ガチャ1061回目:英才教育
ざっくり言うと、レベルの推移は以下のようになった。
まず744レベルを『解析の魔眼』3つに還元して144に。そこから4体撃破して228に。また4体撃破で259。4体撃破で254。4体撃破で257。5体撃破で262になった。
レベルを勿体なく思うのであれば、正直一度に倒す数は2、3体で十分ではあるんだが、やっぱりレアⅢが出るかもしれないと思うと、そっちの欲が出ちゃうんだよな。まあ、出なかったんだけども。
結果、最終的な『運』は95824になり、今日の本格的な狩りは終了。そのまま海流を行きと同様の方法で通り抜け、クリオネは全員が分担して撃破することで100体にならないよう調整し、中央島まで戻って来られたのだった。
そしてメダルはといえば、どちらも相変わらず島の中央を指し示していたんだが……どうするかな。
「クリス、今何時?」
「19時半ですわ」
「……流石に腹減ったし、今日はもう終わろうか」
「さんせー!」
『はーい♪』
「ん。ぺこぺこだった」
『ゆっくりお休みしましょう♡』
『キュキュ? キュー』
残りはメダル2種の結果を見るだけではあるが、正直楽しむ余裕よりも空腹と疲労が勝つし、それは嫁達も同じだろう。
というわけで、ルミナスはちょっとデカすぎるので拠点には入れない為、浜辺近くに拠点を設置しつつもその真横にルミナス用の水槽を用意することにした。その水槽は今後ルミナスを飼う上でどんなおうちが良いかを確認するためのものであり、ルミナスの希望を聞きながら皆で作り上げたプロト版だ。
スキルの『エレメンタルマスター』のおかげで材料には困ることはないし、解体も一瞬だ。家の庭先に広い海を用意する事は難しいから、この辺はルミナスの要望に合わせて要調整だな。
『キューキュキュキュー』
「ああ、ゆっくり休めよ。腹が減ったらその『魔法の鞄』から切り身を取り出して好きなだけ食って良いからな」
『キュー♪』
試しにやらせてみたら、ルミナスは器用にも『魔法の鞄』に手を突っ込んでアイテムを取り出すことができていたので、言いつけを守ることを誓わせた上で好きに食べさせてやることにした。今日だけで切り身は文字通り腐るほどあるからな。ルミナスが適度に間食しようと問題はないだろう。そもそも少食だしな。
ルミナスに渡したのは嫁達が持っていた鞄の予備ではあったが、中身は調整して切り身しか入れていないし、変なことになる事はないだろう。
「さて……今日はどうする? ゆっくりするか?」
「「「「「『『『……』』』」」」」」
全員が顔を見合わせた。疲れてるんなら今日は無しでも……。
「ん。それはそれ、これはこれ」
「逆にしないと調子でないっていうか」
「我慢は身体に毒ですわ」
「でも疲れてる事は確かですし、1人2回までに留めておきましょうか」
「というわけで、勇者様、頑張ってくださいっ」
「結局俺が頑張るわけね」
16回かー。まあ、いつもよりは少ないけど、問題はそこで終われるかだよな。
『それに、お姉さまへの罰ゲームが残ってるわけですし……♡』
『リリスー。あんた、さっきからずーっとウズウズしてるでしょ』
『はいっ♡』
『はぁ、仕方ないわねぇ』
『マスター様、お辛ければ私は抜きでも平気ですから』
「そういうのはダメだ。遠慮するな。それに、スキップをするなら罰ゲームとしてアズを対象にしても――」
『それはヤダッ!』
アズが全力で腕をバッテンにした。そんなに嫌か。
まあ、それなら本気で怒った時の罰はそれくらいのほうが効果ありそうだよな。うんうん。
「それはそれとして、今日皆がいつも以上にはしゃいでた理由はなんだったんだ? 水着は関係ないよな?」
『あ、それ? ……そうね、もうネタ晴らししても良いわよね』
「そうですね。ショウタ様にも関係ない事ではありませんし」
そう言って、テレサとマリー、それからキュビラがカメラを置いた。
……あれ、そもそも今日って、カメラが3台もあったのか。いつも1台なのに。
「実はですねー。これも子供たちの為なんですよー」
「ん? どゆこと?」
カメラが子供たちの為になる? モンスターを討伐する映像が??
……英才教育って事???
「ほら、ショウタってば生まれてすぐにダンジョンに行くことになっちゃったでしょ?」
「それも数日……下手すると一週間ほど離れてしまいますよね」
『子供たちは本能的にマスター様の事が大好きですから、きっと寂しい思いをする。そう思ったのです』
「ん。だから皆でショウタの冒険者生活のシーンを撮って、子供たちに見せることにしたの」
「あなた達のお父さんは、今日も頑張ってるんだよーっていう映像を見せるためにね」
「ははぁ、なるほどぉ?」
んで、はしゃいでいた理由は……ついでに自分も頑張ってるところを子供たちにアピールしたかったからってことか。カメラが複数人になることで、撮影者が損を被らないようにしていたと。
なるほどなぁ、納得。
◇◇◇◇◇◇◇◇
翌朝。
拠点から出ると、水槽から飛び出して地面の上でゴロゴロしているルミナスと目が合った。
「おはようルミナス、よく眠れたか?」
『キュ~♪』
ごろんとヘソ天するルミナスをワシャワシャと撫で回す。幸せそうにするルミナスを見てると疲れが吹き飛ぶなぁ。……結局、アズの罰ゲームを執り行った事で夜は全体的にヒートアップしちゃったんだよなぁ。おかげで、いつもと同じくらい盛り上がってしまった。2回とはなんだったのか。
抑えようとはしてたんだが、疲れが若干残ってる気がする。主にメンタルで。
『うー……。まだお尻ヒリヒリしてる気がするわ』
アズがお尻をさすりながらやって来た。
「まあ良いじゃん。盛り上がってたし、皆も許してくれたんだしさ」
「そもそも、あんまり怒ってなかったですけどねー」
「それでも一応、危ない事をしたんですから、必要な事ですよ」
「儀式みたいなものよね」
『反省してるわよ~……』
「ん。叩きがいがあった」
『楽しかったです♡』
『私も、ちょっとハマってしまいそうでした……♡』
『キュ。キュキューキュキュ』
盛り上がる嫁達をよそに、ルミナスは何か思い出したかのように慌てて起き上がり、『魔法の鞄』を指して何かジェスチャーを始めた。
何か嬉しい事があったみたいだけど、やっぱり何言ってるか分からんな。
『今日は鞄に焼き魚が入ってたみたいで、美味しかったって言ってるわ』
「ああ、なるほど。いつもナマで食ってたもんな」
『キュ~♪』
動画を子供たちに見せる過程で、ルミナスの事も伝わってるだろうし、それで皆が気を利かせてくれたみたいだな。うちに帰ったら大人気間違いなしだな。
……やっぱり、どうにかウチで飼いたいところだよな。室内飼いはストレスが溜まるだろうし、やっぱり外になる訳だが……。スペース、どこに作ろうかなぁ。
読者の皆様へ
この作品が、面白かった!続きが気になる!と思っていただけた方は、
ブックマーク登録や、下にある☆☆☆☆☆を★★★★★へと評価して下さると励みになります。
よろしくお願いします!










