた。やっぱりどの階層でも知恵の欠片持ちが1度討伐された後は、しばらく出現しない仕組みになってると見て間違いなさそうだな。
んじゃ、宝箱のチェックをするか。
名前:青の宝箱【フィッシュⅡ】Lv5
品格:≪最高≫エピック
種別:モンスタードロップ
説明:190ダンジョンでのみ出現する特殊な宝箱。
★最高位の報酬しか入っていない最高レベルの宝箱。
『フィッシュⅡ』と来たか。そして中身は3つとも……。
名前:メダル【フィッシⅡ】
品格:≪最高≫エピック
種類:トリガーアイテム
説明:アケロンを討伐した証。
★しかるべき場所に奉納することで道が開ける。
うん、問題なしと。
「んじゃ、こいつはどこを指してるかなっと!」
水を蹴って海面へと上がり、改めて『解析の魔眼』で視る。すると、その魔力が示す先は明らかに海面より上……大瀑布の方を指し示していた。
目的地は大瀑布の内部。もしくは、その上か。
「やっぱり、行く方法があるみたいだな。待ってろよ大瀑布!」
くぅー、ワクワクして来たぞ!
12/15よりコミカライズ2巻が発売されました
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よろしくお願いしまーす!!










