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ガチャ1082回目:やりすぎた結果

 とりあえず俺は『インビジブルロブスター』を一カ所に集めて貰い、同時に倒す方法を考える。

 いくら一カ所に集まっているとはいえ、5段・横3列・奥6列ともなると結構な大きさだしこれを一撃で全て粉砕するとなると取れる手段がほとんどない。まずマジックミサイルなら最大威力まで引き上げたものなら5、6発同時に放てば多分殲滅はできるかもしれないが、爆発にムラがあるから撃ち漏らしなしに倒せるかは不明だ。というか、猶予時間が全体で共通なのか、個体によるばらつきがあるか不確実である以上、爆発が遅れて最初に倒した奴が煙からアイテムへと即座に変わる可能性だってあるのだ。その場合、スキルオーブや宝箱はともかく、主目的たる肉が爆発で吹き飛ぶのはよろしくない。

 そういう意味では弓も同じだろう。束ねて撃てばいいのだろうが、如何せん弓は武技スキルを使っても効果範囲が狭いのがネックだ。貫通力はあっても、数十体のモンスターが折り重なった状態ではこれまた不可能に近い。

 大剣やグングニルは言わずもがな。攻撃範囲と貫通力はあれど、さすがに……。横一列に並べて『迷宮割り』なら可能だが、それをするとこの美しい環境もろともぶっ壊す事になる。それも避けたい。

 となると、片手剣二刀流がド安定か。


「よし、クリス。俺の正面に並べてくれ。何段になっても良いから、全部が1度に見えるようにしてくれると助かる」

「畏まりましたわ。では……96体ですし、横8列×縦12段に致しますね」

「ああ、分かりやすくて大変結構」


 んじゃ、景気よく行くか!


「ハーフブーストからの……『閃撃双連・無刃衝Ⅳ』!!」


『斬ッ!!!』


 ただの『双連・無刃剣』では数は相手できても剣のリーチが圧倒的に足りないので、やっぱり広範囲に攻撃を広げるなら『閃撃』を混ぜるしかないよな。


【レベルアップ】

【レベルが25から288に上昇しました】


「おお。『大魔石』のレベル85程度とはいえ、これだけの数が同時撃破となれば『極大魔石』のレベル200……それも2、3体を同時撃破した時と同等の経験値に匹敵するな。非常に美味しい」


 最初は85レベルと聞いて、この階層での200到達は不可能かと思ってたんだけど、やっぱ低レベルでの同時撃破は可能性の塊だな。


「やったわね!」

「ん。それもこれもクリスのおかげ」

「モンスター捕獲においてはクリスさんの右に出るものはいませんねー」

「クリスさん、お疲れさまでした」

「ショウタ様の御役に立てて何よりですわ」

「まあ、このモンスターがクリスと相性が良すぎただけで、これに味を占めて他で再現しようとしてもこう上手くはいかんだろうけどな。ともかくご苦労様、クリス」

「はいっ♡」


 こんな攻撃手段をまるで持ってない上に身体もそこまで大きくないのと、水中でも窒息しないモンスターだからこそ、纏めて捕獲し続けられただけなのだ。他で真似しようとしたら捕獲係の負担が大変な事になりそうだ。


『マスター』

「ん?」

『アイテムがまだ出てこないわよ♪』

「おっ」


 急激なレベルアップで忘れてたけど、そうだった。真の狙いは特殊レアが生まれるかどうかの確認だった。

 改めて確認してみれば、96体分の煙が1カ所に集まり膨れ上がった結果、体積がとんでもない事になっていた。この反応があるだけで特殊レアが存在している事は確定している訳だが、96体分のレアモンスターエネルギーが1カ所に集中して誕生するモンスターとか、絶対ヤバイ事になるぞ!?


「あ」


『バシャンッ!』

『バシャンッ!』

『バシャンッ!』


 そう思っていると、煙が断続的に小さな煙を排出して行き、その分離された煙はドロップアイテムをばら撒いて行く。宝箱や魔石は湖面を叩いていくつもの波紋を起こすが、『インビジブルロブスター』の死体だけは嫁達が率先して回収していた。

 俺は即座に動けなかったのに、流石である。

 そうして感嘆している間も本体からの煙の分離は続き、ようやく収まるころには煙もだいぶ小さくなっていた。


「分離された『インビジブルロブスター』の数は……いくつだ?」

「87体分でしたわ」

「特殊レアが出現する為の必要枠は、9体分が限界だったという訳か」


 んで、余剰分は弾かれたと。

 そうして余った連中が出るまでストレッチなどをしつつ万全の体勢を整えていると、それは出現した。


『……』


*****

名前:レイクアサシン(超強化)

レベル:500

腕力:5000

器用:5000

頑丈:5000

俊敏:5000

魔力:5000

知力:5000

運:なし


(ブースト)スキル】超防壁Ⅴ、剛力Ⅵ、怪力Ⅵ、阿修羅Ⅴ、怪力乱神Ⅳ、鉄壁Ⅵ、城壁Ⅵ、金剛体Ⅴ、難攻不落Ⅳ

(パッシブ)スキル】身体超強化LvMAX、硬化Ⅵ、全属性耐性Lv5、物理耐性Ⅴ、魔法耐性Ⅴ、斬撃耐性LvMAX、貫通耐性LvMAX、打撃耐性LvMAX、体術LvMAX、武闘術Lv5、獣爪術LvMAX、狩人の極意LvMAX、暗殺の極意LvMAX、姿勢制御LvMAX、摩擦抵抗Ⅲ、曲芸LvMAX、水泳LvMAX

PB(パッシブブースト)スキル】破壊の叡智Ⅴ

(アーツ)スキル】隠形Ⅴ、気配断絶Ⅴ、認識阻害Ⅴ

★【(エクス)スキル】思考誘導Ⅲ、意識転移Ⅲ、透明化Ⅴ、水面歩行


装備:なし

ドロップ:スペシャルロブスターの肉、ランダムボックス

魔煌石:特大

*****


 姿形はエビというよりザリガニだが、どちらかというと赤いカマキリと称した方がしっくりとくる出で立ちだな。それに『超強化』と来たか。おそらくは本来3体で出現するべきところを、6体で強化、9体で超強化となった感じだろうか。

 そしてコイツは、最初に危惧していた通り『思考誘導』で嫌らしい使い方をしてくるタイプのようだな。さっきからコイツに対する敵意や悪意が油断すればすぐに霧散しそうになるし、視線を外させようとしてくる。普段は観測兼観戦のために気を緩めて見守っている嫁達も、正気を保とうと臨戦体勢を維持しているくらいだ。

 そんな強制的なデバフを展開してくる中での戦いか。これは、それなりに強敵だな。

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