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ガチャ1088回目:鱗爆弾

 先ほどのこともあり、俺達は少し過剰気味に警戒をしつつ様子を見ることにした。当然その間も雑魚はひっきりなしにやってくるので、アズとリリスは当然100体を超え、レアモンスターが出現。そいつらは魔法系の特殊スキルを保持していたものの、クリスの生簀を破壊するほどの力は持っていなかったため、キープし続ける事は容易だった。

 今回の『アケロン』3体でレアⅢが出ないなら、クリスに大量にキープしてもらってからの同時討伐が望ましそうだが、どうなるかな。


「……お、動いた」


 3つの煙は1ヶ所に集まると、巨大な煙へと変貌。そして中からドロリと何かが生まれ落ちた。


*****

名前:ヘル・スケイル

レベル:255

腕力:2200

器用:1800

頑丈:3000

俊敏:2200

魔力:5000

知力:3000

運:なし


(ブースト)スキル】俊足Ⅴ、迅速Ⅴ、瞬迅Ⅳ、迅雷Ⅲ、鉄壁Ⅴ、城壁Ⅴ、金剛体Ⅳ、難攻不落Ⅲ

(パッシブ)スキル】身体強化LvMAX、硬化Ⅹ、物理耐性Ⅳ、魔法耐性Ⅳ、暗黒耐性Ⅱ、斬撃耐性LvMAX、貫通耐性LvMAX、打撃耐性LvMAX、水泳LvMAX

(マジック)スキル】水魔法LvMAX、外典魔法LvⅩ、濁流操作LvMAX、宵闇魔法LvⅩ、混沌魔法LvⅩ

(スペシャル)スキル】威圧Ⅲ、強圧Ⅲ

★【(エクス)スキル】超速再生、スケイルストームⅢ


装備:なし

ドロップ:暗黒鎧魚の鱗、暗黒鎧魚の頭骨

魔煌石:中

*****


 こっちも闇に包まれたような漆黒の魚だが、なんというか全体的に平たくて縦長の魚だな。目算、高さ2メートル、横幅30センチ程度といったところか。美味しくなさそうという点はレアⅡの時から変わらないし、アレみたく第三の目がある訳でもないし、心なしか痩せこけて見える。

 そのせいで、高いステータスとは思えないくらい弱く見えてしまうな。もしかして、さっきの『アケロン』によって毒の海に作り替えられて、文字通り終わってしまった海に生息するモンスターなのか? それが『超速再生』のおかげでなんとか生きながらえてたとか……。


「魔法型なのでしょうか?」

「……それにしては『頑丈』も高いですよね。痩せこけたマンボウのようですけど」

「あの見た目ではすごく貧弱そうに見えますわ」

「ん。本当にレアⅢ?」

「凄く弱そうだけど……」

「でもさっきの奴の件もあるしな。油断しない方が良さそうだが……」


 まあでも、スケイルなんて名称が名前につくくらいだし、あの鱗はかなりの硬度を持ちそうだな。そこに『身体超強化』と『硬化Ⅹ』、各種耐性に未知のスキル……。ブースト無しの普通の斬撃では弾かれる可能性がありそうだな。


『んー。それじゃ、あたし達は念のために外装を張るわね♪』


 そうして評価を改めていると、アズは『金剛外装』を展開した。それに倣ってキュビラとリリスも外装を張る。滅多に『金剛外装』を使わないアズが使った事で、俺達にも緊張が走る。


「え、そんなにやばい相手なの?」

『マスターはわかんないけど、初見だと被弾は確実よ。皆も少し下がった上で使ったほうが良いわ』


 そうして彼女達が少し距離を置いたところで、じっとこちらの様子を見ていた奴が動き出した。奴は大きく水を吸い込み始めると、ハリセンボンのように膨らみ始める。


「おお!?」


 そしてその体積はどんどんと膨らんでいき、ようやく落ち着いたかと思う頃には、高さも横幅も5メートルを超えるほどの巨体になっていた。

 その表面には無数の鱗が針のように突起しており、それが――。


『バンッ!!』


 空気が破裂する音と共に、無数の漆黒が散弾のように無作為にばら撒かれた。


「くっ!」


『ガガガンッ!!』


 重い!

 真っ直ぐこちらに飛んで来た鱗だけを斬り払うが、『硬化Ⅹ』とブースト系を乗せ極限まで硬くした物質をスキルで飛ばすとなると、ここまで脅威になるとは思わなかった。だが所詮は一発芸。最初さえ凌いでしまえば……。


「マジかよ……」


 改めて相手を見れば、奴は再び水を吸い込み最大サイズ近くまで膨れ上がっており、発射されたはずの鱗はビッシリと全身に生え揃っていた。『超速再生』の名は伊達じゃないって事か!


『バンッ!!』


「ぐぬっ!」


『ガガガガンッ!!』


「ぐっ、あの野郎……やってくれるじゃねえか」


 さっき飛ばした時とは異なり、鱗の密集している側面をこちらに向けてから放ちやがった。おかげで飛んでくる漆黒の数も倍増したし、いくらか防げずに被弾しちまった。

 つーかこの鱗、本体から離れても漆黒のオーラを纏ってるし、その闇が傷口を蝕むかのように、心なしかジクジクする。これ、どう考えても良くない物だよな?


「浄化!」

「オールヒール!」


 そう思っていると後方から光が降り注ぎ、闇が振り払われ傷も癒される。


「お、サンキュー!」


 後ろを見ずに伝える。流石にそっちを見る余裕はないからな。今にも第三弾が来そうだし。


『マスター、どうするのー?』

「このまま奴のブーストが切れるまで耐える! 被弾したら頼む!」


『バンッ!!』


 3回目の破裂音と、金属音が周囲の海域に響き渡る。雑魚モンスターは奴の存在にビビって近付いてこないみたいだ。ていうか、奴が放った鱗にやられて消えて行ってるのが分かる。


『それは良いんだけど、鎧着けないのー?』

「ヤバそうな相手なら着けるさ!」


 一昨日のカメ戦以降、ルミナスのもちもちボディを堪能するのに邪魔だったから、麒麟兵装はペンダントの状態にして、昨日からずっとオフにしてるんだよな。まあ、現状嫌な予感はしてないので、しばらくはこのままで良いだろう。

 流石にダンジョンボス戦では着るけども。

10/10よりコミカライズ2巻の予約が開始されました。

https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=188675392

よろしくお願いしまーす!!

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― 新着の感想 ―
電子書籍でコミカライズ2巻買って読みました 連載漫画部分はコロナEXで配信ごとに読んでますけど、読み返したくもありますし 書き下ろし小説でついにあのことに触れましたね いろいろと納得する部分がありま…
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