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ガチャ1063回目:4つ目の神器

 『プリズムの宝箱』の出現により嫁達から歓声が上がり、皆が注目をしている。


「第三層でプリズム! 幸先いいわねー」

「その分過程が大変でしたが……」

『キュ~?』

「ん。中身が気になる!」

「武器でしょうか、防具でしょうか?」

『マスター様の扱えるものだといいのですが……』

『キュキュー?』

『100番台だから、アイツが持ってた『幻想(ファンタズマ)』級アイテムかぁ……。ワンチャンあるかもしれないわね』

『おにいさんっ、これも持ち帰りですかぁ?』

「いや、ちゃんとここで開けていくよ」


 ……そう思ったところで、俺はちょっと踏み止まった。

 開けるにしても、ここではアレだよな。だってここ、第二層から続く階段の裏手な訳だし。通るのはそれなりの冒険者達だとはいえ、国外の民度はあまり信用ならないからな。ただでさえルミナスの存在で注目を集めかねないのに、そんな俺達の中心には最高峰の宝箱である『プリズムの宝箱』だ。騒ぎにならないはずがない。


「クリス」

「はいっ、用意してありますわ」


 そう言ってクリスは『虚構結界』を設置。俺達は外からは感知不可の結界に包まれた、本来は円柱のように縦長に展開される結界なんだが、ダンジョンの階段が頭上にある影響なのか、高さは通常時の半分ほどでしかなかった。流石に『高位伝説(ハイ・レジェンダリー)』のアイテムといえど、ダンジョンのオブジェクトに打ち勝てる程ではなかったか。

 だがまあ、起動自体はちゃんとできているようで、これで他人の介入を考えずに済みそうだな。


「流石だなクリス」

「はい♡」

『キュー、キュキュー!』

「ぐほっ」

「きゃっ」


 クリスを全力で褒めていると、ルミナスが突っ込んできた。その勢いは強く、思いっきりクリスを押し倒す形になってしまう。


「悪いな」

「構いませんわ♡」

「それで、どうしたんだルミナス」

『キュ~。キュキュ~~』


 なんかしらんけど、やんわり怒ってる感じがする。

 アズ、翻訳翻訳ー。


『あーっとね、皆が何に興奮してるのか教えて欲しいって言ってるみたい。ごめんねー、無視していた訳じゃないのよ』

『キュ?』

「なんだ、無視されたと思って拗ねちゃってたのか。しょうがない奴だな~」

『キュ~……』


 ぐりぐりと頭を押し付けてくるので撫でまわしてあげた。やれやれ。

 ……うーん、それにしても翻訳役がリリスを介したアズだけってのも、いちいち大変ではあるよなぁ。どうにかできないものか。

 まあ何にせよ、ルミナスは拗ねると突撃してくる事を覚えておかないとな。

 そうして嫁達から『幻想武器(ファンタズマウェポン)』とかの説明を受けて、ルミナスは納得してくれたらしい。ついでに拗ねは俺と嫁達から撫でられると秒で解決したのだった。


「さて、改めて『プリズムの宝箱』だ。開けるぞー」


 宝箱に触れると、選択肢が現れた。


【神器】

【スキル】


「やっぱこう来るか」

「ん。究極の選択肢」

「あたし達が手にした『幻想(ファンタズマ)』も、もしかしたら別の物になっていた可能性があるのかしら?」

「どうなのでしょう?」

『ブラマダッタやケルベロス、『水』と『風』。別ものであれば、今とは異なる出会い方をしていてもおかしくはないですね』


 だろうな。そもそも、出会ってない可能性すらあるわけだ。だが、個人的にはそんなifは存在しないと思ってる。


「多分無いんじゃないか? そっちは中身が確定していたと思うぞ」

「勇者様、どういう事ですー?」

「ああ、皆が手に入れたルートは、俺が取得した『プリズムの宝箱』と違って、低レベルでも獲得可能なものだったろ? 実際、話を聞いてる限りでは皆レベル50未満で獲得していたと思う。逆に、俺が獲得したこいつらは高水準のチームでも、最低レベル200から300前後は必要になる難易度ばかりだ」

「なるほどですねー」

『それでマスター、どっちを選ぶの?』

「そりゃ当然――」


 『神器』だ。ポチッとな。


「皆、ちょっと離れていてくれ」


 危険なものかもしれないしな。

 皆が離れたところで宝箱を開き、中の暗闇に手を突っ込む。するとそこには、ひんやりとする何かがあった。……いや、ひんやりという言葉では生ぬるい。手に持つと、凍える自分を思わず思い浮かべてしまうかのような、冷気を支配した存在がそこにはあった。

 『魔法の鞄』系統だと、熱いものや冷たいものを入れていてもそんなものは感じられないというのにな。そもそも仕組みが違うのかもしれない。


「……よし、持ち上げるぞ!」


 そしてぐっと引き上げると、そこから顔を出したのは三又の槍だった。

 よく見えるように、俺はそれを地面に突き立てた。


 名称:ポセイドンの槍【神器】

 品格:≪幻想≫ファンタズマ

 種別:神器【槍】

 武器レベル:84

 説明:神話に登場する神器武装を具現化したもの。十全に使い熟すには持ち主にも相応の素養が求められる。絶大な力を授ける反面、水との親和性スキルを持たないものには相応の罰が下される。機能の一部が封印されている。

 神器スキル【???】:封印されている。

 ★周囲の水は全てこの槍の味方となる。


「槍かー」


 これまで4回『神器』と遭遇してきたけど、槍の比率が高いな。もしかして、偏ってる??

 まあそれはそれとして、投げること大前提のグングニルとは違って、コイツは振り回すのには優秀そうだな。重くはないし。

 めっちゃ冷たかったけど。……もしかして俺、資格を満たしてない?

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