ガチャ1075回目:隠された真の秘密
『キュ~~!!』
「ふっ……!」
アズとリリスの2人に連れられて戻って来たルミナスは、いの一番に飛び掛かって来た。すぐに迎えに送ったは良いが、やっぱり急にひとりぼっちになってしまったのは相当不安に感じたらしい。いつも以上の突進をお見舞いして来たので、俺もどっしりと構えてしっかりと受け止めてやる。湖岸は足の踏み場が悪いため勢いを殺しきれなかったが、倒される事はなかった。
『キュキュ、キュ~』
「よしよし。寂しかったか?」
『通訳なしでもわかるくらいに、悲し気に鳴いてたわよ』
『キュ~! キュ~~!!』
全力で頬ずりしてくるルミナスを撫でて宥める。まあ、いきなり知らない場所にポツンと置き去りにされたら不安にもなるよな。
よしよしよしよし。
「アズとリリスもおかえり」
『ただいまですっ』
『マスター、何か見つかった?』
「ああ。目の前にある湖の南東……第五層の階段から見て、渦潮を挟んだ反対側だな。そこに、隠し階段が出現していた」
今はその階段の奥へと視界を飛ばしている最中なのだが、どうやらその先には長い通路が続いていて、空気が存在しているらしい。そこからぐんぐんと奥へと進んでいくと、地底湖らしき風景が飛び込んできた。
見た感じ、この風景の中にモンスターの姿はどこにもない。恐らく、また水中に潜んでいるんだろう。試しに地底湖の外周をぐるり観察する事にしたのだが、どうやらこの地底湖、かなり広大なようだ。マップで照らし合わせてみると、東西の湖を地下で合体させたかのような広さを有している。そして地底湖の北東部分では、やはりというか上部の湖に通じる隠し階段が出現しているようだった。ということは、地底湖への入口は東西に1つずつある訳だな。
この地底湖は出現したばかりだし、第四層から第五層に向かう順路からは離れているため、他の冒険者が来ることは恐らくないであろう位置だが……先手は打っておいた方がいいだろうな。
「クリス。この情報を支部長に連絡して、今日一日はそのエリアに誰も侵入しないようおふれを出しておいてくれ」
「畏まりましたわ」
『あらマスター、早速挑戦しないの?』
「ああ、気にはなるが……まずはあの渦潮のギミックを完全攻略してからにしようかな」
俺の考察が確かなら、あそこに眠ってる秘密はかなり大きいはずだからな。
「という訳で、全員その場に待機。ルミナスも、ちょっと離れておいてくれ」
『キュ~……』
ルミナスは渋々といった様子で嫁達と一緒に距離を置いた。後でまた撫でまわしてやろう。
「クリス。今一度確認だが、渦潮に上空から近付いた時点で攻撃される感じか?」
「渦潮の中心部付近かつ、高さ1メートルほどで攻撃開始して来たと記録がありますわ」
「周囲でそれを観測していた人間に被害はなかったと」
「はい。ですので、わたくし達の事はお気になさらず」
「わかった。ありがとう」
んじゃ早速挑むわけだが……攻撃がどの程度激しいか分からないしな。いきなり『金剛外装』を使うのは無しにしても、保険の為に『超防壁』くらいは使っておくか。
渦潮の上空に『空間魔法』で足場を生成し、跳躍して一気にそこに着地をする。すると、足元から強烈な殺気が飛んで来た。
『ズドドドドドッ!!』
「おっほ!」
早速渦潮の内部から2つの水の砲弾が発射され、足場を容赦なく破壊。それらを跳躍で回避すると、今度は3つの水の槍が生成され、俺目掛けて飛来してくる。高速で足場を作成して横に回避すると今度は4つの腕が形成された。
「おお! 楽しいなこれ!」
1つの攻撃を避ける度に攻撃してくる数が増して行き、視えないナニカの攻勢は激しさを増して行った。そして、1度に攻撃を仕掛けてくる数が15を超えたところで……。
『――』
それは出現した。
*****
名前:水の精霊核
レベル:700
腕力:0
器用:0
頑丈:8000
俊敏:0
魔力:∞
知力:10000
運:なし
【Uスキル】真鑑定LvMAX
【Pスキル】全属性耐性LvMAX、物理耐性Ⅷ、魔法耐性Ⅷ、斬撃耐性LvMAX、貫通耐性LvMAX、打撃耐性LvMAX
【Sスキル】存在圧Ⅳ、霊圧Ⅲ
【Eスキル】水(劣化)
★【Eスキル】蒼天砲、水銃、アイスピックランス、アイスコフィン、水神の腕、銀世界、水鏡の盾
装備:なし
ドロップ:水の精霊核、ランダムボックス
魔煌石:特大
*****
「おお??」
こいつは……ステータスはかなり偏重だし、見た目は完全に青いオーブでしかないけど、技の構成的に『水の大精霊』にそっくりじゃないか。いや、技の数は減ってる上に『Eスキル』にもあるように、あっちの劣化版かな?
けど、あの時戦った『水の大精霊』には無かった『水神の腕』を取得しているな。あれはクリスが第三層でルミナスを捕まえる時に編み出したものだ。それが入っているということは、『水』保持者の影響を受けてると見るべきか。
ここは俺が倒しても良いんだが……こいつより強い『水の大精霊』と戦ってるしな。技のレパートリーも少ない上に一番の問題点だった『結界破壊』が存在しない相手だから、あまり緊張感もなく倒せてしまいそうだ。
「クリス!」
「はい!」
「戦ってみないか?」
「えっ?」
水使い同士の戦いなら見応えがありそうだし、何より『神器』を試すにはもってこいの敵だろう。なんせ相手の攻撃は全て水頼りなのだ。周囲の水を吸い上げて攻撃に転じる事ができるポセイドンの槍は、奴にとって相性最悪だろう。
「はい、やってみますわ!」
「よし、バトンタッチだ!」
問題はどこまで完封できるかなんだよな。その完封具合次第で、四神の『玄武』戦における討伐難易度に大きく影響が出る事だろう。
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