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ガチャ1084回目:第四層完全クリア

「とりあえず『ミスリルの宝箱』は持ち帰るとしてだ。こっちの『青の宝箱』は開けちまうか」


 中身はほぼ確定しているようなものだが。

 そう考えつつ宝箱を開けると、そこにはやはり『知恵の欠片』が入っており、それを器に近付けてみる。すると他の3つと同じく、欠片は光となって器の中へと飛び込んで行った。


 名前:知恵の器 No.190

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種類:秘宝

 説明:知恵の欠片を収めるべき専用の器。ダンジョンNo.190内の知恵の欠片しか受け付けない。全てを集めた者には大きな知恵の一部が与えられる。

 ★4つの知恵の欠片が入っている。 


「階層の問題からして、残り1つか2つってところか。……んじぁ、続けてメダルの方を終わらせるか」

「はいショウタ様、こちらですわ」

「ああ、ありがとう」


 クリスから『メダル【シュリンプ】』を受け取り、魔力の流れを見る。するとそれは地底湖の中心部へと伸びており、丁度すぐ近くだったので皆でその場所を囲むように移動した。

 そこの地面は少しへこんでいるらしく、メダルを持ったまま泡を纏って降り立つと、メダルを置くための台座が出現。『メダル【バイパー】』と一緒にセットする事で宝箱が出現した。


 名称:深海の宝箱Ⅳ

 品格:なし

 種類:宝箱

 説明:バイパー・シュリンプのメダルを捧げる事で出現する宝箱。


 ふむ。

 んでこれを開けると……光が飛び出し俺の中へと入って行った。


*****

管理者の鍵(中枢):100

管理者の鍵(末端):001、450、454、525、601、607、666、696、777、810、1086、1097、1099

管理者の鍵(破片):190(1)、190(2)、190(3)、190(4)

*****


 これで良しと。

 そのまま2セット目3セット目とメダルを捧げていき、『青のメダル【Ⅳ】』と第四層のスタンピード停止通知を発生させ、この階層での用事は完了となった。


「さてクリス。第五層はキャンプに適した場所なのか?」

「はい、入口付近であればキャンプに適しておりますわ。ですが、このダンジョンに稼ぎ目的で訪れる者は、ほぼ全て第五層に集まると言っても過言ではありませんわ。ですから、非常に混んでいると思いますの」

「なるほど。そんな場所にルミナスと一緒にお泊りは難しいか」

「そうなりますわね」

『キュ~』


 ルミナスをわしゃわしゃしつつ考える。ルミナスを野放しにしてたら、またさっきみたいな光景が広がりかねないし、崇められているとしてもルミナスには少なからず負担がかかるはずだ。うちの家族となった以上、そういうのはできるだけ回避すべきだし……。


「じゃ、ちょっと早いけど今日はここで寝泊まりするか。地上へは連絡が行ってるだろうし、今日一日はここに誰も来ない手筈になってるからな」

「そうですわね。それでも来る者達は神を畏れない不届き者です。ルミナスに敵扱いされて攻撃されかねないともお伝えしておりますので、恐らくは問題ないかと」


 信心深い人達だからこそ、そのフレーズがあれば余計に安心という訳だ。



◇◇◇◇◇◇◇◇



 翌朝、俺は拠点を出て準備体操をしていた。

 昨日は早い段階でダンジョン攻略を中断したから、夜の行事を行っても十分すぎるくらいの睡眠時間を確保できたのは幸いだったな。

 そしてルミナスは、俺の隣で朝食を食べていた。


『キュー♪』


 ルミナスにはいつものように魚入りの『魔法の鞄』を手渡してはいるんだが、昨日の寂しさを味わった影響か、手渡しでの食事が良いと言って来たのだ。なので昨晩は嫁達が、今朝は俺が手渡しで食べさせてあげていた。

 まあ、それはそれとして間食もしているみたいだけど、手渡しの方が美味しく感じるらしい。


『キュ~』

「ん、おかわりか?」

『キュ~♪』

「ほら、あーん」


 ルミナスお気に入りの焼き魚を口元に持っていくと、ぱくりとかぶりつき、その後は両手を使って懸命な様子で食べ始めた。うーん、この食事シーンの映像だけでも可愛すぎて人気が出そうだよなぁ。日本人は神だろうが魔王だろうが、何でも受け入れるからな。


「ショウタ様、こちらの準備は完了ですわ」

「おう、分かった」


 クリスに呼ばれて振り返れば、皆拠点を片付けて準備完了といった様子だった。ここで夜を明かした訳だが、まだ人が来る気配はないな。


「立ち入り禁止は1日ではなく、24時間とハッキリお伝えしましたから大丈夫ですわ」

「おお、そうか」


 流石抜かりないな。


「ん。ルミナス、ご飯いっぱい貰ったの?」

『キュ~♪』

「よしよし、良い子ねー」

『キュキュ~』

「ふふ、沢山撫でられて幸せそうですね」

「勇者様、今日も頑張りましょうねっ」

「ああ」

『おにいさん、なんだか楽しそう』

『マスター様、ウキウキが隠せていませんね♡』

『だってマスターの大好きなあのモンスターがいる訳だし?』

「そりゃあ、最初にこのダンジョンに行こうと思った理由だしな。クリス、次の階層にいるんだよな?」

「はい、いますわ♪」


 待ってろよ新種スライム、今すぐ会いに行くからな!

読者の皆様へ


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